烧饼里脊 (焼きパンのヒレ肉包み)
天津にある有名な食べ物といえば「肉まん」(狗不理包子)と言われるものだが、日ごろから食べるものではない。というのは、値段が「高い」のだ。気軽に食べられるものではないので、食べないという選択をする。
そこで、よく食べられているものは何か。その最も有名な食べ物(ソウルフード)が「煎饼果子」であろう。これはまた、別に紹介したいと思う。今回紹介したいのは、「烧饼里脊」である。この「烧饼里脊」について説明すると、
烧饼shāo bǐng…「焼きパン」。
→「烧」が「焼く」を意味する動詞である。
→「饼」は「薄パン」を意味する。通常のパンは「面包miàn bāo」という形で使われている。この「饼」は中国で大変使われており、「卷饼」(薄い皮のようなものに野菜や肉を巻いて食べるもの)、「饼干」(クラッカー)などの表現がある。
里脊lǐ jǐ…「ヒレ肉」。
→以前も紹介したが「糖醋里脊」(ヒレ肉の甘酸炒め)が一番有名な食べ物だろうか。これはスティック状に揚げたヒレ肉に甘酸っぱいタレをかけて食べる料理で、イチオシの料理。
この料理は焼いたパンにヒレ肉を突っ込んだだけの料理で、「なんだそれだけか」と思うが意外に差が出てくる。以前、別の店で食べた時はヒレ肉が薄くレタスが入っていた。値段も安めであった。
今回は、ヒレ肉が厚く量もあった。レタスはなく、値段は6元1個(約90円)である。最初、これを買ったときは「高いな」と思っていたが、食べてみるとなるほど6元の価値はあると感じた。
その味についてだが、焼きパンはバターで焼いたかのような(本当にバターかどうかは分からない)味がして塩気も少し感じた。ソースは同じく塩気があり、少し辛さもあった。全体的に塩が効いたパンチの強い食べ物だと思ってほしい。そして肉厚のヒレ肉がドーンと入る。
食べ始めるとなんというか止まらない。もぐもぐ、うまい、もぐもぐ、良いな、もぐもぐ…と止まらないループがひたすら壊れたテープのようにぐるぐる回っていた。
天津といえば、「狗不理包子」「煎饼果子」「麻花」「耳朵眼炸糕」の四天王と言われているが、ソウルフードの一つとして「烧饼里脊」にも目を向けてほしい。