大阪弁のおっさんの夢《Dream Diary 15》
xxxx年05月07日(x)
会社のオフィスに五・六十歳代の大阪弁を話す男性が来ていた。いかにもがめつい大阪商人、がめつい大阪のおっさんという風で、喋ることはいちいち下品でエゲツナイ内容だった。私の傍に誰かいて、「こういう人からも学ばないといけないものがあるんだよ」としたり顔で言う。転勤で大阪に来て早や三年、大阪弁なら既に学ぶものは無くなっていると自負していた私は、彼の言葉にムッとしながら言い返した。「なに言ってケツかるボケェ、じぶんケツかいたろけ?」。すると彼は、一瞬怪訝な表情を浮かべた後、「あなたそれ変ですよ、大阪弁として」と標準語で言った。イラッと来た私は、「変じゃないわい!」と言い返した。すると職場の同僚の三人が、「わーい、ポエトさんの大阪弁ヘンや変や~」と口々に囃し立て、おどけた身振り手振りで踊りながら私の周囲を回り始めた。私はヒジョーに立腹し、「そ、そないなこと言うたかて変ちゃうもんは変じゃないもんやオマヘンにゃあ~!」とMY大阪弁に目いっぱいの力を込めて反論した。「わーい!わーい!変や~!変や~!」。だが囃し立てる声は止まらなかった。遂に私は怒髪天に達し、「おのれらぁ!ヘンヘン言う奴が一番ヘンやあらひまへんやオマヘンにゃあボケェどすえ~!」と最高級のMY大阪弁に最大級の力を込めて叫んだ。すると、がめつい大阪商人風のおっさんが、もう辛抱たまらんという顔をしてぷっと吹き出した。他のみんなも、ぷっ、ぷっ、ぷっ、ぷっと規則正しくリズミカルに吹き出した。ドアと壁を隔てた社長室の中からも、ぷっぷっ、と吹き出す声が二つ並んで聴こえて来た。社長と美人秘書だ。ヘンじゃないわい!!