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とにかく早く帰りたい

ある職場は街の中心地にある。
その職場で働くことが決まったときには,帰りにショッピングしたりカフェに行けたり楽しそうだなと思っていた。

ところが,この職場だけでなくどこで働いた日であっても,仕事が終われば即,帰りたいのだ。私は一人暮らしで待っている人もいないし,急いで帰らないといけない理由なんてない。けれど,仕事が終わるや否や1分でも早く帰ろうとなぜか急いでしまう。

不思議だ。
こんなにぎゅうぎゅうの電車に詰め込まれなくたって,駅ビルで1時間くらい時間を潰せばのんびり帰れるというのに。その時間だったら,もしかしたら座れるかもしれない。カバンをぎゅっと抑えて,息さえもひそめないと立っていられないような状態だというのに,早く家に帰りたいと思う。

いつもより数分でも早く帰れたらとても嬉しい。
なんだか得したような気分で,アイスを頬張ってみたりすることもある。けど,よくよく考えたら早く帰ったからといってどうというわけではないのだ。家で特別なことをするわけでもなく,強いていうならのんびりする時間が少し増えるくらい。

家にいるのが特別好き,というわけでもないのだ。
外に出て,ふらふら思いついたままに歩いたり,行きつけのお店を作れたら楽しいだろうなと思ってはいる。でも,実行に移せていない

なんでなんだろう。考えてもわからなかった。
ただ,これはあの感じに似ている。

仕事の休憩中,今日は仕事終わったらあれしようこれしようと頭の中でやりたいことが沢山浮かぶことがある。その時は本当にしようと思っているのに,いざ家に帰ってみると何もする気になれず,ソファに倒れこんでぼーっとしているあれ。

やろうと思えばできたはずなのに,全然やる気にならない。
あの感覚と似てるな,と思う。

疲れていると言われればそれもあるとは思うが,そんなに疲れていない日でも同じなのだ。とにかく早く,いつもより早く帰りたい。それだけのために,満員電車でも躊躇なく乗れている。どちらかといえばそれで疲れている感じがしなくもない。

物は試しということで,今度その職場に行く日は帰りにカフェによってみようと思う。もしかしたら何で早く帰りたいのかわかるかもしれないし,逆にいつもと違う帰り道もいいと思えたら,時々は寄り道して帰る日を作ってみるのもいいかもしれない。

そう考えたら次の勤務が楽しみになった。

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小春ゆら
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