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逢いたい菜 【毎週ショートショートnote】

伯爵家の末娘アイネは自家製ハーブティーが冷めるのも気にせず物思いに耽っていた。
彼女は植物の研究が趣味で、専用の温室でたくさんの薬草やハーブ、キノコやシダ植物を育てており、いつもそれぞれの植物に話しかけていた。
貴族令嬢には珍しく夜会などはそっちのけで、研究ばかりしているため婚約者ができる気配もなかった。

姉二人はそれぞれ申し分の無い相手と結婚した。
末娘のため好きにさせてしまっていたが、親たちも危機感を覚え始め、先週は気乗りしないアイネを夜会に参加させた。
彼女の様子がおかしくなったのはそれからだ。

執事たちに探らせると、植物にしか興味が無かったアイネに夜会で気になる相手ができたことが判明した。

「あの方に逢いたいな」
話しかけるアイネの言葉に応えるように、植物たちは葉を揺らし花を開く。
彼女の想いを載せた種子が飛び、想い人の庭に根づいた。
風が吹くと聞こえる「逢いたいな」の声。


「この植物のおかげでパパとママはは結ばれたのよ」

(410文字)



こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
お題は「逢いたい菜」です。


猫が好きなのでもう一つの方のお題「だいたいニャー」も書きたいです。
なんのイメージも浮かんでないですが、猫というだけで書きたいです。
まだ、皆さんの作品は見ていませんが、きっとヘッダー画像はたくさんの猫が並んでいるはず。
ワクワクしちゃいますね。


今までに【毎週ショートショートnote】に参加したもの。


読んで下さってありがとうございます。
植物を見るのは好きですし、植物に囲まれている環境は好きですが、緑の手がないため育てるのは苦手な羽根宮でした。


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羽根宮糸夜
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