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リレーションシップ向上の場 #113 展示会
宣伝活動のことをPRと言うことがあると思います。
PRとは、 public relations の略です。
製品やサービスなどの公共的価値(public)を多くの顧客や見込み顧客の方々に知っていただき、その信頼・協力の関係性(relations)を強めるための活動のことです。
顧客の創造には、この関係性、リレーションシップが大切になります。
リレーションシップの機会として、イベントマーケティングやMICEと言う用語も耳にするようになりました。
MICEとは、Meeting(企業等の会議・研修・セミナー)、Incentive(企業の招待・優待・視察)、Convention(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)という、それぞれ異なったビジネス活動の頭文字をつなげた造語です。
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国際的規模のコミュニケーション機会となる場合も多く、大きな経済効果を生むプラットフォームとして注目されています。
そして、その価値を最大化させるための取り組みがイベントマーケティングと言えるのではないかと思います。
イベントマーケティングの基軸ともなる取り組みが展示会です。
従来の展示会と言えば、商社などが短期間で売上を獲得するためのイベントとしての展示即売会のイメージがあるかもしれません。
それも展示会としてのコンセプトの一つだと思います。
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反面、あるマーケティング誌の特集記事の中で、質の低い展示会の傾向が取り上げられていました。
それは、出展者に「なぜ、この展示会に出展しているのですか?」と言う質問に対して、「競合他社も出展しているから」、「毎回、出展しているから」、「業界のお付き合いがあるから」と言うニュアンスの展示会のことです。
展示会に限らず、企業のイベントの中には、付加価値を生み出さない無駄な固定費に成り下がっているものもあります。
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イベントマーケティングも含めて、マーケティングとは、「売れる仕組みをつくること」です。
故に、イベントとは、付加価値を生み出せるような場としなければ、その価値はないに等しいといえるかと思います。
出展を検討する際には、決して出展することが目的とならない様にすることが大切です。
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先日、ある報道番組で様々な業界の展示会の模様が特集されていました。
興味深かったのが、そのほとんどが完成した製品が展示されていたのではなかったところです。
つまり、開発段階の未完成の製品の紹介だったのです。
マーケティングにおいて、プロダクトローンチという手法があります。
これは、新しい製品を開発する上で、完成してからではなく、事前に見込み顧客とのリレーションシップ(関係性)を築いて、開発とニーズの方向性のズレを可能な限りなくする手法です。
展示会はあらかじめ開催コンセプトが明確に設定されています。
そのためターゲットとなる見込み顧客の来場が期待できます。
さらに、短期間で、それらの見込み顧客のご意見を得ることができるため、プロダクトローンチとしては最高、最良の場となります。
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その他、展示会では、お客様と営業スタッフが直接、お話させていただく最高の機会です。
WEBや電話ではお伝えし切れない価値情報を最善を尽くしてお伝えさせていただいただくこと、お客様の声を直に伺わせていただくことが大切です。
ある意味、特殊な場であり、それを活用して、普段では得られないリレーションシップの向上がはかれる場なのだと思います。