週刊わたしの森ダイアリー VOL.6:作業よりも大切なこと。
この記事を書いている今は9月下旬。台風が過ぎ去り、飛騨高山は朝方だいぶ肌寒くなってきました。そう秋です。
友人たちと作っている田んぼもこの週末に稲刈りをし、稲穂に覆われていた飛騨の地はそこかしこで稲刈り後の大地が広がっており、少しずつ冬への準備をすすめています。
それでは今週も週刊わたしの森ダイアリーはじまります。
週刊わたしの森ダイアリー VOL.6
「石花」への道。
2022年8月1日
自然の岩や石を絶妙なバランスで積み上げるバランスアート。その中でも和を意識し、盆栽や生け花も連想させる日本のロックバランシングを「石花」というようです。
週末は子供たちと近くの川に行ったので初挑戦。石の位置を少しずつずらしながら、ピタッとはまる場所を見つけられた時、爽快な気分になれます。
川原に落ちている石のかたちは全て違っていて、出来る石花のパターンは無限にあるので、いつまでも楽しめます。今度はみんながあっと驚くような石花を作りたい。
好奇心のままに。
2022年8月2日
パートナーが「ヘビイチゴがあったら取ってきて」というので収穫に。ヘビイチゴやドクダミ等、ホワイトリカーにつけることでかゆみどめになることを知ったのは、1年ほど前のこと。田舎では(?)結構有名な話らしく、自然との共生をしてる感じがして凄く感心したのを覚えています。
ヘビイチゴを収穫していたらお隣さんから「食べれるんですか?」と聞かれ、曖昧な返事しかできなかった自分がいたので、帰宅後先日購入した本で調べることに。種類は特定できたけど、食べれるかは書いてない…。さらにググって調べてみると、食べても美味しいヘビイチゴみたいでした🍓
植物の種類を本で調べ、インターネットでさらに知識のつけたしをするなんて、ちょっと前の自分では考えられなかったことだけど、今はこれが凄く楽しい。やまない好奇心のおもむくままに進み続けるのは、なんて気持ちのいいことなんだろう!
作業よりも大切なこと。
2022年8月3日
草刈りや野草の収穫、はたけのお世話と日々作業しているわけですが、森を歩いて観察する時間を作業時間より長くとるようにしています。
わたしは草木に対する知識が浅いので、面白い種類の草木がそこにあっても気づかないことが多いけど、毎日観察していると花が咲いたり実をつけてくれたりと、森が変化を見せてくれるので、観察することで得られる気づきがたくさんあるんです。
「観察することで見えてくるものがある」と仲良くしてもらっている農家さんがよく言っているんですけど、自然と時を共にするとはそういうことだなと、森に入りはじめて実感しています。
水のとおりみち。
2022年8月4日
敷地奥のスギ林には山から流れてきた水が小さな川をつくっています。
ただここも5年近く放置されていたこともあり、枯れ落ちた枝葉で水路が埋もれ、行き場を失った水がかつて田んぼであっただろう棚田にたまり、そこかしこがぬかるんだ森でした。
少しずつ水路を掃除し、たまった水を水路に戻す道をつけた結果、安定して水が流れてくれるようになりました。
※(動画をそのままアップできないので、インスタグラムのリンクで失礼します)
2年前の夏のこと。
2022年8月5日
東北、北陸の雨の被害がひどいですね。
飛騨高山に移住してきてすぐの2年前の7月、飛騨地方でも“緊急安全確保”が出されました。
アパートの前の川が溢れそうになり、急いで家具や本棚の一番下の段の本を上にあげ避難したのが源体験となり、気候変動に強く危機感を持ったパートナーがひとりひとりが出来る小さな環境アクションを発信しはじめたのが「わたしの森入門」の活動母体でもある @think_of_our.earth です。
活動は心強い賛同者と共に @hida.zerowasteproject として活動の幅を広げています。
森が楽しいフィールドになり多くの人にとって自然が身近になることで、日々変化を続ける今の地球環境についてひとりひとりが考えアクションするきっかけになり、少しでもまともな地球環境を次の世代に繋いでいけたらと思っています。
※(動画をそのままアップできないので、インスタグラムのリンクで失礼します)
おすそわけ。
2022年8月6日
昨日畑に行ったら、順調に育っていたはずの大豆と黒豆がない...。
よく見ると何かが葉っぱ刈り取ったような後が。苗をもらった農家さんに聞いたところ、カモシカが食べにきたみたいでした。
高山に移住してきてもっとも見る動物は、シカでもイノシシでもサルでもなくカモシカなんですけど、なんとなく神聖な感じがして見れると嬉しい。どうやら我が家の畑にも来たようです。
動物が来て野菜を食べていくのは想定していたことなので全然いいんだけど、わたしたちが食べる分も残しておいてもらえるとうれしいなぁ。
オニノカナボウ。
2022年8月7日
母屋へのアプローチの草刈りをしていたら、トゲがたくさん生えている木があるのを見つけました。
調べたところ春の山菜「タラの芽」で有名なタラノキみたい。タラノキは地下茎で繁殖するらしく、まわりを見渡すと他にも何本か生えていました。いわゆるパイオニアプランツで、一般家庭の庭に植えると繁殖しすぎて大変なことになるんだとか…。
今はトゲが少ない種がよく販売されているみたいだけど、地域によってはオニノカナボウって名前で呼ばれているそうで、野生種はトゲが多く風味も良いらしい。
厳しい冬を越えた先の、春の楽しみですね。
編集後記
日暮れが早くなり、仕事帰りに森に入れなくなってしまい、どうしたものかと考えていたのですが、そのぶん休日の昼間は涼しくなっていることに気づき、これはチャンスと休日に森での作業を進めています。日の出の時間もだんだん遅くなっており、冬の足音を気にしながら生きる毎日に、あぁ大自然の中で生きているなぁと感じる今日この頃です🌿🌾