トラウマ治療:ソマティック・エクスペリエンシング(SE)体験①
今後、何回かに分けて、最新のトラウマ治療といわれている「ソマティック・エクスペリエンシング(SE)」を受けた時の体験記を書きたいと思います。
ソマティック・エクスペリエンシング(SE)とは、トラウマを経験した人は、トラウマのエネルギーが身体の中に残っていて、そのエネルギーが身体から解放されない限り、いくら頭で「あれは終わったこと、過去のことだ」と言い聞かせても、その記憶を過去のものとして感じられない、という事実に基づいているトラウマ治療です。
まだ新しい治療法であり、1回のセラピーにかかるお金も高額です。私が受けたセラピスト/先生は、1回50分で1万円前後でしたが、有名なセラピストでは、1回で10万円近い金額がかかる方もいます。SEセラピストの資格を取るまでに、時間とお金がかなりかかるらしく、セラピーが高額なのもその一因かと思います。
実際にセラピーを受けてみるのがベストだと思いますが、時間的・経済的にかなわない方もいるし、また、実際に受ける前に、この療法が、どのようなものであるか、という前知識を得るのにも役立つのではないか、と考えて、自分の体験を書いてみることにしました。
私は、セラピストではなく、クライアント当事者です。ですが、当事者として書けることもあると思っています。また、色々な文献も読むようにしているので、その中で得た知識も今後、少しずつ書いていきたいと思います。
私自身、まだセラピーを継続しています。自分の癒しにも取り組みつつ、情報を更新していけたらと思います。
自助グループに参加すると、過去にトラウマ的な経験をして、現在の生活に問題を抱えている場合、仕事の面でも望むように生きられていない人も多いように感じました。ですので、このセラピーは、もしかしたら本当に必要な人に届きにくいのではないか、と感じて、自分が経験したことを、どのように、自分一人でもやっていけるか、どういうことなら、一人でもできるか、ということを考えながら、書いていきたいと思います。
ソマティック・エクスペリエンシング(SE)の専門書は何冊か出ていますが、一般書はまだ少ないです。ネット検索しても体験記も少なく、自分でできる方法を書いているものも見当たりませんでした。
私はクライアントの立場ですし、100%の再現はできなくても、できるだけそれに近いことを可能な範囲で自分一人でも行うことができれば、いま苦しんでいる人の役に立つのではないかと考えました。
私がお世話になった「ソマティック・エクスペリエンシング(SE)」の4人のセラピストについて、紹介します。
① ボディワーカーであり、SEのセラピスト。心理職ではない。
② 過去にカウンセラーの経験があり、現在はSEがメインのトラウマ治療を行っているセラピスト。
③ 長年のカウンセラーの経験があり、現在もカウンセリングをメインにSEの要素も取り入れている先生。プロセスワークの専門でもある。
④ トラウマ治療を専門にしているカウンセラー。SEの資格があって、「オーソドックスなSEの方法をやっている」先生。フォーカシングの専門もある。
最初は、①の先生から、15回のセラピーを受けました。
②の先生は9回、③の先生は10回、④の先生は4回受けて、継続中です。
それぞれ特徴が異なっていましたが、一番異色だったのが①のセラピストでした。心理職の経験がない方だったので、普通のカウンセラーなら絶対に言わないようなことを言ったり、厳しい態度を取られたりしてキツイ思いをしましたが、身体の状態を見るのは上手でした。
②③④の先生は、カウンセラーの経験がある方だったので、①のセラピストのような厳しい言葉や態度をされるようなことはありませんでしたので、安心してセラピーを受けることができました。(この安心感というのも大切な要素です)
4人の先生に共通しているソマティック・エクスペリエンス(SE)を体験することができて、またそれぞれの先生に「一人で行うときの注意点」についても質問したので、それについてもこちらに書いていきたいと思います。
初回のSEのセッションで、①のセラピストから「この療法は、万能ではありません」と念を押されました。「今、トラウマ治療は、体だ、体だ、と流行りのように言われているけれど、これをやれば絶対に解決するというものではない」とのことでした。そして、「自分でも努力していくことが大切です」と強調されました。努力するというのは、がむしゃらに頑張る、というのではなく、自分を癒すことを静かに続けていく、というイメージです。
私が癒しにとって最も大切と信じていることを書きます。
それは「癒されたいというあなたの意思」です。
「自分を癒そう」と決意するのは、あなたにしかできません。
そして意図を宣言することが、一番重要で不可欠なことです。意図さえ自分で明確にできれば、あなたは必ず、癒しのために必要なセラピストやものごとに導かれます。
あるセラピストからは、「セラピーとセラピーの間が大事だ」と言われました。つまり、一人でどのように過ごすか、取り組むか、ということでも、できることがあるのです。
少しでも皆さまの参考になるように、できるだけ上手く私の体験をお伝えできたらと思っています。
時間がかかるかもしれませんが、精一杯書いていきたいと思います。