『六人の嘘つきな大学生』二度読みせずには居られなかった
「映画化決定!!」の文字がデカデカと書かれた帯が目に入った瞬間、いかにキャストを見てしまわないかに気を配りながら、なるべく表紙も見ずに買ってそそくさとカバーを付ける。
これが、私が文庫を買うときにひとりで神経を使っているところです。だって、一度たりとも俳優さんを見てしまったら、もうそのまま脳内再生されてしまって想像の余地が無くなっちゃうから。
この本は、以前noteで拝見したレビューが面白そうで気になっていたので読んでみました。幸い、私が買った版では俳優さんたちの写真はまだ無かったので、先ほどの心配は完全なる杞憂に終わりましたが笑。
『六人の嘘つきな大学生』- 著者: 浅倉秋成さん
この小説。困った。すごく面白かったんだけど、何をどう書いてもネタバレになってしまう…!!
構成の妙とでも言いますか。一読目は、ひゃぁぁ。見事に、見事にしてやられました。穿った見方もしながら読んでいたつもりが、全てまんまと作者の思う壺。それだけ私が素直な性格だったということか。(←ん?)
色々どうしても戻ってみたくなり、二読目(そんな言葉あったっけ?)もやらざるを得ず。すると、一言一句が計算され尽くしていたことをさらに実感。これはすごいわ…。作者の鮮やかな手法に感服です。
実際の映画版キャストはまだ存じ上げないけれど、どなたが誰なのかな??ドキドキ。あの演技をどう表現するのかな??気になるから観ちゃうかも。
本作では、私にしては珍しく、ほとんどの登場人物を実在する俳優さんたちに勝手に脳内出演して頂く感じで読了しました。実年齢はバラバラだから、このキャスティングで実際に映画版は作りにくいと思うのだけど、何せ脳内だから、勝手に俳優さんたちの年齢もその頃に合わせられる。それが脳内キャスティングのいちばんの強みですね。ふふ。
「就活」がこの小説のベースなのだけど、あれはほんと、何だったんだろうなぁ。
あ、そうだ、今現在まさに就活中や、これから就活です、の人はもしかしたら読むとちょっとしんどい場面もあるかも知れないから、そういう方が読むなら心の余裕がある時か、就活が済んでから読む方がオススメかもです。
やぁ、しかし面白かった!まるで映画を観ているかのようにさくっと読めます。
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