歌と随想 七
空蝉に夕顔紫末摘花よ
もみぢ置く消え初む露の珠懸かるらむ
うつせみ に ゆふがほ むらさき すえつむはな よ
もみぢ おく
きえ そむ つゆ の たま かかる らむ
まだ昨晩の雨の名残を残す公園にて、。
安田登氏著『うたで読む日本のすごい古典』の中の
能 「源氏供養」に関する説明を読んでいたら
露に濡れた落ち葉から良い香りが漂ってきたので
なんとなく旋頭歌にしてみました。
出典
「源氏供養」舞の詞章
そもそも「桐壺」の
夕べの煙すみやかに
法性の空に至り
「箒木」の夜の言の葉は
終に覚樹の花散りぬ
「空蝉」の空しきこの世を厭ひては
「夕顔」の露の命を観じ
「若紫」の雲むかへ
「末摘花」の台に座せば
「紅葉の賀」の秋の落葉もよしやただ