松ぼっくり

読書や映画の感想を描いていきます。読書は基本的に、自身が感じたポイントを3点以内でまとめます。 読む記事はサウナの記事が多いです。一応本職はIT系(エンジニアじゃないよ)

松ぼっくり

読書や映画の感想を描いていきます。読書は基本的に、自身が感じたポイントを3点以内でまとめます。 読む記事はサウナの記事が多いです。一応本職はIT系(エンジニアじゃないよ)

最近の記事

人生のレールを外れる衝動の見つけ方【読書感想】

”衝動”で選ぶ人生 安定した人生を捨て、破天荒に自身の好きなように生きている人には不思議な魅力がある。 例えば吉田松陰。黒船が来た時、こっそり乗り込んで、船上のアメリカ人らに直談判して米国への密航を申し入れた。却下されたが、吉田松陰は当時、武家の次男ではあるものの勉学の能力を評価され、安定した生活を送ることも可能であったはずだ。だが、彼は自身の衝動に従う人生を選んだのだろう。その後も欧米や新しいものへの興味を持ち続け、探す人生を選んだ。 本書では、「チ。-地球の運動につ

    • 日経パソコンから学ぶ生成AIを上手に使うプロンプト集

      生成AIは、命令(プロンプト)の出し方によって、出力されるコンテンツの質が大きく異なるため、より適切なものを入力するスキルが求められている。 実は、生成AIを提供する各社はプロンプトの書き方を指南している。 こちらを基に、日経パソコンNo.939(2024/06/10)が特集を組んでいたため、それをまとめる。 <基本テクニック>(1)目的を明確に 何をしたいか、何を知りたいかを明確にする プロンプトの情報が不足していないかを確認 例:まとめて→要点をまとめて、京都観光

      • 貧乏ピッツァ【読書感想】

        貧乏な人間にとって、食材を選ぶ自由はあまりない。そうした食材は栄養価が豊富すぎるためか、現代では貧乏な人は太りやすいとの研究結果がある。ここでは貧困と肥満の問題には踏み込まないが、世の中には貧乏な人たちがなんとか日々を生き抜こうと生み出す”貧乏飯”がある。 食材としては米やパスタなどの炭水化物、ジャガイモ、もやし、鶏むね肉などがメジャーだろうか。私は大学生時代に卵かけご飯や鶏むね肉をローテーションしたため、現在はこれらに少し苦手意識が芽生えてしまった。嫌いと言うほどではない

        • ある日あなたは"加害者"にされてしまう? 中古マンションの闇【読書感想】

          中古マンションの資産価値は管理で決まる! 新築マンションがバブルのような価格になっている。3大都市圏の新築分譲マンションの平均価格は上がり続けており、すでにバブル期に近づいている。全国的に見れば、すでに1990年のバブル期の価格を上回っている都市もあるようだ。 新築マンションの価格が庶民にとって手を出せなくなっている中で、現在”優良”な中古マンションに注目が集まっている。 中古マンションの優良具合や資産価値は、単なる立地や広さももちろんだが、適切に管理されているかという

          佐々木とピーちゃん【読書感想】

          このライトノベルがすごい!2022にて1位を取った作品。アニメ化もしている。 最初は1巻だけのつもりだったのたが、気がつけば勢い余って既刊全9巻を一気に読了してしまった。 本作の特徴はなんと言っても混沌とした人間関係と勢力図にある。 体型的な魔法を扱う異世界 1人1つ特別な能力を持つ異能力者 天使と悪魔 妖精と魔法少女 機械生命体 これらの各勢力の思惑が絡み合って混沌とした展開が続くのだが、不思議と安定感はある。筆者のぶんころり氏の力量の賜物であるのと、ピーちゃんがマ

          佐々木とピーちゃん【読書感想】

          性格は変えられるのか? 心理学・入門【読書感想】

          性格の悩みをネットで検索するとさまざまなテーマやシチュエーションがある。「優柔不断」「怒りをコントロールできない」「すぐ落ち込んでしまう」…などなど。自分の性格のことで悩んだことがないという人はいないだろう。 一見バラバラな悩みの根底に共通するのは「性格を変えられない」という苦悩だ。 一方で、私たちはさまざまな"性格"を使い分けている。家族の前と1人の時、友人の前、職場など各環境で行動や思考様式を使い分けているはずだ。性格とは、各環境に適応するための行動・思考のパターン集

          性格は変えられるのか? 心理学・入門【読書感想】

          ようこそ、心理学部へ──同志社大学心理学部より【読書感想】

          心理学を専門で学んだ人間は限られている一方で、我々は物心ついた時から”心”と向き合ってきたはずだ。そういう意味では心について、ある程度”常識”として理解している。 では、学問として心を研究するとはどういうことなのか。同志社大学の教員が初学者に向けた”講義”の一部を紹介する。 生理心理学ー脳内報酬の苛烈さ ある行動の結果、何かが起こることによってその行動が維持されることを「オペラント条件付け」と呼ぶ。オペラント条件付けは「スキナー箱の実験」が有名。 このオペラント条件付

          ようこそ、心理学部へ──同志社大学心理学部より【読書感想】

          なぜ、眠れないんだ アタマの「こもり熱」が自律神経を狂わせる【読書メモ】

          現代人は多くの人が慢性疲労と不眠に悩んでいる。理由にはスマートフォンやPCの普及、会話の減少などが指摘されている。特に「頭部内熱」を問題視しているのが本書。 頭部内熱(頭部ない熱)とは、体温調節がうまくいかず頭の中に熱がこもっている状態を指し、医学用語では「うつ熱」とも呼ばれる。深部温度が高まっている状態だという。原因にはストレスや、自律神経の酷使などが原因の一つとされているが、現代社会でストレスを溜めないのは難しいだろう。 具体的な対策を以下に抜粋。 単純に冷やす:冷

          なぜ、眠れないんだ アタマの「こもり熱」が自律神経を狂わせる【読書メモ】

          科学はいかに幸せを証明するか──実践 幸福学【読書感想】

          幸せについては心理学、神経科学、政治経済学をはじめいろいろな学問分野で研究されている。筆者の友原章典氏は大学で幸福を経済学から研究しているが、仕事柄いろいろな業界の論文に目を通す。 そんな友原氏によれば、幸福になるための条件はどの領域から分析しようとも、似たような結論に落ち着くのだという。 こうした知見は誰もが経験的にある程度は知っているのではないだろうか。ただ、頭では理解しても実践はなかなか難しい。本書では幸福を実践するための工夫を紹介する。 ポジティブな思考になって

          科学はいかに幸せを証明するか──実践 幸福学【読書感想】

          2011年、震災直後の障害はなぜ起きた【みずほのシステム統合と障害の歴史を振り返る #3】

          2011年3月11日は日本人にとって忘れ難い日の一つであろう。みずほ銀行にとっても、東日本大震災の発生から3日後である2011年3月14日から24日にかけて起きた大規模なシステム障害は忘れ難いものとなった。振り込み処理の異常終了から始まり、最終的には一連の金融庁による立ち入り検査と、第3社委員会を招聘してての調査報告書を提出することとなった。 ATMが使えなくなっています みずほ銀行の勘定系システムは3月14日から障害を起こしていた。テレビ局が番組などを通じて、東日本大震

          2011年、震災直後の障害はなぜ起きた【みずほのシステム統合と障害の歴史を振り返る #3】

          日本酒外交 日本酒サムライ、世界を行く【読書感想】

          饗宴外交という言葉がある。 フランス革命・ナポレオン戦争後の1814~15年のウィーン会議時に生まれた言葉で、敗戦国フランスのタレイラン外相は天才料理人カレームを帯同して、各国代表に美食とワインを振舞って敗戦国でありながらフランスに有利な形で交渉を進めた。 このウィーン会議の様子は「会議は踊る」というドイツ映画にもなっている。外交と言うと経済力や軍事力をベースにした「ハードパワー」が重視されがちだが、「魅力的な文化」などを通して他国が自発的に支持してくれる外交手段のあり方

          日本酒外交 日本酒サムライ、世界を行く【読書感想】

          2002年統合初日の障害はなぜ起きたか 【みずほのシステム統合と障害の歴史を振り返る #2】

          前回に引き続き、みずほ銀行のシステム統合の歴史を振り返る。 合併直後にまさかの大障害 2002年4月に障害が起きたわけだが、システム障害というのはいきなり天変地異のように起きるのではなく、事前のシステム開発に不備があって当日に表面化することがほとんどだ。みずほ銀行の場合は2000年11月に、第一勧銀と富士通が勧めてきたみずほ銀行の勘定系および営業系システムの統合作業をご破算にしたという。 前回記述した通り、現場に禍根を残しながらも第一勧銀と富士通のシステムに片寄すること

          2002年統合初日の障害はなぜ起きたか 【みずほのシステム統合と障害の歴史を振り返る #2】

          みずほのシステム統合と障害の歴史を振り返る #1 戦略の無い統合

          みずほ銀行の勘定系システムは、そのあまりの開発期間の長さから「IT業界のサグラダファミリア」と揶揄されてきた。いつまでも開発が終わらないスペインの世界遺産サグラダファミリアになぞらえたものである。 「東日本大震災の義援金講座がパンク」「ATMが通帳を飲み込む」などで大々的に報じられたので、IT業界や金融業界の人でなくとも、「みずほがシステムでやらかしている」くらいの認識はあると思う。 そんなみずほ銀行のシステム統合の歴史について書かれた本2冊と適宜、調査報告書を読んだので

          みずほのシステム統合と障害の歴史を振り返る #1 戦略の無い統合

          ルックバックーなぜ人は創作を続けるのか【映画感想】

          本作を「絵描きなら誰もが共感する物語」と本作の監督である押山清高氏は述べる。 実際、この物語の主人公である藤野は「うまく描けなくてつまづく」「より優れた絵描きにあって挫折する」という体験をする。絵を描く人は間違いなく体験することだ。私は絵描きではないが、本気で打ち込んでいた分野で挫折を知り、そこそこ恵まれていたが故に環境を言い訳にもできずに、自分が特別な存在ではないことを自覚した経験はある。 特に原作者の藤野タツキにとっては「同年」である人物に負けるととてつもなく悔しいの

          ルックバックーなぜ人は創作を続けるのか【映画感想】

          ”学術的に”成功しやすい告白とは? 恋愛の科学【読書感想】

          恋愛最大の難関、告白 恋愛最大の難関は告白だろう。成功すれば華々しい未来が拓く半面、失敗したら今ある関係が壊れてギクシャクしてしまう恐れがある。 告白の失敗は老人になったら笑い飛ばせるのかもしれないが、若い時は世界が終わるほどの衝撃を受ける人もいるだろう。単純に若い人たちが結ばれるのは喜ばしいことだ。と言うわけで意外と学術的意義がある分野らしい。では学術的にどういう告白が成功率が高いのか?を本書のパートから抜粋。 告白は男性がするものと思いきや、以外にも男女の差はあまり

          ”学術的に”成功しやすい告白とは? 恋愛の科学【読書感想】

          恋愛にルックスはどのくらい重要か?─恋愛の科学 【読書感想】

          恋愛は人間関係において最も特別なもの。心理学の世界で恋愛の研究もさぞ進んでいるのだろうと思いきや、実は心理学者の越智啓太氏(以下、筆者)によると恋愛は心理学の中で最も研究が遅れている分野の一つなのだそうだ。野暮という批判や、科学的に研究できるものではないという指摘があったからだ。 しかし、近年は恋愛についての研究も進みつつある。こういうのは海外が本場だが、本書は日本での再現実験の結果なども踏まえてできるだけ平易に恋愛についての研究結果を語る。 モテ度とルックスの関係をどう

          恋愛にルックスはどのくらい重要か?─恋愛の科学 【読書感想】