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精神科ガイドライン等一覧  2024.2.16第9回改訂

精神科ガイドライン等一覧

2024.2.16改訂(第9回改訂)
・「電気けいれん療法(ECT)の適応基準における「患者本人の希望」に関する見解」を追加しました。
・「修正型電気けいれん療法(m-ECT)の筋弛緩法におけるロクロニウムとスガマデクスの使用ガイド」を追加しました。
・「最適使用推進ガイドライン レカネマブ(遺伝子組換え)」を追加しました。
・「周産期メンタルヘルス コンセンサスガイド2023」を更新しました。
・「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」を更新しました。

この投稿では、精神科における主要なガイドライン(GL)、及びそれに近い情報源を紹介しています。自分で作成して使っていましたが、若い先生方の役に立つ部分もあるかと思い今回公開させてもらいました。

掲載の基準としては原則、
①厚労省や日本精神神経学会など主要学会によるものであること
②日本のものであること
としています。

①②とした理由は、これらが日本の精神科臨床を行う上での標準治療(または望ましい治療)に関する情報だと考えるためです。

しかしながら疾患によっては、①②を満たすものが見当たらない場合も少なくありません。その場合は<参考>として、あくまで私見になりますが、診療の参考になりそうな書籍等をあげています。

気付いた部分があれば更新していく予定ですが、抜けがありうることや、アップデートできていない場合などもあると思いますのでご了承ください。活用については自己判断/責任でお願いします。

【診断基準】
① DSM-5TR:アメリカ精神医学会による診断基準。2022年に改訂。医学書院より日本語版の出版あり。
②ICD-10の第5章「精神および行動の障害」(Fコード):ICDより1990年に公表。医学書院より、障害の臨床像・診断ガイドラインをまとめた書籍が出版あり。なお、2018年にICD-11が公表され、日本でも運用に向けて準備中である。

【神経発達症群/神経発達障害群】(児童分野含む)
①全般
・<参考>「精神科治療学 第29巻増刊号 発達障害ベストプラクティス―子どもから大人まで―」:星和書店より出版(2014年10月)
・<参考>「精神科治療学 第35巻増刊号 児童・青年期の精神疾患治療ハンドブック」:星和書店より出版(2020年10月)。発達障害以外にも児童思春期の精神科領域についての標準的知識を学べる。
②ASD
③ADHD
・<参考>「注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン 第5版」:ADHD診療の指針として有用。じほうより出版(2022.11)。
④児童その他
・「小児心身医学会ガイドライン集改訂第2版」:総論の他、起立性調節障害、摂食障害、不登校などについてまとめられている。精神科医としても参考になる情報多数あり。2015年。南江堂より出版。
・「青年期・成人期の発達障害者へのネットワーク支援に関するガイドライン」:厚生労働科学研究障害者対策総合研究事業によるガイドライン。2011年。
【統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群】
① SC
・「統合失調症薬物治療ガイドライン2022」:日本神経精神薬理学会によるGL(2022.5改訂)
・「統合失調症に合併する肥満・糖尿病ガイド」:日本精神神経学会におけるガイド(2020.5)。

【双極性障害および関連障害群】  
① 双極性障害
・「双極性障害(双極症)ガイドライン2023」:日本うつ病学会のGL。(2023.3.1改訂)
・<参考>「双極性障害の心理教育マニュアル」(医学書院):バルセロナ大学で作成されたマニュアルの邦訳版(2012)
【抑うつ障害群】
①うつ病
・「日本うつ病学会治療ガイドラン Ⅱ.うつ病(DSM-5)/ 大うつ病性 障害 2016」: 日本うつ病学会のGL。(2017.7改訂)
・「日本うつ病学会治療ガイドライン 高齢者のうつ病治療ガイドライン」:日本うつ病学会による高齢者のうつ病治療に関するGL。(2020.7)
・「エビデンスに基づいた月経前不快気分障害PMDDの薬物療法ガイドライン」:厚労省精神・神経疾患研究委託費における研究(2013)
【不安症群/不安障害群】
①社交不安障害
・「社交不安症の診療ガイドライン」:日本精神薬理学会によるGL(2021.9)
・社交不安障害(社交不安症)の認知行動療法マニュアル(治療者用):厚生労働科学研究班作成(2016.2改訂)。日本不安症学会にて紹介あり。
②パニック障害
・パニック障害(症)の認知行動療法 マニュアル(治療者用):厚生労働科学研究班作成(2016)。日本不安症学会にて紹介あり。
【強迫症および関連症群/強迫性障害および関連障害群】
③強迫症
・「強迫性障害(強迫症)の認知行動療法 マニュアル (治療者用)」:厚生労働科学研究班作成(2016)。日本不安症学会にて紹介あり。
・<参考>「精神科治療学 第32巻03号 特集:強迫症の理解と治療の新たな展開 I」「精神科治療学 第32巻04号 特集:強迫症の理解と治療の新たな展開Ⅱ」;星和書店より出版(2017年03/04月)
【心的外傷およびストレス因関連障害群】
①PTSD
・「PTSD 初期対応マニュアル:プライマリケア医のために」:日本トラウマティック・ストレス学会よるマニュアル(2013)。プライマリケア向けとのことだが精神科医の診療にも基本になる。(同学会ではPTSD評価尺度(IES-R、PDS-Ⅳも公開しており有用)。
・「PTSD の薬物療法ガイドライン:プライマリケア医のために」:同上。
・PTSD(心的外傷後ストレス障害)の認知行動療法マニュアル(治療者用)[持続エクスポージャー療法/PE 療法]:日本不安症学会にて紹介あり。
②適応障害
なし
【解離症群/解離性障害群】  
①解離性障害
【身体症状症および関連症群】
①身体症状症
・<参考>「精神科治療学 第32巻08号 特集:「身体症状症および関連症群」の臨床」:星和書店より出版(2017年08月)。
【食行動障害および摂食障害群】
①摂食障害
・「摂食障害治療ガイドライン」:日本摂食障害学会監修。医学書院より出版。(2012.2)
・「神経性やせ症(AN) 初期診療の手引」:AMEDにおける研究開発課題で作成。(2019.6)
・「AED医学的ケアのためのガイド第3版<日本語版>」:国際学会Academy for Eating Disorders (AED)が作成している、摂食障害患者のケアにおける早期発見および 医学的リスクマネジメントのための重要なポイントをまとめた冊子。 日本摂食障害学会が公表。(2016)
・「摂食障害情報ポータルサイト」:摂食障害全国支援センター(国立精神・神経医療研究センターに事務局が設置)により運営されているサイト。「参考資料」内に、連携指針や診療手引きがある。
・「神経性食欲不振症のプライマリケア のプライマリケアのためのガイドライン(2007年)」:厚労省科研費調査研究。(2007)
【排泄症群】
【睡眠-覚醒障害群】
① 睡眠一般
・「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」:厚生労働省 (2024.2)
 ②不眠症
・「睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドラインー出⼝を⾒据えた不眠医療マニュアルー」:日本睡眠学会によるGL。(2013.10改訂)
・「標準的神経治療:Restless legs症候群」:日本神経治療学会作成の指針。(2012年)
【性機能不全群】
【性別違和】
・性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第 4 版改):日本精神神経学会内のHPにて公開(2018.1)
【秩序破壊的・衝動制御・素行症群】
【物質関連障害および嗜癖性障害群】
①依存症一般
・<参考>「新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドライン」:厚労科研「アルコール依存症に対する総合的な医療の提供に関する研究」によるGLです(2018)。
②アルコール使用障害
③薬物使用障害
【神経認知障害群】
① 認知症
・「最適使用推進ガイドライン レカネマブ(遺伝子組換え)」:厚生労働省より公表(2023.12)
・「認知症疾患診療ガイドライン2017」:日本精神神経学会によるGL。(2017.8)
・「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)」:平成27年科研費事業にて。厚労省にて公開あり。
・「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」:厚生労働省(2018.6)
②せん妄
・「せん妄の臨床指針 ‐せん妄の治療指針 第2版」:日本総合病院精神医学会治療指針。誠和書店より出版(2015/11/24)
・「がん患者におけるせん妄ガイドライン 2022年版 第2版」:日本サイコオンコロジー学会/日本がんサポーティブケア学会によるGL。(2022)
【パーソナリティ障害群】
【パラフィリア障害群】
【その他① 精神科救急】
・「精神科救急医療ガイドライン2022」:日本精神科救急学会監修。
【その他② 周産期】
・「精神疾患を合併した、或いは合併の可能性のある妊産婦の診療ガイド(総論編)(各論編)」:精神神経学会によるガイド(2020.5)
・「周産期メンタルヘルス コンセンサスガイド 2023」:日本周産期メンタルへルス学会のHPにて公開あり。
【その他③ 緩和ケア・終末期】
・「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」:厚生労働省。「解説編」もあり。(2018.3)
・「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン 人工的水分・栄養補給の導入を中心として」:日本老年医学会によるGL。(2012)

【その他】
・「便通異常症診療ガイドライン2023(慢性便秘症・慢性下痢症)」日本消化管学会によるGL。南江堂より出版。(2023.7)
・「重篤副作用疾患別対応マニュアル (Li中毒、セロトニン症候群、ジスキネジア、薬剤性パーキンソニズム、薬剤性せん妄、BZの治療薬依存、アカシジア、新生児薬物離脱症候群、薬剤惹起性うつ病、悪性症候群・横紋筋融解症)」厚生労働省によるマニュアル。時折更新される。
・「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」日本老年医学会によるGL。 (2015.12)
・<参考>「精神科治療学 第36巻増刊号 今日の精神科治療ハンドブック」:星和書店より出版(2021年10月)。特にガイドラインなどがない疾患について、診療の参考になる。
・「r-TMS適正使用指針」:日本精神神経学会のHP内で公開されている(2018.4)
・「患者の自動車運転に関する精神科医のためのガイドライン」::日本精神神経学会のHP内「自動車運転関連法案に対する当学会の対応」で公開されている(2014.6)。
・「電気けいれん療法(ECT)推奨事項 改定版」:精神神経学雑誌 第115巻第6号
※webにて閲覧可能。
・「ECTグッドプラクティス」:日本精神神経学会ECT・rTMS等検討委員会編集。
新興医学出版社より出版(2020年6月)
・「電気けいれん療法(ECT)の適応基準における「患者本人の希望」に関する見解」:
日本精神神経学会による推奨部分の修正 (2023 .12)
・「修正型電気けいれん療法(m-ECT)の筋弛緩法におけるロクロニウムとスガマデクスの使用ガイド」:日本精神神経学会によるガイド (2023.9)
・「てんかん診療ガイドライン2018」:日本神経学会によるGL。(2018)
以上

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