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【第二回】討幕軍鎌倉へと南進「分倍河原の戦い」 [歴史発想源/武心の大道・建武争乱篇]
現在『ビジネス発想源 Special』の「歴史発想源」では、室町幕府初期を舞台とする「信義の経国・室町幕政篇」を連載中です。
そこで、この「トップリーダーズ」では、その前日譚となる「武心の大道・建武争乱篇 〜新田義貞の章〜」の前半部分を期間限定で掲載いたします。
「室町幕政篇」を理解する上で、「建武争乱篇」を一緒に読めば、複雑に入り組んだ南北朝時代がより分かりやすくなるでしょう。
後醍醐天皇に呼応して鎌倉幕府を攻め落とし、建武の新政から離反し室町幕府を作る足利尊氏と激闘を繰り広げた、新田義貞が主人公の「建武争乱篇」。
現代の会社経営やマーケティング戦略のヒントが一つでも見つかると嬉しいです。それでは「建武争乱篇」、第2回をどうぞ!
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【第二回】 討幕軍鎌倉へと南進「分倍河原の戦い」
■ 源氏をルーツにする、二つの武家
後醍醐天皇が伯耆国の船上山で、また楠木正成が千早城で挙兵し、大軍勢だった鎌倉幕府軍が動揺していた頃。
幕府軍の一員として千早城攻めに参加していた新田義貞は、戦の途中で病気にかかってしまい、領地である新田荘(群馬県太田市)へ帰りました。
その帰国のことで、鎌倉幕府は新田義貞に対して途中離脱のペナルティとして、多額の罰金と所領没収を言い渡します。
さらにその追求が領内の町人たちにも及んだので、この裁定に対して、新田義貞の怒りは頂点に達します。
前述のように、新田義貞が当主を務める新田氏はもともと源氏の一族であり、足利高氏が当主の足利氏とはそのルーツを辿ると源氏の兄弟です。
しかし、この新田氏と足利氏の幕府内での扱いには天と地ほどの差がありました。
その運命は、源頼朝の挙兵時に始まります。
源頼朝が平家打倒のために関東で挙兵した際、足利氏はすぐに源氏再興のために駆けつけたのに対し、新田氏は北関東の広大な領土を有していたので余裕があるということもあって、日和見主義を決め込んですぐには参加しなかったのです。
やがて源頼朝率いる源氏軍が次々に平家に勝利して、瞬く間に関東で勢力を広げるようになると、新田氏はようやく慌てて源頼朝に味方しました。
しかし、この日和見で後から協力してくる姿勢が源頼朝の不興を買ってしまいました。
そのため、鎌倉幕府が開府した後で足利氏が代々幕府の重職に就いたのに対し、新田氏はずっと無位無官でいたのです。
さらには、新田氏が領有していた北関東の地は多くの分家たちに次々に分割譲渡されたり、鎌倉幕府に次々に没収されて他家に譲られたりして、いつしか新田氏は同族の足利氏に仕方なく従属する群馬の弱小武家に没落してしまいました。
新田義貞が元服して新田氏の当主の座を継いだ時、足利氏の当時の当主である足利高義(たかよし)が烏帽子親となったため、足利高義の名前から「義」の一字をもらい「新田義貞」と名乗ることになりました。
しかしその直後に足利高義は亡くなったので、足利氏の当主は、その足方高義の弟である足利高氏が継ぐことになりました。
代々鎌倉幕府の重鎮である足利氏の当主なので、執権の北条氏に継ぐ地位にある赤橋氏から妻を娶るなど、足利高氏は鎌倉幕府内で重要人物となっていきました。
新田義貞はこの足利高氏とほぼ同い年ですが、足利高氏に従属する一家来のような存在であり、幕府の中で高い地位にある足利高氏とは全く逆で、いまだに無位無官のままの末端武士でしかありませんでした。
鎌倉幕府が一つの大企業だとしたら、足利高氏は本社の取締役の一人であるのに対し、新田義貞は群馬県太田市の特約店の一店長、というぐらいの差があったということです。
新田義貞は、没落した新田氏を再興しようと、領内の長楽寺(群馬県太田市)の門前町を整備して経済を活発化させるなどして、領地の経済力を高める政策をコツコツ頑張って、次第に新田荘は豊かに儲かり始めていました。
しかし、その金の匂いを嗅ぎつけた鎌倉幕府は、なんとかしてこの新田氏の儲けを奪ってやろうと考えます。
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