どこへ行っても中華がうまいから神戸なのだ
今も続く昨晩からの突風で、眠れない夜を過ごした。
ベランダ菜園のオクラはなんとか無事だ。
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神戸三宮の餃子屋〈満園〉をご存じだろうか。
神戸の餃子は何度か紹介してきたが、この満園もこれ以上なく餃子屋なのに、一番人気はなぜか蒸し鶏という店。
満園は三宮センタープラザ西館にある。
三宮駅前ながら今なおごみごみしたエリアで、日本最大と称された戦後の闇市があったあたりだ。
戦後の三宮闇市
満園はその一角に位置する。
狭い店内席もあるが、歩道への張り出しが台湾の屋台を彷彿とさせる。
その雰囲気が分かる写真は手元になかったので、ネットから借りた。
いつ行っても満席の超人気店なので、予約がオススメ。
予約を入れていても席が確保されていない場合も多いが、そこは中国人スタッフが上手に捌いてあっという間に席が作られるから心配いらない。
もちろん先客を横に押しのける荒技なのだが、そもそもがこんな屋台風のしつらえだから、勝手知ったる先客ばかりでトラブルにもならない。
みんな仲よしなのだ。
餃子より人気の蒸し鶏。
生姜のきいたネギソースが鶏のうまみをさっぱりと引き立てる。
オーダーと同時に出てくるスピードメニューで、大半の客が注文。
1人では食べきれないボリュームで500円。
お待ちかねの餃子。
さすが餃子屋、薄皮の餃子はしっかり焼かれ、餡はもちろんジューシー。
6個で260円。
牛肉のピリ辛炒め。
この照りでうまくないわけがない。
豪快なピーマン、セロリの存在感も楽しめて700円。
これまたファンの多い、特製麻婆豆腐。
花椒がネギの下にどっさり潜み、痺れまくるので、苦手な人は要注意。
え? なんで? の590円。
エビチリソース炒め。
甘辛ソースで食べるプリプリのエビは、非の打ちどころがない。
まさかの650円。
〆は炒飯。
おいおい、このボリュームでこの価格? とビックリさせておきながら、食べて再びビックリ、めっちゃうまいやないか…
軽く3人前はあるのに600円。
とにかく安くてうまくてボリューミー。
ちなみに1000円を超すメニューは一つしかない。
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神戸は中華の街。
観光で神戸に来たらきっと中華街の〈南京町〉に吸い込まれるだろう。
ただ、南京町には観光客相手のお高い商売をやっている店もあって、安くてうまい店を見つけるのは観光客には難しい。
南京町でなくとも、神戸は街のいたるところに小さな中華料理店がある。
むしろそんな店すらうまいというのが中華の街たる所以ではないだろうか。
そうそう、せっかく三宮の満園に行ったのに満席で入れなかったら、元町や神戸にある満園の支店に足を伸ばすのもいいが、もっといい裏技がある。
この満園からすぐの、JRの高架下にある〈豊味園〉へ行くといい。
満園で修行し独立した義弟がやっている中華食堂だ。
蒸し鶏も餃子も満園以上に満園だ。
どこへ行っても中華がうまいから神戸なのだ。
(2022/6/24記)
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