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休職記録

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仕事に行けなくなってからの備忘録
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#適応障害

半月経って

社会に出て10年の間、こんなにも虚無な長期休暇を過ごすのは初めてで、そろそろ何をしていいか分からなくなっている。もちろん生活リズムは崩れ、深夜に眠り昼過ぎに布団から這い出ることが増えた。

なるべく人と会うようにしているものの、このままではいけないと思い、仕事に関連する外部研修にいくつか申し込んだ。

実際に研修に出向いてみたら、新しい景色が見えてきた。知らなかったこと、知っているつもりでもまるで

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責任

三日目の朝。

予約した心療内科に行くため早起きをする。都会の狭いビルの一角にあるクリニックは診察室や待合も簡素な作りになっていた。

簡単な心理テストを受けたあと、すぐに順番が来て診察室へ向かった。

事前に心療内科にかかることになった経緯は伝えていたので、診察はスムーズにすすんだ。

仕事に行けなくなったことや、人間関係が主な理由であることを伝えると、先生は静かにうんうんと相槌を打った。

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蝕む

ある朝、目が覚めた瞬間に「あ、無理だ」と確信した。これは多分、寒さのせいでもなんでもない。鬱々とした気分がまぶたを重くさせる。

スマホのアラームを止めて布団をかぶる。トトトトとラインで適当に打った文章を上司に送り、しばらくして「了解しました」という簡潔な返信が来た。既読だけをつけてそのまま布団で2時間ほど過ごした。

8時を回った頃に一応職場に電話を入れた。私は腹痛というありきたりな理由をつけて

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