【詩】螺旋階段症候群
螺旋階段をのぼっていた
恋人とふたりでのぼっていた
永遠に終わらないんじゃないかって程に
果てしなく長い螺旋階段だった
ずいぶん長い間のぼり続けていた
そのうち何のためにのぼり続けているのか
全く不明であることに気がついた
後ろにいる筈の恋人に尋ねようとしたら
いつの間にか居なくなっていた
男と女の関係なんて所詮そんなもの
捨て鉢な気分で空を見上げると
それまで覆ってた深い雲は途切れ始めていて
刹那、少し開いた雲の隙間から
一条の光が差しこんできて
私の胸の心臓あたりを煌めかせた
その時、私の身体から何かが抜け落ちて
螺旋階段を転がり落ちていく音が聞こえた
カランカランと軽やかな落下音が
その時、確かに聞こえた
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