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自分の本当の声で歌いたい・・・欧米では日本人の歌声はどんな風に聞こえるか?

ハロウィンが終わって11月に突入するとカナダは冬時間になり、5時には真っ暗な夜。一気に秋から冬らしくなります。
もう今年も残すところあと2か月。
この寒さと日々の暗さが忙しさにより苛立ちと疲労感を増してきます。

今年の12月は結局アルバイトを増やす羽目になってしまいました。

というのもいままでずっとやりたかったプライベートのボイストレーニングを思い切ってやることにしたため、そのレッスン代捻出のためです。

結果、この12月は期間限定とはいえ、怠惰な私としてはかなり無理したスケジュールになり、正直自分でも倒れないか、不安なくらいです。

まさに貧乏暇なしを実感するカナダ生活です。

なのでこの2か月は体調管理を最優先でNoteから離れているかもしれませんので、ご理解の程よろしくお願いします。

ナチュラルボイスを求めて


さて、なぜボイストレーニングを受けることにしたかというと、自分の本来持っている声で喉に負担を掛けずにこれから先も歌を楽みたい。
それには個人レッスンが必要
だからです。

教会のクワイヤーで歌い始めて5年。
その間コロナ期を除いて実質3年ぐらいになりますが、毎週ミサで歌っている、と言って歌が上手くなるわけではありません。
歌うことに慣れるのと上手くなるのは違います。

クワイヤーには伴奏者も兼ねたディレクターやソロを歌える上手な人も数名いますが、基本誰でも参加でき、希望者の歌のレベルや楽譜が読めるかなどの音楽知識も問いませんし、参加は無料ですが、音楽を教えるところでもありません。

私も歌うことが好きでストレス発散ぐらいで始めたクワイヤーです。
当初は毎週日曜日にクワイヤー席でみんなとミサで歌うだけで満足でした。

でも、やはり上手い人の心地よいのびのびとした歌声を聴くと自分もあんな風に歌えたらなぁと思ってきます。

日本人の声・日本語の壁

皆さんは欧米で日本人の歌声はどんな風に感じられると思いますか?

あくまでも一般論で良し悪しでもありませんが、日本人の歌声は平べったく硬い印象を持たれるようです。

クワイヤーで歌の上手いナターシャに
「ナターシャのように力まずに通る声で歌えたらいいなぁ」
と言ったら、ナターシャから
「Wakeiの声は喉を締めている」と言われました。

と私自身は喉を締めている自覚は全くありません。

でも確かに録音したものを聴くとナターシャの伸びやかさに対して私の声は堅い木刀のようです。

ちなみにクワイヤーの男性メンバーに
「私の歌はどんな感じがする?」って聞いたら、

「かわいい感じ(子どもっぽい感じ)」って言われたこともあります。
声が高めで細くて大人っぽい声の落着きや豊かさがない、
ってことなんだと思います。

それらは私の声質ぐらいに思っていたんですが、実は私の歌声には日本語の特徴がしっかり反映していることに後々気づくことになります。

皆さんは日本語の発声の特徴を意識したことがありますか?

日本語の特徴として
・舌が奥に引っ込めて話す
・声を出すときに喉に力を加える
・喉の高い位置で話す

と言われています。
他の言語が息を使うために喉の低い位置から発声したり、舌を複雑に使うことで発音を変えるのに対して、日本語は舌を奥に置いたままであまり動かさず、喉に力を入れたり、あごの位置や口の形を変えることで発声、音を変えます。

全体として日本人が日本語を話すときは喉を狭めがちなのです。
それが声が高めで、軽く、音が平べったく硬い印象の原因になります。

逆に言うと、喉や口の中のスペースをできるだけ広げ、声の障害物を減らすことでピュアでよく響く豊かな大きな声が作れるのです。


口先で話す、喉を締める、舌をあまり使わない、という日本語の特徴は会話でも日本語アクセントとして出てきますが、どの国の人もいろんなアクセントがあるし、カナダ人はいろんなアクセントに慣れているので問題にはなりません。

ところが、讃美歌をカナダ人のクワイヤーで歌うと発音の悪さに加えて私の声の音色の違いがなんとなく気になるのです。耳のいいクワイヤーのメンバーは私の声に狭苦しさを感じているかもしれません。

民謡や演歌などを歌う時は逆に喉を狭める日本語の癖を上手くコントロールして心に沁みる歌が歌うし、それを心地よく感じる日本人の感性もあります。ですが英語の讃美歌となるとそうもいかないのです。

クワイヤーで歌ってきて、自分の異色さの原因が日本語の癖に起因していたなど思いもよりませんでした。
ですが、発声を意識して変えると歌うのも楽で、クワイヤーへの馴染みが多少良くなる気がします。

日本人の喉を締める歌い方では喉も傷めやすいんですよ。

もし日本にいたら、日本と欧米系の発声の違いなど気が付かなかったと思うし、悩むこともなかったでしょう。日本で歌っているとみんなそうだしね。比較対象がありませんから。

上のYoutubeでも車田先生が「声楽科の音大生でも日本語の癖を矯正することの重要性に気づいていない人が多い」と言っているのは驚きですよね。

これは日本語の特徴の良し悪しや歌の上手下手の話でもありません。

私の場合だと、楽に声を出し、クワイヤーでみんなと一緒に讃美歌を気持ちよく歌うには日本語の癖は不利だということです。

ボーカルレッスンで

早速、ボーカルのレッスンで日本語の大きな癖の一つの舌が奥に引っ込んで喉を狭めていることを指摘されました。

予想はしてたけどやっぱり先生はすぐわかっちゃいましたね。
舌の力を抜いて前に出すように言われて歌ったときに

「ほら、響きの違いがわかる?」

って言われるんですが、正直、うーん、よくわかりません。

発声練習をしていても

「ほら、舌の位置は今どうなってる?鏡を見て自分でも確認してみて」

と言われます。確かに意識しないとすぐに舌が奥に行きます。
先生が音の響きの違いで舌がどこにあるかわかるくらい、舌の位置は音を変えてしまうのです。

また、体を通して声を出すような感覚でスッと声が出せたときに

「そうよ。声を開放して楽に出すのよ。どんな感じがする?」

と聞かれたりするんですが、確かに上手く出せたときは喉にノーストレスな感じで楽です。どうやら、そんな声がナチュラルボイスに近いらしいです。

こんな風に歌のレッスンでは自覚しにくい声の響きの違いを客観的に指摘してもらい、発声を修正していくことが不可欠なのです。

これにはプロに聞いてもらって適切な指導が必要で自分だけでは絶対に無理なのです。

とりあえず3か月から6か月

今現在でボイストレーニング、4回1か月が過ぎたわけですが、自分の発声の問題点とその修正をしています。先生が上手くできるとよく褒めてくれるので、ちょっと自信を回復してきました。

クワイヤーでもミサで歌う時になるべく録音して自分なりに後で確認するようにしています。
後から録音を聴くと、ああ、こんな風に歌ってたとは、とガッカリすることも多々ありますが、シビアに自分に向き合うには必要です。
  

レッスン代がお安くないので最低3か月、長くて6か月ぐらいでレッスンは終了したいところですが、どうなることやら。

最近はクリスマスに向けてクワイヤーの方も忙しくなってます。
コロナ以降、教会のミサに来る若い層も増えていて、クワイヤーも最近は若い男性が増えて、バスパートやテノールパートができるようになり、女性のアルト、ソプラノ、デスカントも加えて、以前より難しい曲にも挑戦するようになってきました。

男性の声も凄くいいですよ。
ちなみに今度の日曜日のミサでは小グループ(男性6人ぐらいと女性3人)でクリスマス向けのこんな曲も特別に歌う予定です。
日本にいたら絶対歌うこともなかっただろうな、っていう曲です。
よかったら聞いてみてくださいね。

       Gaudete (16世紀の曲です)
  このショートビデオの雰囲気がうちのクワイヤーの雰囲気に近いです。

歌が上手くなる、発声を矯正するのは時間が掛かりそうですが、始めない限りは始まりません。12月キツイんだけどなぁ。

なんとかこの2か月を倒れず、皆さんのところにも遊びに行けたり、Noteも書けたらいいなぁ、と思ってますが、どうでしょう。

皆さんも年末に向けて寒くもなるし、気分も忙しくなると思うので体調を崩さない様に気を付けてくださいね。


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