【若手先生QA】喧嘩ばかりの2人を担任したらどうすればいいの?前編
若手の先生の質問に答えます!
まず、言えることは
「絶対、コレで解決できる!」という一般的方法は無い。
ということです。残念なことにorz
なぜかと言うと「一人ひとりが違うから」です。
このA君、B君が持っている特性、知的能力、性格、物の考え方、体格、年齢、授業、地域、家庭、担任以外の先生、などによって対応方法は全く違ってきます。だから、今回の質問に「これでイケるぜ!!」と言う回答はできません。しかし、もう一つ言えることがあります。それは、
「解決のヒントにる方法や考え方」は確実にある。
諦めないで、ひとつ、ひとつ試すことこそが教育です。
と言うことです。
これまで教育界が紡いできた幾千もの成功例は確実にあります。その中から、もしかしたらコレが合うかも!と言う方法を見つけ、試す。それこそが大切だと思います。試してダメだった時、心のエネルギーが奪われます。そんなときは、自分を自分で癒しながら、目の前の現実を1ミリでも変容させられるよう、前に進みましょう。私は全力で応援しています!!!
第一に、大切なのは「担任だけ対応をしない!」です。
このケースでは「みんな」の力を借りましょう。
それくらい大変な学級を受け持ってくださっています。
今日の日まで学級で指導されているだけで凄いことです。
今回は、力の借り方、相談の仕方について考えていきます٩( 'ω' )و
(1)担任の力が無いって思われるかも・・・
そう思いますよね。私もそうでした。相談したら「え、担任がもっと指導しなよ」とか思われるのかなぁって思いました。ん〜、相談しにくい。まずは担任が一人でやってみよう!と思います。
でも、です。教員採用試験を思い出してください。
「もし、学級で指導が難しい子がいたらどうしますか?」って面接で聞かれて、「周りに相談せず、まずは自分で頑張ります!」と言う人と、「主任や管理職に相談し、指示を頂きながら指導改善します」と言う人、どっちを採用しますか?当然後者ですよね。だって、若手は、経験豊富な先生方の指導の方法や考え方を、現場で働きながら学ぶべきなのですから。
これからは、「相談上手な若手教師」が求められています。だから、自分の力が無いと思われる、などの不安は一度どっかに置いてきましょう。
現場にはいろいろな先生がいますから、もし、ある方に相談しても相談に乗ってもらえなくても、絶対に1人は味方がいます。
(2)学年主任への相談しよう!
まずは、学年主任への相談です。学校の中で若い先生だったら、まず、学年主任の先生に相談しましょう。気をつけるべきは「第一に、学年主任。その次に、他の先生」の順番です。学校も組織ですから、その学年の仕事を主に担っている学年主任にまず相談しましょう。もちろん、学年主任の先生が様々な事情でちょっと相談しにくいときは、管理職の先生でもOKです!
相談のポイントは「ちょっとしたことでもどんどん相談報告する!」です。
私自身、学年主任の立場を経験していますが、学年主任側としては、「1・2回相談あっただけなら大丈夫か」と思っちゃいます。逆に毎日、相談があると「おお、困っているな。これちゃんと対応しなくちゃいかんな」と思います。小さなことでも、どしどし相談しましょう。学年主任さんって、いろいろな人がいるので、この相談で「じゃあ、こう対応してこうか」と的確なアドバイスがあればいいのですが、ない場合もあります。そうしたら、次のステップへ進みましょう!
(3)生徒指導主任・特別支援コーディネーターへの相談しよう!
どの学校にも、必ず「生徒指導主任」「特別支援コーディネーター」がいます。これは、特に生徒指導や特別支援教育に通じている力ある先生が担当されている場合が多いので、信頼できると思います。この方々へ相談することで、「学校として情報を共有していること」になります。
若いうちは見えにくいですが、学校のなかで起きている問題行動や指導困難事例が、万が一傷害事件やいじめ案件に発展した場合は、一人の先生の責任ではなくて「学校全体としてその事態にどう対応していたの?」が問われます。だから、生徒指導主任、特別支援コーディネーター、管理職は、むしろ手が付けられない事件になる前に相談して共有しておいてくれた方が嬉しいのです。だから、どんどん相談した方がいいんです。
(4)ケース会を開こう!
学年主任、生徒指導、特別支援に相談し、なかなか改善しない場合は「ケース会議」を開きましょう!「ケース会議」とは簡単に言うと「問題行動がある児童に関わる先生が集合して、現状把握、今後の目標、具体的対策について協議する会議」です。場合によっては、校長、教頭、教務主任(主幹教諭)などもの管理職も参加してくれます。このケース会議が学校として頻繁に行われている場合は「A君とB君についてのケース会議やりたいのですが」と提案してみましょう。もし、あまり行われていない学校であれば「ケース会議って言うのを大学時代の先輩に教えていただいて」とか「ケース会議っていうやつをした方がいいって恩師に教えていただいて」とか言ってみてください。ケース会議で大切なのは以下の点です。
「明確に現状把握をすること」
とにかくひどいではなく、いつ、どこで、どれくらい、何があったかなどを冷静に確かめる。問題行動をリストアップしてどれから対応するか優先順位をつけることも大切です。
「今後の目標を立てること」
明らかにできそうもない目標を立てず、まずできそうな目標。ケンカが毎日ならば、ケンカをせずに過ごせる日を1日作る、のように。
「具体的対応の担当者まで決めること」
フリーの先生が学級に入り、担任は授業を進める。フリーが対象の子への対応を行う、のように。
(5)保護者に理解を得よう!
最後は、保護者にも相談します!相談といっても「喧嘩ばかりなんですよ〜どうしましょう〜」では多分アウトです_:(´ཀ`」 ∠):
(※でも本当に多様な保護者の方がいる現代ですから、この言い方がマッチする保護者の方もいると思います^^)
保護者には「理解を求める」です。
例えば、電話でするならこんな感じで言います。
「○○小学校の◇◇です。お世話になります。A君の最近の様子についてお伝えしたいのですが、よろしいでしょうか?A君、国語の授業で漢字を非常に丁寧に書きました。丸をつけて褒めると喜んでいましたので、おうちでもぜひノートを開いてみてあげてください。このような成果もありますが、課題になっている部分もあります。そのことも今日お伝えしようと思います。実は、今日、休み時間に友達と喧嘩をしてしまいました。」
こんな風に、プラスの面からマイナスの面の話に移行しましょう。そして、マイナスの面の話では、印象で話してはいけません。「最近喧嘩ばっかりしていて〜」のように話すと、事実ではなく先生の主観が入りますから、保護者としても不信感です。例えば、こんな感じです。
「今日の昼休みに、B君とドッチボールをしていたのですが、A君はB君がルールを守っていないと言い、B君に掴みかろうとしてしまいました。その場で私が二人の間に入りましたので、暴力などはありません。まず、二人を落ち着かせ、二人から事情を聞いた後、指導をさせて頂きました。」
ここでは、「喧嘩した事実」だけでなく「最後は指導をしました」まで伝えましょう。そうしないと、ただ「喧嘩したよ」という報告になり「で、学校は何をしてくなかったの?」という不信感につながってしまいます。その上で、保護者の反応を受け止めて、さらにこう続けます。
「本当によくがんばる面がある分、こうした課題の部分をなんとかして少しでも改善していきたいと思っています。おうちでの様子などはいかがでしょうか?何か変わったことなどありますか?」
A君を悪者にするのではなく、良い面を伸ばし、マイナスの面を一緒に改善していきたいですね、という協力のメッセージを送ります。そして最後に、初めの話題に戻って終わります。
「いろいろとお話を伺えてよかったです。また、学校であったことはお伝えさせてください。あと、はじめにお話しした国語のノート、素晴らしいのでぜひ、褒めてあげてください。よろしくお願いします。」
このような感じで、大事が起きる前の少しのトラブルの時点でも保護者に丁寧に伝えておくことで、保護者が「学校でうちの子そんなことしてたの!?知らなかったよ!」という事態を防ぐことができます。
もちろん、電話ではなく、状況によっては家庭訪問をしたり、学校にお越し頂いて顔を合わせてお話した方がいいです。そうすれば、自分だけでなくて学年主任など他の先生に同席してもらえますから心強いですよ(^ ^)
例に示した言い方は丁寧すぎるかもしれませんが、私は保護者の方への対応は「丁寧すぎて丁寧すぎることはない」を信条にしています。
以上、ぜひ、多くの先生の知恵や努力を集めて、子供たちのために対応できる環境を作ってみてください!
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