見出し画像

アナログ巌流島【毎週ショートショートnote】

「私、巌流島を作ろうと思う」
昼休みに目の前の友人が突然言った。
彼女は2.5次元舞台にハマっていて、日々推し活に励んでいる。

「巌流島って……突然なに?」
訝しむ私に友人がスマホの画面を見せる。
「舞台の主演!武蔵だって!」
彼女の推しが、「情報解禁です」と新しく舞台の主役に決まったとTwitterで呟いていた。
小次郎役も人気俳優が担当するらしく「キャスティングが神!」とはしゃぐ友人。

「で、巌流島を作るって?」
問いながら、彼女が作品に関係あるうちわや髪飾り、小物などを作り、毎回それらを身につけて観劇していたことを思い出す。

「今回は巌流島の戦いだから!巌流島と武蔵と小次郎をTシャツに刺繍する!」
「え、刺繍?データ作ってシャツにプリントとかできない?」
「それじゃあ想いが伝わらない!機械には頼らないの!一針一針心を込めて刺すよ!」
彼女の手芸はプロ級だと思うけど。
作る度「お揃い」を贈られる推しはどう思うだろう。巌流島Tシャツ。

(410文字)


こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
お題は「アナログ巌流島」です。

お題の難易度が高い!笑

今回、アナログというのを「電子機器を使わない」というような意味で使いましたが、本来の「アナログ」という言葉の意味とは違うみたいですね。
普段、そのような意味で用いがちなので、そのまま使ってしまいました。

羽根宮は編み物や裁縫が大好きです。
お裁縫は小物しか作らないので、大量に作る場合でなければ手縫いすることは多いです。
というか、コロナ禍の直前までミシンは使っていなかったので、手縫いの方が安心するのです。
とはいえ、巌流島と武蔵と小次郎を刺繍しようとは思いません。

そうそう、ちょっと前に「巌流島」という舞台がありましたが、そちらとは全く関係がありません。
書いている途中で、念のために調べてみたら本当に舞台作品がありました。
まあ、あってもおかしくないですよね。
もしかしたら無意識に情報を見ていて、脳の奥深くに眠っていたのかもしれませんが。
(普段テレビを見ることがないので疎いのです)


さて。
裏お題は「デジタル混入島」だそうです。
こっちの方が書きやすいかしら……。

読んで下さってありがとうございます。
羽根宮でした。


いいなと思ったら応援しよう!

羽根宮糸夜
ご覧下さいましてありがとうございます。もしサポートいただけましたら、感謝して活動費に充てたいと思います🐱