応援される側からする側へ!ー合唱サークル「ぴぁま〜る」の成長ー
当法人には「ぴぁま〜る」という合唱サークルがあります。みんなが知っているJポップを中心に練習会を行い、今では多くの利用者さんが参加してイベントでも発表しています。年齢も10代から70代まで、合唱経験も障がいも様々ですが、それぞれのペースや思いで日常とは異なる活動を楽しんでいます。発表の場があることが、ぴぁま〜るやメンバーの成長に大きな力を与えています。
はじまりは「運動不足」や「ストレスの解消」
ぴぁま〜るは、NPO時代の2009年に遠見塚にある小さな事業所の余暇活動としてスタートしました。当時は、利用者さんの運動不足やストレス解消を目的に、小さな事業所の部屋に15人ほどのメンバーや職員が集まり活動していました。利用者さんにとって、普段の就労や家族と過ごす休日とは異なり、仲間と楽しく時を過ごせる貴重な機会です。また、保護者の方が週末にご自身の時間を持てるよう支援することも、余暇活動の重要な役割です。
音楽イベントへの参加で得られる「達成感」
「本番」があることはモチベーションを保つ上でとても大事なことです。目標となる場があることで、「観客によい演奏を聴かせたい」「みんなで元気に歌いたい」という気持ちが前向きなエネルギーになります。仙台には色々な音楽イベントが開催されており、ぴぁま~るとして発表する機会を増やしていきました。以下は毎年参加している音楽イベントです。
参加している主な音楽イベント(2024年度の会場)
6月: とっておきの音楽祭(勾当台公園)
7月: 若林区合唱のつどい(仙台市若林区文化センター)
9月: 宮城野うたまつり(宮城野区文化センター)
10月: 福祉まつりウエルフェア(勾当台公園)
11月: みやぎの・まつり(榴岡公園)
イベントでは他の音楽団体も参加し、様々なパフォーマンスを行うために練習を重ねています。観客も様々で初めて聴いて頂く方も多いため、本番は普段の練習にはない緊張感があります。だからこそ、演奏前の練習にも力が入り、何より終わった後の達成感に繋がります。
ユニフォームでつくる「一体感」
本番の際にはおそろいのユニフォームを着用します。黄色のポロシャツは地元の企業様からご寄付いただいたもので、混雑する会場でもぴぁま〜るのメンバーをすぐに見つけられます。もう一つのユニフォームは、2021年の東京パラリンピックの採火式を仙台の代表として行った際に作成した黒のハッピです。この2つのユニフォームを、イベントに応じて使い分けています。スポーツチームや学校の制服のように、全員が同じ格好で協働することで一体感が生まれます。
プロの指導で得られる合唱の「楽しさ」
ぴぁま〜るの発足時から、仙台のボーカルグループ「the voice of LOVE」のリーダーである猪狩大志先生に合唱指導をお願いしています。プロの指導を受けることで、歌う楽しさがより深まります。練習会では発声練習からスタートし、利用者さんの反応を見ながら選曲したり、CDや生伴奏を用いるなど、常に楽しく歌える工夫をいただいています。
応援される側からする側へ!合唱サークル「ぴぁま~る」の成長
先日、運営法人の後援会から譜面台を寄贈していただきました。長年使っていると、ねじが緩んできたり、重心が曲がったりします。新調された譜面台は風にも強く合唱に集中することができます。また、イベントを主催する行政や地元企業そして観客など多くの方々がぴぁま~るやメンバーの成長を応援してくださっています。
しかし、現在では、ぴぁま~るが誰かの応援をしたり、歓迎したりする機会も増えています。毎年、4月には入所式というイベントがあり、先輩たちが正装をして歓迎の歌声で新入所者を迎えます。歌声には迫力があり、温かみを感じるものになっています。
また、昨年には、韓国の障がい者オーケストラの団体が仙台公演を行う前日に事業所「まどか」で演奏に来ていただきました。お礼としてぴぁま~るの一部メンバーで合唱のお礼をしたところ、とても喜んでいただきました。他の合唱イベントでも「とてもよかった!」「元気をもらえる」という声もいただくことがあります。
ぴぁま~るのスタートは運動不足やストレスの解消でしたが、多くの方々に応援いただきながら練習と本番を積み重ね、今では誰かを喜ばせたり、感謝を伝えられる合唱サークルになってきました。もっと多くの方にぴぁま~るの演奏を聴いていただけるように取り組んでいきたいと思います。
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