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海外旅行前にチェック!主要国のアレルギー対応と表示ルールまとめ【日本、アメリカ、中国、韓国、台湾、タイ、EU】

食物アレルギーをお持ちの方にとって、海外での食事は特に注意が必要です。各国のアレルギー表示ルールや外食時の対応状況を理解しておくことで、安全かつ安心して旅行を楽しむことができます。本記事では、日本、アメリカ、中国、韓国、台湾、タイ、EUの主要国・地域を比較し、それぞれの特徴と旅行時の注意点を解説します。

【注意事項】
この記事は、リサーチに基づき作成したものですが、アレルギー情報は非常にセンシティブであり、最新かつ正確であることを保証するものではありません。規制や店舗対応は変更される可能性があるため、以下の行動をお勧めします「店舗や提供者に直接確認する」「公式情報や医師のアドバイスを参照する」「翻訳カードや緊急対応薬を携帯する」
本記事の内容をご利用の際は、必ず自己責任で確認・判断を行ってください。



「日本」のアレルギー対応と表示ルール

状況概要: 日本では「食品表示基準」に基づき、特定のアレルゲンについて表示義務が課されています。表示義務の対象は特定原材料8品目、表示推奨の対象は特定原材料に準ずる20品目で構成されています。これにより、食品を選ぶ際の安全性を高めていますが、外食での対応は事業者の自主性に委ねられています。

特定原材料(表示義務対象): 以下の8品目は、表示が義務付けられています。

  1. 小麦

  2. そば

  3. 落花生(ピーナッツ)

  4. えび

  5. かに

  6. くるみ(2023年3月9日より追加)

特定原材料に準ずるもの(表示推奨対象): 以下の20品目は、可能な限り表示することが推奨されています。

  1. アーモンド

  2. あわび

  3. いか

  4. いくら

  5. オレンジ

  6. カシューナッツ

  7. キウイフルーツ

  8. 牛肉

  9. ごま

  10. さけ

  11. さば

  12. 大豆

  13. 鶏肉

  14. バナナ

  15. 豚肉

  16. マカダミアナッツ(2024年3月28日より追加)

  17. もも

  18. やまいも

  19. りんご

  20. ゼラチン

詳しくはこちらも参考にしてみてください↓


「アメリカ」のアレルギー対応と表示ルール

状況概要: アメリカでは、主要な食物アレルゲンとして以下の9品目が指定されています。

  1. 牛乳

  2. (例: 鱈、鮭)

  3. 甲殻類(例: エビ、カニ、ロブスター)

  4. 木の実(例: アーモンド、クルミ、カシューナッツ)

  5. ピーナッツ

  6. 小麦

  7. 大豆

  8. ゴマ(2023年1月1日より追加)

加工品の表示ルール: これらのアレルゲンを含む加工食品は、パッケージに明確に表示することが義務付けられています。具体的には、原材料リスト内での明示、または「Contains(含む)」ステートメントを使用して表示されます。

外食の表示ルール: 外食産業におけるアレルゲン情報の提供は、連邦レベルでは義務付けられていません。しかし、多くのレストランや飲食チェーンは、顧客の安全と満足度を高めるために自主的にアレルゲン情報を提供しています。特に大手チェーン店では、メニューやウェブサイトで詳細なアレルゲン情報を公開している場合があります。

注意点: アメリカでは、予防的アレルゲン表示(例: 「may contain(含まれる可能性があります)」)は任意であり、統一された規制がないため、製品によって表示の有無や内容が異なる場合があります。そのため、食品を選ぶ際には、製品ラベルを注意深く確認し、疑問がある場合は製造者や販売者に直接問い合わせることが推奨されます。


「中国」のアレルギー対応と表示ルール

状況概要: 中国では、食品安全国家標準「GB 7718-2011 食品ラベル通則」に基づき、特定のアレルゲンの表示が義務付けられています。表示が義務付けられているアレルゲンは以下の8品目です。

  1. 小麦

  2. そば

  3. ピーナッツ

  4. 大豆

  5. 甲殻類およびその製品

加工品の表示ルール: 上記のアレルゲンを含む加工食品は、パッケージに明確に表示することが義務付けられています。具体的には、原材料リスト内での明示や、「含有」などの表現を使用して表示されます。

外食の表示ルール: 外食産業におけるアレルゲン情報の提供は、現時点では法的に義務付けられていません。しかし、消費者のアレルギーに対する意識の高まりに伴い、一部のレストランや飲食チェーンでは自主的にアレルゲン情報を提供する動きが見られます。

注意点: 中国では、アレルゲン表示に関する規制が他国と異なる場合があります。特に、外食時にはアレルゲン情報の提供が一般的でないため、食物アレルギーをお持ちの方は、事前に店舗に確認するなどの対策を講じることが重要です。


「韓国」のアレルギー対応と表示ルール

状況概要: 韓国では、食品衛生法に基づき、特定のアレルゲンを含む食品に対して表示義務が課されています。表示が義務付けられているアレルゲンは以下の21品目です。

  1. 牛乳

  2. そば

  3. 落花生

  4. 大豆

  5. 小麦

  6. サバ

  7. カニ

  8. エビ

  9. 豚肉

  10. トマト

  11. 鶏肉

  12. 牛肉

  13. イカ

  14. アワビ

  15. ムール貝

  16. カシューナッツ

  17. クルミ

  18. 松の実

  19. ゼラチン

加工品の表示ルール: 上記のアレルゲンを含む加工食品は、パッケージに明確に表示することが義務付けられています。具体的には、原材料リスト内での明示や、「含有」などの表現を使用して表示されます。

外食の表示ルール: 外食産業におけるアレルゲン情報の提供は、現時点では法的に義務付けられていません。しかし、消費者のアレルギーに対する意識の高まりに伴い、一部のレストランや飲食チェーンでは自主的にアレルゲン情報を提供する動きが見られます。

注意点: 韓国では、アレルゲン表示に関する規制が他国と異なる場合があります。特に、外食時にはアレルゲン情報の提供が一般的でないため、食物アレルギーをお持ちの方は、事前に店舗に確認するなどの対策を講じることが重要です。


「台湾」のアレルギー対応と表示ルール

状況概要: 台湾では、衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)が定める「食品アレルゲン表示規定」に基づき、特定のアレルゲンを含む食品に対して表示義務があります。2018年8月の改訂により、表示が義務付けられるアレルゲンは以下の11品目です。

  1. 甲殻類およびその製品

  2. マンゴーおよびその製品

  3. ピーナッツおよびその製品

  4. 牛乳、山羊乳およびそれらの製品(ただし、牛乳・山羊乳由来のラクチトールは除く)

  5. 卵およびその製品

  6. ナッツ類およびその製品

  7. ゴマおよびその製品

  8. グルテンを含む穀物およびその製品(ただし、穀物由来のグルコースシロップ、マルトデキストリン、アルコールは除く)

  9. 大豆およびその製品(ただし、大豆由来の高度精製油脂、トコフェロールおよびその誘導体、植物ステロール、植物ステロールエステルは除く)

  10. 魚類およびその製品(ただし、ビタミンやカロテノイド製剤の担体として使用される魚由来ゼラチンは除く)

  11. 亜硫酸塩類(最終製品中に二酸化硫黄として10mg/kg以上含有するもの)

加工品の表示ルール: 上記のアレルゲンを含む加工食品は、パッケージに明確に表示することが義務付けられています。具体的には、原材料リスト内での明示や、「本製品には〇〇が含まれています」といった警告表示を行う必要があります。表示のフォントサイズや位置など、詳細な規定も設けられています。

外食の表示ルール: 外食産業におけるアレルゲン情報の提供は、現時点では法的に義務付けられていません。しかし、消費者のアレルギーに対する意識の高まりに伴い、一部のレストランや飲食チェーンでは、自主的にアレルゲン情報を提供する動きが見られます。

注意点: 台湾では、アレルゲン表示に関する規制が他国と異なる場合があります。特に、外食時にはアレルゲン情報の提供が一般的でないため、食物アレルギーをお持ちの方は、事前に店舗に確認するなどの対策を講じることが重要です。


「タイ」のアレルギー対応と表示ルール

状況概要: タイでは、2017年に保健省告示第383号「容器包装された食品のラベル表示」において、特定のアレルゲンの表示が義務付けられています。表示が義務付けられているアレルゲンは以下の8品目です。

  1. 小麦

  2. グルテン

  3. 甲殻類およびその製品

  4. 卵およびその製品

  5. 魚およびその製品

  6. ピーナッツ、大豆およびその製品

  7. 乳および乳製品(乳糖を含む)

  8. ナッツ類およびその製品

加工品の表示ルール: 上記のアレルゲンを含む加工食品は、パッケージラベルに明確に表示することが義務付けられています。具体的には、原材料リスト内での明示や、「含有」などの表現を使用して表示されます。

外食の表示ルール: 外食産業におけるアレルゲン情報の提供に関しては、明確な法的義務は定められていません。しかし、消費者のアレルギーに対する意識の高まりに伴い、一部のレストランや飲食チェーンでは、自主的にアレルゲン情報を提供する動きが見られます。

注意点: タイでは、アレルゲン表示に関する規制が他国と異なる場合があります。特に、外食時にはアレルゲン情報の提供が一般的でないため、食物アレルギーをお持ちの方は、事前に店舗に確認するなどの対策を講じることが重要です。


「EU(欧州連合)」のアレルギー対応と表示ルール

状況概要: EUでは、2014年12月13日に施行された「消費者への食品情報提供に関する規則(Regulation (EU) No 1169/2011)」に基づき、特定のアレルゲンを含む食品に対して表示義務が課されています。

  1. セロリおよびその製品

  2. グルテンを含む穀物(小麦、ライ麦、大麦、オート麦、スペルト小麦、カムート小麦)およびその製品

  3. 甲殻類およびその製品

  4. 卵およびその製品

  5. 魚およびその製品

  6. ルピンおよびその製品

  7. 乳およびその製品(乳糖を含む)

  8. 軟体動物およびその製品

  9. マスタードおよびその製品

  10. ナッツ類(アーモンド、ヘーゼルナッツ、クルミ、カシューナッツ、ペカンナッツ、ブラジルナッツ、ピスタチオ、マカダミアナッツ)およびその製品

  11. ピーナッツおよびその製品

  12. ゴマ種子およびその製品

  13. 大豆およびその製品

  14. 二酸化硫黄および亜硫酸塩(一定濃度以上含有するもの)

これらのアレルゲンは、EU全域で統一的に表示が義務付けられています。

加工品の表示ルール: 上記のアレルゲンを含む加工食品は、パッケージ上で明確に表示することが求められます。特に、原材料リスト内で該当アレルゲンを強調表示(例:太字、下線、色付き文字)することが義務付けられています。

外食の表示ルール: 外食産業やケータリング事業者も、提供する食品に含まれるアレルゲン情報を消費者に提供する義務があります。この情報は、メニュー、掲示、口頭などの方法で提供されることが一般的です。

注意点: EU加盟国では、上記のアレルゲン表示に関する規制が統一されていますが、各国での運用や追加の規制が存在する場合があります。特に外食時には、アレルゲン情報の提供方法が店舗によって異なるため、食物アレルギーをお持ちの方は事前に店舗に確認することが重要です。

※EU加盟国:ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、ドイツ、エストニア、アイルランド、ギリシャ、スペイン、フランス、クロアチア、イタリア、 キプロス、ラトビ ア、リトアニ ア、ルクセンブルク、ハンガリー、マルタ、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロヴェニア、スロヴァキア、フィンランド、スウェーデン


まとめ

各国の食品アレルゲン表示ルールを比較すると、アレルギーに対する意識や規制の厳しさに国ごとに大きな違いがあることが分かります。

世界で進んだ対応を見せる国々

  • 韓国では、21品目のアレルゲンを対象にした非常に広範な表示ルールがあり、加工食品では厳格な基準が設けられています。

  • **EU(特にイタリア)**では、外食産業におけるアレルゲン情報提供が義務化され、透明性が高い対応が取られています。消費者はメニューを通じて簡単にアレルゲン情報を確認できます。

旅行時の注意点

  • 各国のアレルゲン表示ルールを事前に確認し、理解する。

  • 食事をする際には、スタッフに直接アレルゲン成分について尋ねる。

  • アレルギー反応に備えて、翻訳カードや緊急用の薬(例:エピペン)を携帯する。

未来に向けて

食品アレルギーは国境を越えた問題であり、世界中でルールの整備と情報共有が進むことで、消費者が安心して食事を楽しめる環境が構築されることが期待されます。


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WE TABLEは、アレルギー対応飲食店を簡単に検索できる国内向けプラットフォームです。まだ海外対応はしていませんが、日本国内旅行や日常の外食時にぜひご利用ください。


参照・出典一覧

  1. 日本

    • 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」
      https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/

  2. アメリカ

    • 米国食品医薬品局(FDA)「Food Allergen Labeling and Consumer Protection Act (FALCPA)」
      https://www.fda.gov/

    • JETRO「アメリカの食品アレルゲン表示」
      https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/12/c899dbd647c83f42.html

  3. 中国

  4. 韓国

    • 韓国食品医薬品安全処「食品などの表示基準」
      https://www.mfds.go.kr/

    • JETRO「韓国の食品表示に関する基準」
      https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/kr/law/pdf/foodlabeling.pdf

  5. EU

    • Regulation (EU) No 1169/2011「消費者への食品情報提供に関する規則」
      https://eur-lex.europa.eu/

    • JETRO「EUのアレルゲン表示に関する規制」
      https://www.jetro.go.jp/biznews/2014/12/547807f4d07f0.html

  6. イタリア

    • 上記EU規則を準拠

  7. 台湾

    • 台湾食品薬物管理署(TFDA)「食品アレルゲン表示規定」
      https://www.fda.gov.tw/

    • JETRO「台湾における食品アレルゲン表示」
      https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/tw/foods/law/tw_allergen.pdf

  8. タイ

    • タイ保健省告示第383号「容器包装された食品のラベル表示」
      https://www.itohygiene.com/blog/2022/03/203/


この記事を参考に、各国での安全な食事を実現し、安心して旅行や外食を楽しんでください!

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