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嘘日記

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全部嘘で日記を書いています。 日記をまともに書いてこなかったので、体裁として日記になっていない部分が弱点です。 1000文字程度の短いストーリー集としてお楽しみ下さい。
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噓日記 6/20 ギターと暑さとふるさと

噓日記 6/20 ギターと暑さとふるさと

ギターを掻き鳴らしている。
数年前に手慰みに買ったアコースティックのミニギターがこんな蒸し暑い晩にはよく似合う。
高校時代にギターと出会い、それから真面目に練習するわけでもなく20個程度のコードを適当に紡ぎ続けてきた。
ウイスキーの水割りを傍に、適当にジャカジャカと弦を震わせる。
音楽理論もまともに知らないので、このコードの次はこのコードがあったら気持ちがいいなと試行錯誤を重ねながら、時折思い出し

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噓日記 7/15 アイスクリームシンドローム

噓日記 7/15 アイスクリームシンドローム

暑いったら暑い。
別にエアコンの効いた室内にいるので今日は暑さを感じるような時はついぞ無かったが、夏なので言っておく。
暑いったら暑い。
こんな日にはアイスクリームでも齧りながら、興味もないテレビを視聴するのが一番丁度いいのだ。
買い溜めていたアイスクリームを冷凍庫から取り出して、ガリガリと齧りながら日常を貪る。
夏だなぁという認識が生活を少し華やかに、そして生活に少しだけ季節感を与える。
夏とい

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噓日記 5/9 洒落っ気

噓日記 5/9 洒落っ気

say 小納言。
殺してくれ。

つまらないことを言うとつまらない人間だと思われる。
頭の中では誰にも負けない面白いもの、楽しいものが浮かんでいるはずなのだ。
ただ、それを言葉にして誰かに伝えようとする度に私の言葉は陳腐になっていく。
枝のように細ったユーモアは誰の胸も打たないし、だれの心にも染み入らない。
誰かを笑わせたい、そしてそれを見て自分も笑いたい。
そんな気位だけは人一倍あるのにその理想

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噓日記 5/3 ストレスと奇声

噓日記 5/3 ストレスと奇声

私はストレスが溜まると奇声を発する。
体の中に溜まったストレスをそのまま奇声と共に吐き出すのだ。
この日記は後に奇声に迷うことがあった際に読み返すための備忘録である。
奇声にはルールがある。
それはストレスの種類にもよるが、その最適を自分の中で自然と選択し、声として表す。
その際のラグを減らし、自分のストレスを即座に掻き消す必要があるのだ。
五十音の中で最適なタイミングを記す。

驚いた時
あ、ま

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噓日記 7/20 童心を取り戻す作業

噓日記 7/20 童心を取り戻す作業

大人になるたびに何かを諦めることに慣れてしまう。
子どもの頃に悔しくて泣いていたことだって、今はグッと飲み込んで表面上だけ笑って見せられる。
それを強さというのか、それとも弱さというのか、私には分からない。
ただ、自分の思うままに笑い、自分の思うままに泣けたあの時の私は今よりもずっと何かを諦めなかった。
何かに挑み続ける気概とそれをやり抜く負けん気があった。
それらが今の私には足りていない。
諦め

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噓日記 7/19 渋沢栄一が敬った男「伊藤博文」のビジネスで使える格言

噓日記 7/19 渋沢栄一が敬った男「伊藤博文」のビジネスで使える格言

んなもんねーよ!!!!!!!
何でもビジネスに使うならバカタレ(笑)
タレバカ(笑)
ガキデカ(泣)
この世の万物をビジネスに転用しようとすな!
ということで昨今のビジネス偏重の風潮に一石を投じるどころか、でっけぇでっけぇカタパルトで殺生石をぶち込んでやりたい俺がいます。
けど本当は惚れた女の前じゃ優しくなれない俺もいます。
さて、本題ですがビジネス書を読んでる奴、彼ら、言葉は悪いけどアレです。

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噓日記 7/18 拳という単位

噓日記 7/18 拳という単位

拳という単位についてかねてより疑問があった。
拳一つ分という、まぁいい加減な大きさを表す表現が常態化している事については今更槍玉に挙げるほど狭量ではない。
大抵の人間の拳の大きさなど誤差こそあれどイメージとして既に市民権を得ているものだ。
その拳を元にした大きさの表現についてだが、最近はよく赤子の拳という表現をよく目にする。
まだ拳大という表現と比較すると一般化していない表現だが、小さくもそれなり

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噓日記 7/17 神の苦悩

噓日記 7/17 神の苦悩

人は死んだら21g軽くなると言われている。
それが魂の重みなのだというロマンチックな言葉がよく囁かれているのだが、私には自負がある。
私が死んだら多分46g軽くなる。
常人がマックナゲット1個分軽くなるのと比較して、ナゲットソースを追加した分くらい軽くなると予想している。
いうなればSサイズのゆで卵が私の魂の重みだ。
それは何故か?
それは魂の純度が他人よりずっと高いと私が私自身の魂に誇りと自負を

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噓日記 7/16 一目惚れ

噓日記 7/16 一目惚れ

退屈な日には一目惚れをするようにしている。
ショッピングモールに出掛けては、敷地内を闊歩してそこで様々な人々とすれ違う。
そこで素敵だなと思う人を見つけ、素敵だと思った理由を自分の中でちゃんと決める。
顔立ちが好きだとか、歩き方が綺麗だとか、笑顔が優しいだとか。
様々な理由をこじつけては誰かを好きになる理由をつけていく。
これは他人の長所をファーストインプレッションで見極める能力の育成でもある。

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噓日記 7/14 差別と寛容のパラドックス

噓日記 7/14 差別と寛容のパラドックス

昨今のLGBTQ、ポリティカルコレクトネスについての動乱を見守っていると、寛容のパラドックスという言葉が思い浮かぶ。
寛容のパラドックスとは、社会が無制限に寛容であったとするとその寛容性は不寛容により破壊されると言うパラドックスである。
つまるところ、このパラドックスを簡単に解釈するならば寛容な世界を維持するならば不寛容に寛容でいられず、寛容な世界は寛容ではないという矛盾を持つということになる。

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噓日記 7/13 Twitterの動き

噓日記 7/13 Twitterの動き

最近Twitterで感じた動きの変化について。
Twitterは昨今の騒動で大きな波乱に満ちていたのだが、その最中でアフィリエイトアカウントや情報商材アカウントたちの戦い方にも変化が現れている。
過去には伸びているアカウントを買う、相互にいいねフォローし合う、トレンドワードをツイートに無理やり捩じ込んでインプレッションを稼ぐ、などなど様々な施策を仕掛けてきた彼らだが、最近ではそんな動きは鳴りを潜め

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噓日記 7/12 夏の暑さの乗り切り方 2023決定版

噓日記 7/12 夏の暑さの乗り切り方 2023決定版

夏の暑さも本格化し始め、全国でも熱中症の患者が増えていると聞く。
中でもエアコンを使わないせいで夜、気付かぬうちに熱中症になってしまったという方が特に多いそうだ。
今回はそんな熱中症の恐ろしさと医療現場の逼迫を危惧し、夏の暑さを乗り切る方法を認めておく。
まず、何故こんな気温になってまでエアコンを使用しない人間がいるのかを考察し、そこからその対策を考えていきたい。
エアコンを使用しない人々が恐れて

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噓日記 7/11 インプリンティング

噓日記 7/11 インプリンティング

今日、息子からいじめというかその芽のようなものに悩んでいると告白された。
なんでも学校での授業中、ちょっとした誤答がありそのことを一日中いじられたらしい。
私の世代の感覚でいうとなんてことない日常の一コマかとも思ったのだが、今の子はそういった悪意と悪戯心の見分けが付きにくいのかとも思うし、そこに対する対処法なんてものもまだ身についていないのだろう。
自身に向けられる感情への機微が、敏感がゆえにその

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噓日記 7/10 記念ライブやります

噓日記 7/10 記念ライブやります

記念ライブをしたい。
何の記念かといわれたら何の記念でもないのだが、記念ライブを開催したいという思いだけは長年溜め込んで生きてきている。
この世には二種類の人間がいる。
記念ライブを開催できる人間と記念ライブを開催できない人間だ。
俺は可能なら開催できる人間サイドに立ちたい。
記念ライブだから見にきてね〜と客を呼び、祝ってもらう立場にも関わらず暴利を貪ることが許されるのはもはや厚顔無恥のその先、悟

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