松木知徳/社会福祉法人仙萩の杜 理事長

仙台市内で知的・発達障害のある方の支援事業を運営する社会福祉法人の代表とともに2つの経営大学院で非常勤の教員をしています。個人の成長を信じながら福祉の世界に科学的アプローチを導入し、地域社会との協働による新たな支援の在り方を目指しています。博士(工学)、社会福祉士。

松木知徳/社会福祉法人仙萩の杜 理事長

仙台市内で知的・発達障害のある方の支援事業を運営する社会福祉法人の代表とともに2つの経営大学院で非常勤の教員をしています。個人の成長を信じながら福祉の世界に科学的アプローチを導入し、地域社会との協働による新たな支援の在り方を目指しています。博士(工学)、社会福祉士。

最近の記事

応援される側からする側へ!ー合唱サークル「ぴぁま〜る」の成長ー

当法人には「ぴぁま〜る」という合唱サークルがあります。みんなが知っているJポップを中心に練習会を行い、今では多くの利用者さんが参加してイベントでも発表しています。年齢も10代から70代まで、合唱経験も障がいも様々ですが、それぞれのペースや思いで日常とは異なる活動を楽しんでいます。発表の場があることが、ぴぁま〜るやメンバーの成長に大きな力を与えています。 はじまりは「運動不足」や「ストレスの解消」 ぴぁま〜るは、NPO時代の2009年に遠見塚にある小さな事業所の余暇活動とし

    • 重い障がいがあっても「工賃を稼げる」事業所へー地域連携でつくる野菜マルシェ

      私は生活介護事業所「まどか西中田」の施設長を兼務しています。生活介護は一般的に就労継続支援事業所よりも障がいが重く、終日の工賃を稼ぐ生産活動が難しい方が多く、レクリエーションなどを主に一日を過ごしていただくことが多い事業所です。 しかし、他の就労支援事業所で生産活動を行っている利用者様を見ながら、自分で稼いだ工賃で何かを買ったり、楽しんだりすることは誰にとっても「いきがい」になるはずだと思うようになりました。既存の業務に利用者様を合わせるのではなく、「まどか西中田の利用者様が

      • 足りないピースを埋めるのは組織を超えるチームづくりー地域福祉ラボの創設ー

        理事長に着任してから1年が経過した頃、直近に取り組むべき課題と将来に向けて準備をするべき課題の両方が少しずつ見えてきました。特に後者に取り組むためには、将来の福祉を見据えた新しい組織の立ち上げが必要となると確信を持ちました。今回はこのテーマについてお話します。 日常の事業運営をする中で強く感じたことは、福祉事業の一つひとつは様々な関係者(ステークホルダー)によって成り立っているということです。以下は私がよく使用しているネットワーク図です(下図)。実際に一人の利用者の支援には

        • 非日常のイベントがチームに与える影響ー楽天イーグルス観戦招待ー

           仙台宮城野ロータリークラブ様から法人の利用者様、保護者様、職員を招待いただき、9/14の東北楽天イーグルスと北海道日本ハムファイターズの野球の試合を観戦してきました。当日は午前中から雨天となりましたが、試合時間になると、時たまパラパラと小雨を感じる程度で最後まで天気が持ちこたえました。前後の日が大雨だったことを考えると暑くもなく幸運に恵まれた日でした。試合は両チームともに激しい打ち合いにあり、9回裏まで緊張感のある試合でしたが楽天イーグルスが7ー5で勝利し、スタンドは歓喜に

          組織人事コンサルタントが社会福祉法人の理事長になってみたら「伸びしろ」しかなかった。

           2022年の10月に、私は社会福祉法人仙萩の杜の理事長を、創業者である親族より継承しました。当法人は、宮城県仙台市にて知的・発達障がいのある方々(以下、利用者様)を支援する施設を運営しており、100名を超える利用者様と50名以上の職員が在籍しています。私たちの施設では、主に4つの「就労継続支援B型事業」があり、一般企業での就労が難しい方々が職員の支援を受けながら生産活動を行い、工賃(収入)を得ています。また、「生活介護事業」では、日中活動の支援を行い、レクリエーションなどを

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