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エッセイ

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主に昔語りと創作。 つまらなそうだ? そうでもないぜ。
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#ドラマ感想文

べらぼうにおむすび

べらぼうにおむすび

大河ドラマ、回を重ねるにつれてだいぶ面白くなっている。
初回の、狐の精がスマホを出して説明するみたいな描写や、主人公が大した苦労もしないで田沼意次に会えてしまう、などといった展開に、「そっちの路線ならもっと吹っ切れてよ」と思ったのだが、どうやらそうではないらしい。
骨太とまでは言わないが、よく練られたストーリーが展開していて、飽きさせないのは、かつて「JIN-仁-」を書いた脚本家なのだと知って、

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完走ドラマの感想など。

完走ドラマの感想など。

今期はあまりドラマを見なかったのだが、「海に眠るダイヤモンド」は大変良かった。
まずは往年の端島の再現が素晴らしく、映像に緩みがない。
セットと合成映像なのだろうが、全く不自然さを感じなかったのは特筆すべきだと思う。
さらに、謎解きのストーリーもなかなかよく作られていて、毎回適度な発見とどんでん返しで飽きさせなかった。
もちろん最後に話をまとめる段で、だいぶ都合の良い設定も出て来たし、朝子は玲央た

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団地のわたし

団地のわたし

最近までNHKで放送されていた「団地のふたり」というドラマを見ていた。

子供の頃から団地住まい、出戻りの大学講師と独身イラストレーターという、50代女子のシスターフッド物である。
その年で女子というのもどうかと思うが、人間30過ぎるとそんなに中身は変わらないし、「ずっと友達であった」という設定のふたりには、やはり女子という言葉がよく似合う。

演じるのは小泉今日子と小林聡美。

個人的にはアイド

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私的朝ドラ考

私的朝ドラ考

わたしは40過ぎにとち狂って退職、作家活動など始めてたわけだが、アルバイト的な仕事をこなしなからも、まぁ時間だけは余裕ができた。

いきおい朝もゆっくりできるので、それまで物理的に手が出なかった朝ドラも見ることができるようになった。

ゆえに、わたしの朝ドラ歴は「あまちゃん」以降である。

「あまちゃん」は面白かった。
それまで何も見ていなかったとはいえ、一応知識として知っていた、大根飯の「おしん

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二郎と五郎

二郎と五郎

今日はちょっとした頼まれ仕事があって、早めに終了したので、とっとと帰宅することとした。

暇なので久々にケーブルテレビを見てみたら、「白い巨塔」をやっている。
1966年の田宮二郎主演の映画版である。

実は白い巨塔が医療ドラマで、大学病院内の次期教授の座を狙う財前五郎を描いた作品だ、ということは知識として知っていたが、実際に小説やドラマを見たことがなかった。
「財前教授の総回診です」という有名な

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