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真っ暗なお風呂

今夜もお風呂の電球は切れたまま。
ELDの電球が主流になってから、電球の寿命と出会うことがとんとなくなった。それなのに我が家のお風呂はもう何日も前から真っ暗で、電球を買い替えないといけない。

電球を変えるという大事なミッションがあるにも関わらず、それ以外の優先されるべき事項に押されてすっかり後回しにされている。まぁお風呂なんて少々暗くても入れるし、とか、洗面台の電気をつけていればそんなに暗くないし、とかそういう言い訳を考えるのだけはうまくなった。

お風呂が真っ暗なことよりも、伯父の折れ曲がった指や粉がふいた肌の方が気になる。私もなんだかんだすっかり家族のことばかり考えているなぁ、としみじみ。

美味しいものを食べて、お風呂にゆっくり浸かって、いっぱい寝ると元気になりますよと教えてくれた人がいた。至極真っ当で健康的だなと思う。
それをするだけの元気と時間があればそうしたい。
でもそれができないから、こうなっているのだと。

病院で病気が治れば健康になれますよ、と言われた気分だ。
そんなことは百も承知なのだと思う捻くれた自分と、優しい言葉を嬉しく思う自分がいる。どちらの私もどうにか自分を守ろうと必死なのだと思う。
人の優しさを受け取れなくなったら終わりだとも思う。

車の中には家族の荷物がこれでもかと積み込まれている。
これがすっかりなくなったときには、自分らしい生活を取り戻せるだろうか。自分の人生の手綱は手放さないとかなんとか、かっこいいことを言ってみたが、実際のところギリギリだ。
他人を生かすために生きているような感覚に陥ることも多々ある。
こんな状況だからそれも仕方ないかと思う自分もいる。

多分、今の私は冷静な判断ができない。

♦︎

リストに書き切れないことのやることの中に、電球を買って付け替えるも入っている。でも優先順位は下の方だ。家族を生かすことと、明るいお風呂に入ること。天秤にかけたら圧倒的に前者が優先。そんなこと、わかりきっている。

台風が過ぎ去れば平穏になる。
病気が治れば健康になる。
やまない雨はない。

そんな言葉に励まされたり、苛立ったりしている。
我ながら面倒な性格だ。

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小春ゆら
そのお気持ちだけで十分です…と言いたいところですが、ありがたく受け取らせていただいた暁にはnoteの記事に反映させられるような使い方をしたいと思います。