点は位置か? Is point position?
ユークリッド幾何学では点とは「位置をもち、部分を持たないものである」とされている。微妙な表現であるが、ここから点とは位置そのものであるという認識が広まったと推測される。しかしこの記事では点は位置ではないと主張したい。なぜならば、点が位置であるとすれば「点が移動する」という我々の直観を説明できなくなるからである。
点が位置であると前提するとどのような帰結を導くことになるかを示したものとして、大森荘蔵の論証がある。山川偉也の『パルメニデス』pp.205-206から孫引きさせても