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はりぼての健康とホンネ

思考力が落ちているのか、頭の中ががらんとしている。
何かを考えようとしてもうまく考えられない。
考えていることを文章におとすのがこんなにも大変だと思ったのは初めてだ。

休憩を兼ねて糖分を補給する。
食欲はないのに、お腹はすく。
眠れるのも食べられるのもお薬のおかげ。

皮肉なもので、お薬がちゃんと効いていればそれなりに健康的な生活はおくれる。たとえそれが人工的に作られた健康だったとしても、不健康な状態に陥るよりはずっといい。そう思って、おとなしく服薬を続けている。

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伯父からの電話をとったら、やんわりと無心をされたのでこちらもやんわりと断った。返せない額の借金を負うと、数万円くらいの価値は下がってしまうのか、ないに等しいと言う。こちらからすると、それだけのお金があれば十分に暮らせるのに、と思うが、そうは思えないらしい。

哀れなことだと思う。
家族に対して使う言葉ではないかもしれないが、哀れだ。
もっといくらでもやり方はあっただろうに、と思わずにはいられない。

もう少し私が賢くて、大きかったらこんな風になる前に防げたかもしれないのに。母の時もそうだったが、伯父に対しても同じように思う。
私の母は、ありとあらゆる詐欺やマルチ商法に引っかかるタイプの人間で、総額にしたら伯父の借金と変わらないくらい騙されている。

私にもう少し知識と力があれば、と何度も後悔した。
伯父に対してもそうだ。
もう少し早くこの実情に気づいていれば、せめて数年前伯父が入院したときにあと一歩踏み込んで話をしていれば。
今のような状態にはなっていなかったかもしれない。

犯人を探しても仕方がないし、これはたらればの空想だとわかっているけれど、自分を責める気持ちがむくむくとわいて止められなくなる。
その事実があまりにも辛くて、家族でいることすらきつい。
どうせなら何も知らず、何も関与せず生きていきたかった。

会いたいと言われるたびに胸が痛む。
私も、と答えられないことが痛くて苦しい。



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小春ゆら
そのお気持ちだけで十分です…と言いたいところですが、ありがたく受け取らせていただいた暁にはnoteの記事に反映させられるような使い方をしたいと思います。