アッシジの春祭り
一昨日、はっ!と気づきました。 今、カレンディマッジョの時期じゃない?!と。
カレンディマッジョとは、アッシジの春のお祭り。
5月の最初の木金土曜日に行われますが、昨年は中止になりました。今年は?と、検索してみたら、5日から8日と書かれているサイトがあったけど、、、
聖フランチェスコ大聖堂前と、コムーネ広場にあるライブカメラをyoutubeで見ても、人があまりいないし、広場に組まれる鉄パイプの観覧席も見当たらない。いろいろ検索してみると、どうもやはり今年も中止になったように見えます。
残念ですが、人が集まるお祭りはやはりまだ難しいのでしょう。
私は語学学校に通っていた96年に、このお祭りに少しだけ参加したことがあります。そしてアッシジに最後に行った2001年には観覧席のチケットを買って、撮影しました。
祭りでは、町は上地区(パルテ・デ・ソープラ)と下地区(パルテ・デ・ソット)に分かれて、さまざまなことを競います。中世の時代、アッシジでフィウミ家とネピス家という2つの貴族の家が敵対してきたことに拠るのだそうです。
それぞれシンボルの旗があり、塔から水が流れる赤い旗が下地区、動物がシンボルの青い旗が上地区です。私は下地区に住んでいたので、パルテ・デ・ソットに親しみを感じます。
町の人たちは中世の衣装を着て、町中では古楽が流れたり、ドラムの音が響きます。
観光客が主に見られるのは、コムーネ広場で行われる行列や出し物、夜はコーラスや、火を使ったパフォーマンスなどです。
下地区パルテ・デ・ソットの旗
上地区、パルテ・デ・ソープラの旗です。以前はあまり意識しなかったけれど、今はカリグラフィー(文字)が気になります。
典型的な貴族の衣装
はずかしいので小さいサイズでアップします。一人だけ「平たい顔族」(笑)です。大家さんに服を貸していただいて(ピンクの服の子も同じ家の留学生でブラジル人)、夜のイベントに連れて行ってもらいました。
この写真を撮る前、ここのお宅でワインやらパンを皆さんでつまんでいました。ご近所さんなのだけど、知らない人ばかり。でも、みんながこんな格好で、食卓にパンとワインが乗っている情景を見たら、中世の絵画の中に入ったようでした。
夜、町の中を移動しながらのお芝居があって、それを審査員が見て審査するそうなのですが、その区域には中世の格好をしていないと入れません。
建物自体は昔のままなので、家々の中の電気は消され、道にはロウソクが置かれます。中世の工房やらお店やらが再現されて、その一帯が芝居の舞台になるようです。
自分たちがいるところにお芝居の人たちが回ってくるのは、ほんとに一瞬なのですが、状況がよくわからないまま、外にしつらえられた食堂のようなところに座って待っていると、ケンカする人たちがなだれ込んできて、いちおうエキストラ(?)として参加したようです。
わりと待ち時間が長かったのですが、まわりが兵士だとか、中世の市民だとかの格好をしていて、街灯もすべて消され、ろうそくの火だけなので、いま自分は本当に中世にいるのかと錯覚するようで、歴史好きとしては得難い時間でした。
いまはyoutubeがあるので、動画もいろいろアップされて、日本にいながらにして様子が見られるのが有難い。むしろ現地にいても見られないところも見ることができます。
この動画2019年のようですが、聖フランチェスコ大聖堂の中で、おそらく祝福を受けているのだろう場面があります。
10分くらいから大聖堂の中に入っていきますが、ジョットの連作フレスコ画、聖フランチェスコの生涯が、バックに見えます。一枚がかなり大きそうなのがわかると思います。いつもは薄暗いのですが、けっこう明るく見えていて、美しい天井画も一瞬ですが、見えます。
禿げている部分は、1997年のウンブリア地震の時の崩落部分ですね。
来年は開催できるでしょうか。一年後、世界がもう少し落ち着いていることを願います。
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