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狭い部屋

キリがないほどに

私の狭い部屋に生える草は

刈っても抜いても

育まれる


それは私の狭い部屋が

終わった後の地球の文明の祖の様で

私だけ生存してしまった世界線の様に思える


私の狭い部屋には雨も降り

その度に私は傘をさし

びじゃびじゃになった草の葉を

急いで引っこ抜いていた


そんで顔を出した木の床を

雑巾でぞすぞすと拭き

疲れた頃にはまた草が育ちだす


ある日

目を覚ました私は

伸びた草が私全体を血管の様に絡まりあい

身動き取れずに汚い天井を見上げていた


どうして私の部屋だけややっこしいのか

頭を抱えてはいたが

これはこれで動かない口実になると

胸の奥のザラザラとした箇所が騒ぎ立て

お祭りを始めたのは私だけの秘密



あゝ


このまま木々も生えて

花まで咲いたら

私は永遠にこの狭い部屋のなかで

創作意欲に満ち溢れ

私の脳内だけの接点で

終わった後の新しい地球に

初源として交えるのに


狭い部屋の住民は

エゴイズムの小さな星を

赤子の様におくるみに包んでは

草と雨に希望を見出し

豆電球を太陽に変えた


私の美学が相違学だと

気付く頃にはシワの溝から古い花が

咲いていることを懸念しては

ひとり震え上がっていた

なにもない狭い部屋の中で




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