世界の終わりの朝に
おれは人の悪意に晒されて死にたくない、と思う。いつの日か心臓がキュッと痛む日があった。左胸が痛んで、なんだか脈も早い。動悸がした。おれは太りすぎているし、ベビースモーカーだし、ああこのままおれの心臓は止まってしまうんだな、と思った。そのことをおれは安らかに受け入れることができた。心臓の病で死んだとて、それは自然の摂理であって、このまま終わってもいいと思いながら眠りについた。
翌朝目覚めると動悸は止まっていた。その後、もう半年以上動悸は起こっていない。たまたま動悸がしただけだっ