給与のデジタル払いどーする??
こんにちは、「WaCCa(ワッカ)の人」です。
以前の記事で、今年の法改正などのトピックをご紹介させて頂きましたが
今年の4月から、「給与のデジタル払い」が解禁されます。
キャッシュレス決済などが進むこのご時世なので「わざわざチャージとかする必要なくなるので便利!!」と思う人もいらっしゃる反面「給与は現金でもらわないと信用できない!!」という方もいらっしゃるかと思います。
今回はそんなキャッシュレス決済の概要と、導入にあたってのメリットデメリットなどを書いてみたいと思います。
給与のデジタル払いについて
法的な話をすると、労働基準法24条で「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と定められているため、本来給与は現金で直接払う必要があります。ただし、従業員との合意が取れていれば、金融機関への口座振込も可能、という建付けになっています。
今回の給与のデジタル払いは、昨年10月に労働基準法の省令改正に伴い、従来の口座振込に加えて、厚生労働省の指定を受けた資金移動業者が提供するサービスへの給与支払いが認められることになったというものです。
つまり、いわゆる電子マネーやスマホなどの決済アプリなどを利用して給与振込をすることができるようになったわけですが、そもそもの背景について少し触れておきます。
日本のキャッシュレス決済事情が要因?
唐突ですが、日本のキャッシュレス決済比ってどれくらいだと思いますか??
個人的にはクレジットや電子マネーを使うのが主流で、ほぼキャッシュを使う頻度って無いもんで、自分でも調べてみてびっくりだったのですが、日本のキャッシュレス決済比率は凡そ全体の20~30%と言われているそうです。
ちなみにお隣の韓国では、なんと約90%!!イギリス、中国では約70%、アメリカでも約50%と言われているようなので、諸外国と比べても日本はまだまだ低い水準なんだなぁと感じます。
いきなりキャッシュレス決済の話をしましたが、実はこちらが今回の給与のデジタル払いにも関係しています。
日本ではキャッシュレス決済比率を2025年までに40%まで引き上げることが、政府の目標として出されているようで、給与支給自体をデジタル払いにすることで、キャッシュレス決済をより普及させることを狙いとしているようです。
ちなみに、キャッシュレスを普及させたい理由は、インバウンド需要への対応や現金を管理すること自体のコスト削減、実際の購買シーンにおける工数削減などがあげられます。
そんな政府の目論見もあり、今回開始する給与のデジタル払いですが、簡単にメリット、デメリットについて整理してみます。
デジタル払いのメリット
・振込手数料を削減できる
資金移動業者への送金にかかる手数料は、銀行振込と比べて安い傾向にあるため、振込をする事業主の立場からすると、手数料費用を削減できる可能性が高いです。
・銀行口座がなくても給与支払いができる
これまでは外国人労働者など、特別な事情により銀行口座を持っていない人には、現金で給与をお支払いする術しかありませんでしたが、今後は銀行口座が無くても、現金以外の手段で給与を払うことができます。日雇い労働者、アルバイトなどの非正規労働者に給与を支払う場合も、利便性があるかと思います。
・会社のイメージUP、福利厚生の位置づけ
多様性があるという意味で、他社との差別化のアピールポイントになりやすいと思います。また、デジタル払いされた給与をそのまま電子マネーや決済アプリで活用することで、キャッシュバックやポイント還元といったメリットを享受することにも自然とつながります。
デジタル払いのデメリット
・口座入金額の上限の問題
資金移動業者へ入金できる金額には限度があり、上限が100万円までとなるため、高額な給与の場合一括で入金ができない可能性があります。
・企業側の実務担当者の負担増、導入に向けたコスト
デジタル払いは会社としての制度・運用化が必要となりますし、そもそも希望者にだけ対応する形となるため、従来の銀行振込(あるいは現金支給)と併用して対応する必要があります。担当者の立場からすると二重運用にもなるため、単純に業務負担が増えることが見込まれるでしょう。
また情報連携における安全性なども考慮した上での新たな運用スキームを構築するにあたってのコストも発生します。
・現金化の手間が増える
本末転倒な話ですが、現状公共料金の支払などに対応できていない電子マネーなども多く、いざ振込をするとなった場合や現金が必要になった場合など、都度現金化する手間が発生することになります。
最後に
今年の4月より法施行されるデジタル給与払いですが、個人的な感覚としては導入に伴う管理工数の増加を懸念されている企業も多く、全体的に消極的な印象ではあります。
とある企業様向けのアンケート結果によると、40%くらいの企業は検討はするものの、明確に導入を進めようとするところには至っていないというところが大半のようです。
ある程度従業員側がメリットを享受できるようなものであれば、より前向きな検討も進められるのかもしれませんが、その辺は今後の法整備やキャッシュレスの普及状況などが鍵になりそうですね。
ということで、本日はこんなところで。
そして毎度ですが、Twitterもやっているので、ご興味ある方はそちらのフォローもお願いします!!
それでは!
○●━━━━━━━━━━━・・・‥‥……
執筆 WaCCaの人
Twitterアカウント WaCCaの人
ホームページ 株式会社WaCCa
……‥‥・・・━━━━━━━━━━━●○
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?