日本ワイナリー巡り マンズワイン勝沼ワイナリー【山梨県甲州市】
今秋、注目しはじめたワイナリーと作り手がいる。
それは、マンズワインと西畑徹平さん。
なぜ西畑さんに注目したかというと、日本ワインブドウ栽培協会の代表理事で「日本ワインの母」とも言われる鹿取みゆきさんが、日本ワインの「次世代の代表格」として西畑さんのことを記事にされていたから。
マンズワインは、キッコーマンが手掛けるワイナリー。
1962年創業で、勝沼と小諸にワイナリーがある。
そのうち、小諸にあるワイナリーで「ソラリス」というプレミアムワインの栽培・醸造を担当されているのが西畑さんである。
西畑さんは、大学時代にソラリスを飲んで感動。
こんなワインを造りたいという夢をもち、マンズワインに入社。
現在、ソラリスの栽培・醸造責任者となり、その夢を叶えている。
ソラリスの赤と白を購入した。
赤ワインの「ユヴェンタ」も美味しかったが、香り豊かな「信濃リースリング」の白ワインが特に印象に残った。
信濃リースリングは、マンズワインが独自にシャルドネとリースリングを交配させて、1991年に品種登録。現在、長野などで栽培を拡大している。
昨年の春に訪れた「中伊豆ワイナリー」では、シャトーのすぐ目の前で信濃リースリングが栽培されており、力を入れている様子だった。
そこで、東京から近い勝沼ワイナリーの方へ行ってみることに。
塩山駅(下線部分)から、赤い印の「甲斐ワイナリー」を訪れた様子は、前回の記事でご紹介。
今回は、「甲斐ワイナリー」から南下した位置にある、青い印の「マンズワイン勝沼ワイナリー」へ。
マンズワイン勝沼ワイナリー
甲斐ワイナリーをタクシーで出発したのが、13:58ほど。
運転手さんに「あと3分くらいで着きますよね?」と確認すると、そうですねとのこと。
ふと気づくと、スマホに着信があった。
折り返してみたが、電話が混みあっているというマンズワインのメッセージが流れてつながらない。
時刻はすでに14:02。
タクシー料金を支払って、インフォメーションに行ってみると、スタッフの方はおらず、奥の方からマイクを通した声がして、見学ツアーが始まっている様子。
ショップの方に回り込んでみるとスタッフの方がいたので、「見学ツアーに遅れてしまったのですが。」と声をかけると、ワイナリーツアー料金を支払った後、案内いただきツアーに合流させてもらえる。
ほっとして、10名ほどのツアーに加わる。
地下のひんやりしたセラーで、マンズワインの歴史の動画を見て、樽が置いてある場所へ。
樽は、欧州系の品種を栽培・醸造している小諸ワイナリーで新樽として使用してから、勝沼で甲州などに使用していること。
また、複数の樽メーカーがあり統一していない理由として、樽を1つに絞ってしまうと香りが単一化してしまうので、複数使用してから混ぜてバランスをとるという話もあった。
樽の使い方まで説明してもらえるのは珍しい。
その後、2020年に施設がリニューアルする前に昇り降りしていた、かつての階段や、屋外のコルク樫なども見せてもらい、大規模な工場を外から眺める。
先ほどの「甲斐ワイナリー」のヒューマンスケールな醸造所とは全く違う、大型タンクが並ぶ。
最後に試飲会場へ移動。
指定された番号の席につく。
試飲は「酵母の泡 甲州 セック(やや辛口)」「ソラリス 山梨 マスカット・ベーリーA 2021」「ソラリス 古酒甲州 2011」の3種類。
「酵母の泡 甲州 ブリュット(辛口)」は、西畑さんが入社して数年で手掛けたシリーズとのことで、先日購入して試していた。
和食に合わせやすい、スパークリングワイン。
今回はブリュットよりもやや甘みのあるセック。
15時のおやつ時間に飲むにはちょうどよいセレクトか。
「ソラリス 山梨 マスカット・ベーリーA 2021」は、マスカット・ベーリーAらしい苺やキャンディのような甘い香りがするが、飲み口はドライで軽く、フレンドリーな赤ワイン。
「ソラリス 古酒甲州 2011」は、珍しい12年ものの古酒。
数年おきに、よい甲州が収穫できた時に造るそうで、次に何年のヴィンテージがリリースされるかはまだわからないとのこと。
甘口だが、甘ったるい感じはなく、ややシェリーのような風味がある。
以上で、見学ツアーは終了。
初心者にもわかりやすく構成されており、大手企業らしかった。
ちなみにツアー料金は1人1,500円。
ツアー終了後に、改めて施設内のショップ等を見て回ると、私が注目した雑誌の記事が紹介されていた。
また、有料試飲やショップも充実しており、ソラリス用のセラーコーナーもある。
ここで、今回の感想をまとめてみる。
まず、キッコーマンは、グローバル企業として海外に「しょうゆ」を広め、国内では洋風化に対応して「ワイン」を造ってきた。
その成果が結実していると感じた。
例えば、「信濃リースリング」「浅間メルロー」「シャルドネ・ドゥ・コライユ」は、マンズワインが独自に交配させた品種で、長野あたりの気候に合うようだ。
複数の品種の交配・登録・栽培は、大規模ワイナリーの組織力がなせる技。
そして、近年、マンズワインは数々のアワードで受賞しており、世界的にも知られる存在になってきている。
故に「次世代の代表格」として西畑さんも注目されるようになったのだろうし、ソラリスの今後についても関心がある。
とはいえ、今回の訪問は期待が大きすぎたせいか、あっさりと終わった。
すでに充分な量の試飲をしていたし、ワインはオンラインショップでも購入できるので、軽いお土産を購入してタクシーを呼んだ。
師走の夜のタクシー不足は経験済みなので、現地はここまで。
勝沼ブドウ郷駅から帰路につき、夜は地元の焼鳥屋に直行した。
ワイナリー訪問の目的とは
なぜ、あんなに行きたいと思ったマンズワイン訪問の印象が弱いのか。
マンズワインよりも甲斐ワイナリーの方が印象深くて再訪したくなった。
マンズワイン勝沼ワイナリーは見学時間に遅れても対応してもらえたし、初心者も入りやすくて利便性がいいワイナリーだと思う。
ただ、ソラリスに興味を持ったのなら、本拠地の小諸ワイナリーの方に行くべきだったかもしれない。
また、最初の頃はワイナリーに来られただけで満足していたが、ワイナリー訪問も20箇所ほどになってきたため、求めるものが変わってきたのかもしれない。
ワイナリー訪問に何を求めているのか、自分に問いかける。
今年は4月、5月、9月と、新緑のブドウから、たわわに実るブドウまでを見てきた。
甲斐ワイナリーでも畑の中に入れてもらった。
ワインは100%ブドウで出来ている。
私は、現地に行ったらブドウの樹や畑の様子が見たいのかもしれない。
そして、テロワール、土地の個性を感じたい。
これが、私にとって現地を訪れる目的なのだろう。
次回のワイナリー訪問は、ブドウ畑が見学できそうかチェックしておこう。
⛄ ⛄ ⛄
最後に悶々としました。
例えば、工場見学とか、酒蔵見学とか、趣味の旅行とか、こういうふうに現地で楽しむと良かったってありますか?
もしあればコメントで教えて下さい。
もちろん、人それぞれ、十人十色だと思うのですが、よかったらお願いします。
以上、師走の弾丸ワイナリー巡りでした。
<日本ワイナリー巡り note記録 8都県>
note記録 8都県は変わりませんが、先月ワイン未経験が21県に減りましたので、地図を更新しました。
年末までに、「今年の振り返り」もアップしたいと思います!
今回もお読みいただきありがとうございました🍷