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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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2020年8月の記事一覧

彼女の言葉はいつも元気をくれる。『アナキズム・イン・ザ・UK 壊れた英国とパンク保…

映画監督として有名なケン・ローチ、ハリーポッターの作者として成功したローリング。そして、…

夕遊
4年前
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近代日本の国民教育の残滓。『中学入試国語のルール』石原千秋

小6の娘が「どうして小学校の教科書っておもしろくないの?」と聞くようになったので、国語の…

夕遊
4年前
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闘う女性たちの物語。『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』北村紗衣

What are little girls made of ? Sugar and spice and everything nice ステキでキャッチーな…

夕遊
4年前
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お坊さんと戦争の関わり方。『ポーランドに殉じた禅僧 梅田良忠』梅原季哉

1943年11月28日から12月1日にかけて、イランで開かれたテヘラン会談。ここでいち早…

夕遊
4年前
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中国共産党の独裁に逆らった男の話。『「暗黒・中国」からの脱出』顔伯鈞・安田峰俊

出張の往復で一気に読了。おもしろ過ぎます。 それは、多分抄訳された安田さんが言うように、…

夕遊
4年前
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碩学の若かりし修行時代。『書藪巡歴』林望

大昔に読んだことがあるイギリス本の著者とは同姓同名だと思っていました。でも、ご本人だった…

夕遊
4年前
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料理も料理研究家も、時代と一緒に進化する。『小林カツ代と栗原はるみ』阿古真里

サブタイトルは、料理研究家とその時代。 NHK朝ドラの『ごちそうさん』にモデルがいたなんて知りませんでした。 料理というのは、ものすごくパーソナルというか、家庭独自のものだけれど、同時に社会や文化を映す鏡のような存在。そして、それをリードするのが料理研究家。 この本は、料理研究家たちの個人史から、戦前から戦後の食事文化と社会の移り変わりを概観する興味深い内容で、楽しみながら読めました。以下、各章で紹介される料理研究家です。 第一章 憧れの外国料理  (1)高度成長期の西

中国の歴史をざっくり掴むとこんな感じ?『中国の大盗賊・完全版』高島俊男

高校時代の世界史の資料集に2つの絵がありました。 両方とも明の太祖朱元璋の肖像画で、1つ…

夕遊
4年前
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あなたの笑顔を千年後に伝えたい。『枕草子のたくらみ』山本淳子

『枕草子』が史実通りを書いた随筆ではなく、定子のサロンの華やかさを後世に伝えるために書か…

夕遊
4年前
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謎の多い魅力的な女優。『もう一人の彼女 李香蘭/山口淑子/ シャーリー・ヤマグチ』…

「女優の自伝をまともに信じてはいけない」とは、数多くの中国映画の字幕を担当し、書籍を翻訳…

夕遊
4年前
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ワインと信州の魅力。『千曲川ワインバレー 新しい農業への視点』玉村豊男

何気なく喫茶店で読んでいた新聞で、玉村豊男さんという方が紹介されていました。ワイン好きが…

夕遊
4年前
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こんな親子や家族があってもいいかもしれない。『そして、バトンは渡された』瀬尾まい…

良質のエンタメを読むのは、本当に幸せ。取って付けたような感動エピソードや、お約束の萌アイ…

夕遊
4年前
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中国との商売が牧歌的だった時代。『中国てなもんや商社』谷崎光

首の入らないTシャツ。プリント部分がくっついて、蛇腹のようになってしまったシャツの山。ジ…

夕遊
4年前
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本物の鬼は誰!?『中国魅録「鬼が来た!」撮影日記』 香川照之

2000年のカンヌ映画祭でグランプリをとった姜文監督の『鬼が来た!』 それに主演した香川照之さんの中国撮影奮闘記。 香川さんは脚本を読んで、すばらしいと感じて出演にOKしたのに、それが現場でどんどん変更され、最後には脚本家も首にされてしまう。日本の撮影現場からは想像もつかないような場所を転々とし、想像もつかないような待遇に翻弄される毎日。中国を知らない人には、あっけにとられる日記が続き、中国を知っている人には、「中国ならそうだろうな~アハハ」な日記が続く。 『鬼が来た!』