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日本一分かりやすい(かもしれない)損益分岐点計算のおぼえ方

日本一分かりやすい(かもしれない)損益分岐点計算のおぼえ方

しばしば

「損益分岐点売上高の計算式が覚えられない。ていうか意味が分かんない」

というお悩みを耳にするので、お役に立てるかどうかは分かりませんが、私が覚えた/理解したプロセスを共有したいと思います。

先に結論を書いておくと

「利益がプラマイゼロになる販売個数を求めて、それに単価をかけたものが損益分岐点売上高」

です。

損益分岐点売上高とは?当たり前ですが、会社は赤字が続けば潰れます。

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営業利益と営業キャッシュフローの違いを分かりやすく

営業利益と営業キャッシュフローの違いを分かりやすく

「営業キャッシュフローって何?」
「営業利益と何が違うの?」

というお声をよく聞くので、違いを整理してみました。
計算式の類は極力省き、雰囲気で理解していただけるものを目指しています。

まずは定義の違いからですが、その前に頭についている「営業」について解説します。

「営業」とは何か「営業」とは「営業活動による」という意味。
これが頭につくことで、会社が商売をすることでいくらの利益/キャッシュ

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Day2 安全性(潰れないか?)(後半)

Day2 安全性(潰れないか?)(後半)

全体の目次はこちらです。

Day2の前半では「潰れないか」を示す短期的な指標として、流動比率をご紹介しました。

後半では長期的な潰れにくさを測る指標として、自己資本比率と損益分岐点比率をご紹介します。

自己資本比率貸借対照表は、その会社の「もちもの」の一覧と、その「もちもの」を調達した手段(借金して買ったのか、支払いを待ってもらっているのか、自己資金で賄ったのか)を表すものでした。

そして

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Day2 安全性(潰れないか?)(前半)

Day2 安全性(潰れないか?)(前半)

全体の目次はこちらです。

Day1では財務諸表の意味や全体像、特に「会社の活動が財務諸表に反映される」ということ。ゆえに財務諸表を見れば会社の経営状態が分かるのだということをご説明しました。

ここからは具体的に「財務諸表のどこを見たら何が分かるのか」という話を、特に中小企業の経営者にとって重要なものに絞ってご紹介していきます。

Day2では多くの経営者にとって最大の懸案事項と思われる「潰れな

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Day1 財務諸表の基礎と全体像(後半)

Day1 財務諸表の基礎と全体像(後半)

全体の目次はこちらです。

前半では財務諸表の代表選手である、貸借対照表と損益計算書についてざっくりご説明しました。

後半では、なぜ財務諸表が「会社の経営状態を数字で説明するための書類」たりえるのか、その理由を見ていきます。

会社の活動と貸借対照表・損益計算書の推移財務諸表が「会社の経営状態を数字で説明するための書類」である理由は、会社の活動の多くが財務諸表に連動しているからです。

具体的に

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Day1 財務諸表の基礎と全体像(前半)

Day1 財務諸表の基礎と全体像(前半)

全体の目次はこちらです。

財務諸表ってなに?始めに、本記事で取り扱う財務諸表というものが、そもそも何のために存在するのかを明らかにしておきます。

結論から言うと、財務諸表とは「会社の経営状態を数字で説明するための書類」です。
たとえば、こんなシーンを想像してみてください。

経営者は「好調」と言っていますが、どれくらい好調なのか、何をもって好調と判断しているのか、むしろ本当に好調なのか、判断で

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経営者のための財務諸表の読み方 もくじ兼まえがき

経営者のための財務諸表の読み方 もくじ兼まえがき

本記事は、オルタナティブが開催した「経営者のための財務諸表の読み方」というセミナーを文章化したものです。

元になったセミナーは経営者、マネジメント層およびそしてそうした立場を目指す方を対象に、財務諸表からその会社の経営状態を読み取る方法をお伝えするために全5回の日程で開催したものです。

Day1で基礎知識と全体像をお伝えし
Day2からDay4で「財務諸表のどこを見たら何が分かるのか」をざっく

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日本一分かりやすい(かもしれない)減価償却のおぼえ方

日本一分かりやすい(かもしれない)減価償却のおぼえ方

ずいぶん前に書いた損益分岐点についてのnoteが今でもちょくちょく読んでいただけているようなので

需要があるかもしれないと思い立ち、簿記を学び始めた人が割と最初のほうでつまづく「減価償却」という概念について書いてみることにしました。なんとなく貸借対照表の見方が分かる、仕訳ができるという方向けに書いています。

辞書的な定義国税庁のウェブサイトには、こんな風に定義されています。

減価償却資産の取

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債務超過に関する四つ目の勘違い

債務超過に関する四つ目の勘違い

先日「債務超過に関する三つの勘違い」という記事を書きました。

実はこちら、書き始めた時点では二つしか思いついておらず、書きながら三つ目を考えればいいやと思っていたのですが、勢い余って四つ目まで思いついてしまったのでした。
というわけで、改めて四つ目の勘違いをご紹介です。

4.債務超過だからといって会社の価値がゼロ(マイナス)というわけではない前回と重複しますが、債務超過は資産の総額よりも負債の

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債務超過に関する三つの勘違い

債務超過に関する三つの勘違い

経営者の方から財務についてご相談をいただくことがあるのですが、コロナウイルスの影響もあってか「債務超過」というキーワードを耳にする機会が増えています。

が、どうもお話を伺っていると債務超過について勘違いされている方がいらっしゃるようなので、その中からよくある三つの勘違いについて書いてみることにしました。

1.借り入れをたくさんしても債務超過になるわけじゃない「債務が超え過ぎている」なんて字面に

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何でもかんでも「たくさん買うから安くして」って言う人に知っておいてほしいこと

何でもかんでも「たくさん買うから安くして」って言う人に知っておいてほしいこと

「たくさん買うんだからもっと値段下げてよ。安く作れるんでしょ」

こんなことを言ったり、言われたり、思ったり、思われたりした方はたくさんいらっしゃると思います。

たしかに、数が増えれば価格が下がるというのは一般的な傾向として間違いありません。
しかしそれがすべてのケースに当てはまるわけではないよということを、ぜひ知っておいてほしいのです。

その前に、たくさん買うことで値段が下がるメカニズムをご

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お金を出す側から見た「融資」と「出資」の違いについて

お金を出す側から見た「融資」と「出資」の違いについて

先日、こんなnoteを書きました。

お金を調達するには融資と出資という二つの方法があって、どちらも一長一短なので使い分けましょうねという話ですが、それはお金を出す側から見ても同じこと。

お金を出す側にとって、融資と出資はどんな意味合いを持つのかという話を補足したいと思います。

融資は手堅い商売融資は一般的な「お金を貸す」行為で、たとえば

「500万円を貸して、毎年100万円ずつ返してもらう

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社会人なら知っておきたい「融資」と「出資」の違いについて

社会人なら知っておきたい「融資」と「出資」の違いについて

「出資した400万円を毎月返済するって約束してたよなあ?」

とある漫画で、いかにも悪そうな顔をした人(その後無料版を読み進めたところ、厳しいけれど良い人であることが判明)がこんなセリフを口にしていました。

「おまえなんか事業に失敗して、出資者にお金貸せなくなって自己破産してしまえ!」

Twitterで事業家にこんな悪態をついている人がいました。

んー、これは、融資と出資の区別がついていない

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財務を見るときはタテ、ヨコ、イト

財務を見るときはタテ、ヨコ、イト

「結局、うちの財務状態は良いのでしょうか、悪いのでしょうか?」

とある会社の財務諸表を拝見していたら、社長さんにこんなことを聞かれました。

財務状態が良いのか悪いのか。
その問いに答えるには、タテ、ヨコ、イトと見比べる必要がある……と、即興でなんだか巧いこと言った気がするので、こちらにも書いてみることにします。

タテと比べるタテとは時系列。つまり、自社の過去と比べてみるということです。

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