見出し画像

霜月のおうちビストロ ~新酒と煮込み料理とそれから…~

11月は週末を中心に、細々と用事などがあって、あまり手前のかかる料理はしませんでした。

自宅で仕事漬けの休日や、衣替えなど家事に徹したり、両親の金婚式を祝い、勝沼のワインツーリズムにも行きました。
モネ展や映画「侍タイムスリッパー」も観ました。

そんな日々の気軽な料理とワイン、また、各方面に拡散した想いをつづっておきます。

今月のメニューはこちら


山梨ヌーボーとおでんなど

11月3日は、山梨ヌーボーの解禁日。

3日は連休中日の日曜日。
近くの日本ワイン販売店に行ってみると、昨年12月に訪れた「甲斐ワイナリー」の新酒を販売していたので早速購入。

真ん中が甲斐ワイナリーの新酒、
左はグレイスワインの「グレイス甲州」、
右は塩山洋酒醸造の「ORANGE ROUSSI」

思わず、旧ヴィンテージ2本も合わせてまとめ買い。

おでんの材料も購入してきて、新酒を冷やす。

今回の練りものは塩釜の蒲鉾屋

翌日、出汁によく合う甲州ワインの新酒とおでんを合わせることにする。
大根を下茹でし、ゆで卵をつくり、こんにゃくなどと出汁でコトコト煮込む。

当日、食べる前に温めてはんぺんも加えた。

今季、初おでん

冷たくてフレッシュな新酒と、優しい出汁の温かなおでんにほっこりした。

先日開催された「ワインツーリズムやまなし」でも、甲州ワインの新酒が振舞われたり、ショップにずらりと並べて販売されていた。


◆牡蠣のオイル漬け

実はこの日、chiro_sumyさんの記事を見て、すっかり牡蠣の気分になっていた。

ただ、当日は両親の金婚式のお祝いで、家族一同集まってイタリアンランチのフルコースを楽しんだ。

デザートのモンブラン

よって、夜もあまりお腹が減らず、牡蠣のフライやおでんはまた次の機会にした。


後日、牡蠣はオイル漬けに。
まず牡蠣を洗い、フライパンに入れて素焼きにして、醤油を少したらす。

素焼き前
素焼きしてぷっくりした牡蠣に醤油を少し

粗熱がとれたら、太白のごま油に唐辛子と生姜を入れて保存。

牡蠣のオイル漬け
牡蠣オイル漬けを盛り付けたところ

牡蠣はオイル漬けにしておくと2週間くらいもつ。
とはいえ、1~2個ずつ、まぜご飯にのせたり、つまみにしたりして1週間足らずでなくなった。

この牡蠣と甲州ワインも合った。


◆ウイーンの新酒

新酒をもうひとつ紹介。

11月11日はオーストリアの新酒「ホイリゲ」の解禁日。

長年通っている飲食店では、毎年ホイリゲを取り扱っていて、楽しみにしている。

ウイーンの郊外で「ゲミシュター・サッツ」という混植混醸でつくられたワイン。
リースニング、シャルドネ、ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)、グラウブルグンダー(ピノ・グリ)を畑で混植し、一斉に収穫して醸造したワイン。

ツァーヘル ウイーナー・ホイリゲ

グラスで注文して、洋ナシとブリ―チーズの盛り合わせと合わせる。

フレッシュながら、白い花や柑橘類、洋ナシ、青リンゴなど、複数品種から由来する香りがして、想像以上に飲みごたえがあった。

最初にホイリゲを飲んだのは10年以上前で、以前はもっとライトな印象だったような気がする。
温暖化で、前より果実味がのってきたようだ。


蓮根と根菜のシチュー、カリフォルニアワイン

蓮根が旬である。
この時期になると、作りたくなるのが蓮根入りの根菜のシチュー。

蓮根、人参、ジャガイモ、玉ねぎを用意し、必要に応じて皮を剥いてカット。

蓮根、人参、コーンクリームに、
玉ねぎ、ジャガイモも用意

根菜とローリエをフライパンで軽く炒めてから鍋に移して、水を加えて煮る。
豆乳でホワイトソースを作って、コーンクリームとともに鍋に入れ、塩コショウで味を調える。

蓮根と根菜のシチュー
(右の黒っぽいのはローリエの葉)

蓮根のシャキシャキした食感と、根菜類の旨味、コーンクリームの優しい甘みがいい。
ソーセージを加えることもあるが、今回はカリフラワーを加えて、野菜シチューにした。

他にチーズやパンも数種類用意し、これらの料理に合わせたのは、近所のスーパーで購入した「ブレッド&バター」という名前のワイン。
ネーミングの割には辛口でスッキリした印象で、料理に合わせやすいカリフォルニアワインである。

ラベル写真がどこかに紛れてしまったので、リンクを貼っておく。
今回のワインは2022年のヴィンテージで、このサイトで表示されているよりも手頃な価格だったと思う。


ただ、ソーセージを入れないなら、ロゼではなく、こちらのカリフォルニアワインの白の方が良かったかもしれない。

コクがあって美味しいソーヴィニョン・ブランだった。
このワインは、白菜、椎茸、ソーセージの豆乳入りスープ煮に合わせた。


◆きのことれんこんのハニートマトマリネ

また、蓮根を使った料理として、かなこさんが作られていた「きのことれんこんのハニートマトマリネ」もマネしてみた。

ドライトマトときのこ、蓮根の相性がよく、蜂蜜で優しい甘みをつけるのもいいと思った。
写真を撮り忘れてしまったが、たくさん作って、翌日、会社のランチにも持って行った。


ラム肉のクミン煮込みとオーストラリア赤など

先日、昨年9月の長野旅行の過去記事を読んでコメントをくださったEijyoさん。
食への造詣が深い方で、今回「五一わいん」をネット注文され、その魅力にハマっていただけたようだ。

これらの記事を振り返って「ラム肉のクミン煮込み&クスクス」が食べたくなった。

今回は肉団子にはせず、ラム肉の切り落としを使用。

ニンニクと玉ねぎ
(半分は余っていた紫玉ねぎ)
を炒めてラム肉を加えたところ

人参とクミン、塩も追加して油が回ったら鍋に移し、トマト缶、赤ワイン、水を加えて30分程煮込む。
ヒヨコ豆の水煮、塩を加えて調整。

クスクスも用意してたっぷり盛り付け。

少しタバスコをかけて実食

ラム肉とクミンは風味が合う。
前回は大根やパプリカを入れて優しい感じだったが、今回はラム肉や人参の存在感がある。

この料理に合わせたのは、オーストラリアの赤ワイン。
(この写真も消してしまったようだ。写真を整理しすぎるとこうなる)

ラズベリーのような赤い果実の香り、ブルーベリーや黒スグリの香り、若干ハーブのような青い香り、わずかに微発泡、程よい果実味のミディアムボディ。

2022年ヴィンテージは、有機栽培畑のカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロ、カベルネ・フランをブレンドしているそう。

ナチュラルな感じのする赤ワインと、カジュアルな煮込みとクスクスの組み合わせが合った。

この料理を教えてくれたのは、ケイチェルおじさま。

元気にされているだろうか。
最近はnoteを書かれていないが、たぶんクリスマスのシュトーレンづくりと仕事が忙しいのではないか。
もし気が向いたら「サリュー!」と投稿してもらえると嬉しい。


◆アンジェのスケッチブックとワイン

4年ほど前に始めたnote。
ご近所noterさんの中には、ここ1〜2年で始められた方もいらっしゃるが、ケイチェルおじさまのように見かけなく(記事を投稿されなく)なったnoterさんもいらっしゃる。

先月末、Ryéリエさんがnoteを引退された。

この「一度は行きたいあの場所」の記事が好きで、少しずつ大事に読み進めた。
海外各国の歴史や文学にも詳しく、その逸話やイラストも素敵だった。

お考えあっての引退なので、その決断は尊重する。
が、noteで会えないのは、とてもさみしい。

そこで、Ryéさんが残してくれた作品、スケッチブックのアンジェ編を購入した。

「フランスの庭」と言われるロワール渓谷は、古城のある美しい景観が見られる場所。
そのロワール県の県庁所在地がANGERSアンジェである。

Umineko Sketch Book② 『LE PETIT JOURNAL D'ANGERS 』には、Ryéさんオススメのスポットなどが、手描きのイラストと共に紹介されている。
フランス北西部のアンジェを中心としたエリアのスケッチブック。

アンジェのあたりは、アンジュー・ソーミュールというワインの産地である。
ロゼが有名だが、泡も白も赤も様々なタイプのワインが作られている。

Ryéさんのスケッチブックとアンジュ―のワインで、アンジェやフランス北西部に想いを馳せよう。

タイユヴァン アンジュー・ブラン 2021

以前、Ryéさんが「これからミートローフを作る」とコメントされていたことがあった。
このとっておきのアンジュー・ブランは、野菜多めのミートローフと合わせてみようか。

「食べたくなるから食レポ記事は苦手」とおっしゃいながら、私の記事を読んでいただき、よくコメントも残してもらった。

今もきっと、外国語の原書などを丁寧に読まれていることだろう。
Ryéさんのこれから日々が、どうか良いものになりますように。


◆公なり本

今月はスケッチブックと合わせて、もう一冊note関係の本を購入した。
「公務員になりたいと思ったときに読む本」(通称:公なり本)である。

左がRyéさんのスケッチブック、
右が福島太郎さんの
「公務員になりたいと思ったときに読む本」

noterの福島太郎さんが公務員として働きながら、若い方が公務員の「理想と現実のギャップで悩まないために」書かれた本である。

「はじめに」から、本質的で深い。
表紙に記載がある言葉をご紹介すると、「公務員とは職業ではなく生き方です」とのこと。

仕事で自治体の方と一緒に働くことがある。
言葉として直接聞いたことはなかったが、確かに「公務員とは職業ではなく生き方」だと感じる。

この感覚は、公務員になったことのない若い方には想像がつきにくいだろう。

「公務員=安定」というイメージだけではない、「公務員という生き方」のギャップ。

この本は、長い経験の積み重ねから書かれている。
福島さんが、国、県、そして基礎自治体、様々な行政機関で働かれた経験から紡がれた言葉。

全120頁ほどで厚い本ではないが、じっくり嚙みしめながら読んでいて、まだ半分くらいか。

「あー、それってしんどいですね。」

「これって、(自治体目線だと)そういう捉え方なんですね。」

そう思いながら読んでいる。

地方公務員の方が疲弊していると言われているなか、どうか理想と現実のギャップに悩まないように、多くの「公務員になりたいと思った」方にこの本を読んでもらえればと思う。


📖      📖      📖


今月は、おうちビストロだけでなく、色々な話をさせてもらいました。

いよいよ師走になりますね。

この1年を振り返ることもあるかと思います。

楽しいだけじゃないこともあったかと思います。

それでも、前を向いてやれることをやっていきたいと思います。


今回もお読みいただきありがとうございました🍷

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集