デジタル時代だからこそ物語が感情に訴えかける #77 ナラティブマーケティング
企業が、その目的である顧客の創造に欠かせない機能の一つがマーケティングであるといわれています。
そのためマーケティングとは、営業だけのものではなく様々な要因から経営に広く、かつ深く関連してきます。
しかしながら、複雑に捉え過ぎると、取り組みも複雑化してしまいます。
シンプルに捉えた考え方としては、「ニーズに応えて利益を上げること」あるいは、「自然に売れる仕組みをつくること」などがあります。
最近、ナラティブマーケティングと言う手法が注目されています。
ナラティブとは「物語」という意味です。
マーケティングで考えた場合、自社の製品やサービスを如何にして見込み顧客(リード)から純粋想起してもらうかが大切です。
純粋想起とは、何らかのキーファクターに対して、見込み顧客に特定の製品やサービスを思い出してもらうことをいいます。
当然ながら純粋想起していただくことで、購買に至る確率が高まることになります。
ナラティブマーケティングでは、このキーファクターと製品やサービスを物語でつなぎます。
例えば、何十年も前に聴いていた懐かしい音楽を聴くと、不思議と当時のことを思い出すことがあります。
これは、当時の自分の置かれた環境を、当時の音楽がキーファクターになったのだといえます。
このナラティブマーケティングによるアプローチ手法を考えてみます。
特徴としては、単なるストーリー性を提案するのではなく、物語の中に顧客を深く没入させ、感情を移入してもらうことです。
そのため物語の主人公が顧客であることが重要であり、その主人公を中心に製品やサービスを溶け込ませる必要があります。
製品やサービスあるいは企業には、必ず顧客との関係があります。
特に歴史の長い製品であったり、長く使い込むような耐久財的な製品であればある程、顧客との関係性が強くなります。
また、新製品であれば、ロールプレインゲームのように物語を創作して、その中に顧客を主人公として登場させるイメージかと思います。
ナラティブマーケティングとは、その顧客との関係性を物語を通して純粋想起していただくようなブランディングともいえます。
最後に、「あなたと車どんな物語がありますか」と訴えかける私の好きなCMシリーズの動画をご紹介します。
デジタルマーケティング全盛の時代だからこそ、相反する様な感情的な手法とも言えるナラティブマーケティングがより一層、流行る可能性があります。