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🔖 八日目の蝉/角田光代(中公文庫)


一番好きな小説です。


何度読んでも、切なくて苦しくて号泣してしまうため、読むときはティッシュやハンカチが必須の作品です。



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▽小説の内容

希和子は「あの人の赤ん坊を見るだけ」と、不倫相手とその妻が留守の間に不倫相手の家を訪れました。


「一目見れば、それでいっさいのあきらめがつくだろう」と思っていた希和子でしたが、自分を見て笑った赤ん坊を思わず抱き上げ、がむしゃらに走り出していました。



“私がまもる。すべてのくるしいこと、かなしいこと、さみしいこと、不安なこと、こわいこと、つらいことから、私があなたをまもる。”




約四年間の逃亡生活と、その後成長した赤ん坊・恵理菜(逃亡期間中の名前:薫)が自身が妊娠したことで、「母親」とは何かわからず苦悩する様子を描いた二部構成の物語です。




優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。
なぜ、誘拐したの? なぜ、私だったの?



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逃亡生活中、希和子と薫には沢山の出会いがあります。


様々な優しさ、温かさに囲まれながらも、気の抜けない日々に疲れてしまいそうになる希和子でしたが、薫とのささやかな暮らしが彼女の幸せでした。

「母親」とは、「母性」とは、何か――。

とても考えさせられたお話です。



映画化やドラマ化もされている作品で、すべて観ました。
映像もいいのですが、やはり原作が最高なので、まだ読んでいない方にはぜひ読んでもらいたいです。




end.

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