結局八方塞がり
秋らしい気候には、秋らしい装いを。
ついでにメイクにも秋カラーを取り入れる。
ちょっとしたことだが、少し意識するだけでなんでもない毎日がちょっとだけ色づくような気がする。何より、自分の中でそうやっておしゃれを楽しむ心が残っていたことが嬉しかった。
と思ったのも束の間。
八方塞がりとはまさにこのことだという状態を目の当たりにし、心も体も疲弊している。運転するのもやっとで、事故を起こしてはいけないという一心だけで帰ってきた。伯父が私より疲れた表情を見せることが許せなく思えるくらい、余裕がなくなっている。
伯父が言っていることはわがままでしかなく、皆が何かを我慢して生きている中、何も我慢したくないというのが本音らしい。ずるい。本当にずるいと思う。そのせいで、一体どれだけの人に迷惑をかけていると思っているのか。少なくとも私は自分の人生の終わりを覚悟するほどに、迷惑をかけられている。
保護者でもないのに、色々なところについて行き、必要であればかわりに説明をして、説明を聞く。これまでの惨状について伯父がしどろもどろに話す様子はみていられるものではなく、これじゃあいつまで経っても平行線なはずだ、と納得することも多かった。
とはいえ、これを私が仕事の休みをとってまでやることなのだろうか。
そのことを責めても、ごめんと言うだけ。
あまり言うと、怖い、すぐ怒る、と逆に言われてしまう。
そんなこと言われたら、もう立つ瀬がない。
もう伯父に会いたくない。
伯父のお金の問題や、今後のことを考えただけで心がザワザワする。
それなのに、伯父とお金がらみの予定はどんどん埋まっていく。
嫌だ嫌だと思っているのに、もっと困ったことにならないようにと生真面目な自分が出てきて、話を前に進めようとしている。
もうやめておきなと言われても、動き出したトロッコに乗っている以上、飛び降りるにも怪我は免れないだろう。逃げても逃げなくても地獄しか待っていないのだ。ただの介護ならまだしも、好き勝手に生きた人の尻拭いをすることになるとは思わなかった。
このままどこか遠く、誰も知らないところに行きたい。
名前も変えて、全ての人間関係をリセットしたい。
そうしないと、私に関わっている人にも迷惑をかけてしまうかもしれないから。
そうできるだけの勇気と行動力、そして冷静な思考力がないことに涙も出ずにいる。