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森に隠れる愉悦
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以前の賑やかなnoteサイトを卒業して、海と山を越えてここにやって来た。
フォロワーも少数に絞っているので、実に森閑として静謐な世界だ。
これぞ「森に隠れる愉悦」。
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かつて毎日むせ返るような人いきれの中で働いていた現役時代は、週末や少しまとまった休暇が取れる日には、すべてを振り切るようにして山に向かった。
肩に食い込む重いザックを背負い、滝のように流れ落ちる汗を拭いながら、ただひたすら遥かな高みを目指し、峰から峰を渡り歩いた。
古ぼけてはいても歳月が染み込んだ山小屋のテラス、木立に囲まれたテントのランタンの下で過ごすひと時の言いようのない心地良さと安らぎ。
山の中で過ごす時間のすべてを僕は密かに「森に隠れる愉悦」と呼んでこよなく愛していた。
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ダーマトグラフとパステル(33.5✕32cm)
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だが、人や街が嫌いな訳ではないので「仙人願望」などはない。
オーケストラの音色が響き渡るコンサートホール
アートの宝庫である美術館
趣味の良い静かなカフェや庭園
歴史の歳月の中に佇む寺社や教会
街にもそのような「心の森」があちこちにあるのだから。
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ブラームス『交響曲1番』
※ 参考動画 (今回のコンサートのものではありません)↓
ブラームス 交響曲1番第4楽章