”学術的に”成功しやすい告白とは? 恋愛の科学【読書感想】
恋愛最大の難関、告白
恋愛最大の難関は告白だろう。成功すれば華々しい未来が拓く半面、失敗したら今ある関係が壊れてギクシャクしてしまう恐れがある。
告白の失敗は老人になったら笑い飛ばせるのかもしれないが、若い時は世界が終わるほどの衝撃を受ける人もいるだろう。単純に若い人たちが結ばれるのは喜ばしいことだ。と言うわけで意外と学術的意義がある分野らしい。では学術的にどういう告白が成功率が高いのか?を本書のパートから抜粋。
告白は男性がするものと思いきや、以外にも男女の差はあまりないようだ。それをまとめたのが以下表である。
意外にも半数程度は成功しているようである。では、どのように告白すれば成功するのか?
樋口匡貴という研究者が大学生を対象に、告白時の言葉をパターン別に分類した論文がある。(告白成功のためにはそれ以前の関係が重要という指摘は一度忘れる)それによれば以下の3パターンに大別できる。
単純型(好きです、付き合ってください。もし、よかったら付き合ってください)
懇願型(一生のお願いだから付き合って。俺は君がいないとダメなんだ。○○さんの好きな異性になるから付き合ってください。)
理屈型(あなたと話をするだけで幸せになれるんだ、だから付き合ってください。あなたの笑ったところが好き、だから付き合ってください)
この中で最も印象が悪かったのは懇願型である。反対に最もよかったのが単純型。この傾向は男女共通だ。
樋口は「気持ち+どうしてほしいか」を伝えることが最も成功率が高いという。つまり、「好きです!」だけではだめで、その後デートしてほしいとか付き合ってほしいという言葉を添える必要があるのだ。
一方で、「お前は俺が居ないとダメなんだ」というような圧をかける方法は成功率が低いんだとか。「心理学的には選択肢を強制されると人間は反発したくなる」と筆者の越智氏は述べる。
出会ってからのタイミングと告白成功率の関係は?
栗林の研究によれば、ベストのタイミングは知り合ってから「3か月以内」だという。同研究では、知り合ってから告白までの期間を調べたところ、以下の結果が得られた。3か月以内がもっとも成功率が高く、13か月以上の関係性での告白は成功者も多いがそれ以上に失敗する人も多いという結果だ。
筆者の研究室の渡邊氏が告白の成功可能性をロジスティック回帰分析したところ、告白相手との友人尺度の得点が高くなると、つまり友人になりすぎると告白失敗率が高くなることが判明したという。つまり、実際に交際したいならあまり時間をかけずにアタックしてしまった方が良いということだった。
とはいえ、どれくらい仲が良くなったら告白すべきなのか?
じゃあ早ければ早いほどいいのかというと、ナンパの成功率を考えるとそうでないことも分かる。どの程度のことができるようになれば告白は成功するのか?
告白に失敗した人と成功した人で、告白前の行動との関係性を評価した。
その結果、統計的に有意義な行動としては以下のものがあった。
一方、以下の行動は統計的に優位な差はなかった(成功した人も失敗した人もやっていた)
つまり、告白前に用もないのに出会える関係性になれば、告白成功は間近だと言える。実際に告白する時間としては、時間に余裕がある夜間がいいのだとか。
読後の感想
ごく個人的な感想で申し訳ないのだが、私の今までのダメダメな恋愛遍歴を本書に照らして振り返ると「そりゃダメだわ」と言いたくなる。
気になる子には時間をかけて友達になるかのような接し方をしていたし、恋愛の初期フェーズで重要な外見についても”清潔感を整える”ぐらいの努力しかしていなかったからだ。
告白の比率が男女でほぼ変わらないのは意外だった。でも若い時を振り返ると、モテる男子は女子から告白されていた。男性が「告白を受けた経験」で調べればかなり低いんじゃないかと思うが、女性が「告白した経験」は結構高そうだと思う次第だ。
今までの乏しい恋愛遍歴でも、学術的な”正解”を提示されると、割と納得いくところが多かった。こうした本はもう少し若い時分に読みたかったものである。