やっぱり怖い
頭がいたいとか、口内炎がしみるとか。
そういうのって、先に言ったもの勝ちみたいなところがある。
後出ししても心配されないし、むしろ不幸の横取りをした悪いやつというような雰囲気まで醸し出されることもあるので、基本的には体調不良を人に言わないことにしている。
無理しないでね、と言ってもらえるのはすごくありがたい。
その一方で、あなたしかいないからという重圧ものせられている。
この大いなる矛盾に、どうしたらいいのか分からなくなってしまう。
一人でできることには限界があって、吐き出す場があることが重要だとプロに相談したときに言われた。特に介護はうちに溜め込んでしまう人が多いから、話すだけでも楽になると。
それは本当にその通りで、当事者同士の家族でさえ分かり合えないので、話す相手がいなくなる。そして気力も体力もガリガリ削られるので、もはや話す気にもなれない。
そうして家族そのものが弱っていく。
恐ろしいなと改めて思う。
自分には関係ないと言えたら楽になるのかと思うこともあるけれど、性分的にそんなことは言えなくて、むしろ自分を苦しめることになるとわかっている。皆で同じ方向を向きたかっただけなのに、血が繋がっているというだけで、別の人間であるということを、つい忘れてしまうのは私のよくない癖だ。
放っておくとゴミ屋敷になってしまう家と、どんどん老いる家族を前に、本当はわーっと声をあげて泣き出したい。私には無理だと弱音もはきたい。
けれどそんな場はなくて、『キーパーソン』という何やら仰々しい名前まで貰ってしまった。
腹を括ったつもりだった。
けれど、やっぱり怖いものは怖かった。
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