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【透析のこと】透析になったら利用すべき3つの制度、療養中も安心して暮らすために・・・

血液透析にはお金がかかる。
その医療費は1カ月約40万円。透析の原因になった病気の医療費も加えると、年間500万円にもなるといわれている。

かなりの高額だ!
医療保険をつかったとしても、これではすぐに破産してしまう。

日本国内では、先人たちの働きかけのおかげで、今では、医療費の助成や経済的に支える制度が整っている。本当にありがたい。

これらの制度の利用なくして、透析を続けていくことはできないだろう。

制度を説明するのは難しいけど、、、
今回は、透析になったら利用すべき3つの制度を紹介してみたい。私もこの3つの手厚い制度のおかげで、透析を受けながら暮らすことができている。


❶特定疾病療養受療制度(特定疾病)

漢字だけの難しい名前の制度だけど、透析を長く続けるには、絶対必要でマストな制度
通称マル長

1カ月約40万円もかかる透析の医療費。医療保険で3割負担になっても約13万円もかかる。
私のようなパート収入では、給料が透析費用に消えてしまう。

それが、このマル長を利用すると、自己負担は1カ月1万円までになる。透析を続けるためには、とっても重要な制度だ。

このマル長には、1つ大事な注意点がある。

申請した月の月初から制度利用が認められるので、透析をはじめた月内に必ず申請しないといけない。
もし、透析開始の翌月に申請したら、高額な透析費用を1カ月分払うことになってしまう。

透析をはじめるときに、病院スタッフが説明すると思う。でも、月末に透析をはじめる場合には注意が必要だ。透析開始の日にちが決まったら、透析開始前でもすぐに申請するといい。

申請先は、社会保険の人は、勤務先の人事課や社会保険担当者へ。国民健康保険の人は、お住まいの市区町村窓口へ。

ただし、このマル長は、透析治療の費用にしか適用されない。薬代や他の病気の医療費は、普通に支払うことになる。

⬇️マル長の詳細はこちらをどうぞ


❷重度心身障害者医療費助成制度

またまた漢字だけの難しい制度の名前。
私はこの制度を重心(じゅうしん)と呼んでいる。役所でも病院でも重心で通じると思う。

この重心は、①のマル長で月1万円になった透析医療費の負担をさらに減らしてくれる。自己負担が無料にもなる強力な制度だ。

しかも、透析以外の病気でかかった、歯科や眼科などの医療費もすべて対象になる。ただし、医療保険外の特別な医療費は対象外。

この重心を利用する条件は、身体障害者手帳の1級か2級を取得すること。

それと、新規申請で65歳未満の人など細かい条件もあるので、お住まいの自治体のホームページなどで確認を……。

永久的な透析になった人は、身体障害者手帳1級に該当する。なので申請すれば確実に身体障害者手帳が交付される。

手帳の申請時期は、主治医と相談して欲しい。
私は、透析を開始して3カ月後に主治医から申請するようにいわれた。検査データが落ち着くのを待っていたのかも?!?

そして、手帳をもらうまでには、申請後1〜2カ月かかる。手帳をもらったら、すぐに重心を申請しよう。
申請先は、身体障害者手帳も同じく市区町村の窓口だ。

重心は市区町村によって制度の内容が少し違う。
私の住む館山市では、ある程度収入のある人は、
通院1回300円、入院1日300円、調剤の薬は無料。
収入が少ない人は、通院、入院、調剤の薬がすべて無料になる。

私はパート収入になって2年目にすべて無料になった。なので今、透析費用の自己負担は0円だ。

この重心は、医療費の助成制度の中でも最強の制度といえそうだ。

⬇️(例)館山市の重心の案内 
       詳しくはお住まいの自治体のホームページを
  見てください。


❸障害年金

年金といっても老齢年金ではなくて障害年金。
障害者の収入を支える制度で、2カ月に1回、年金としてまとまった金額が支払われる。

透析患者は、1回4時間以上かかる透析時間を確保するのに、仕事を制限することもある。

私は、正社員としての勤務が認められずパートに変えた。なので収入が半減。この時は、暮らしていけるのか、かなりあせった。

減った収入を補うために、障害年金を申請した。申請までには壁がいくつかあったけど、今では、月額68,000円の障害基礎年金をもらっている。

実は、透析患者は障害年金2級と決まっている。
ならば簡単に受給できそうに思うけど、これが簡単ではなかった。

一番問題なのは、透析の原因になった病気の初診日の認定と証明が必要なこと。多くの人は透析になるまで何十年も療養していて、この証明に難航してしまう。

私の場合、初診日は今から38年前の16歳のとき。
最初にかかった民間病院は廃業していた。
ならばと、次にかかった国立病院にアプローチ。記録が残っていて、そこで証明してもらえた。

とにかく、集める書類、書く書類が多くて、時間もかかる。申請にこぎつけるまでが大変だった。
幸い私は、病院のソーシャルワーカーをしていたので、なんとか自力で申請した。

でも障害年金は、申請が難しい制度だと思う。
わからないことは、申請窓口でもある程度教えてくれるし、かかりつけ病院のソーシャルワーカーに相談してもいい。
それでも大変なときは、報酬が発生するけど社会保険労務士に申請を依頼できる。

ただ安心な点は、
透析患者は障害年金2級と決まっている。書類に不備さえなければ障害年金を受給できると思う。 

透析で収入が減ってしまった人は、申請を考えるべき制度。しかし、年金をかけていなかったり、かけた期間が短いと対象にならないこともある。

申請先は、初診日に国民年金を納めていた人や未成年だった人は、市区町村の窓口へ。
厚生年金を納めていた人は、最寄りの社会保険事務所になる。

ちなみに、初診日に厚生年金を納めていた人は、障害厚生年金になって年金額がアップする!

⬇️障害年金の詳細はこちらをどうぞ


まとめ 制度利用について

今回紹介した3つの制度の申請には、医師の証明や診断書、意見書がかならず必要になる。医師が書いてくれないと申請できない。

医師の方針や考え方もあるので、透析が近づいたら主治医に相談して共有しておくといい。

透析になる前から、障害者自立支援制度や難病医療費助成制度を利用していた人は、そのまま継続して併用することになる。自治体もそれを勧めるはずだ。

つらい治療があったり、身体が不自由な状態でも、治療を継続して、安心して暮らせるように制度利用は必要なこと。ありがたく思い積極的に利用して欲しい。

日本の制度は申請主義が多いので、制度を知って自分で申請しないと利用できない。
なので日ごろから、自分で調べたり、病院スタッフに聞いたりと情報収集が大切になると思う。


お読みいただきありがとうございました🍀


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