【詩】廃墟でこっそりティータイム
ほこりまみれのテーブルに
酸化して濁った紅茶と
粉々になったビスケット
ふたりテーブルを囲んでる
会話のひとつもなく
お茶もお菓子もろくに手をつけず
ただわざとらしく
口をぽかんと開けている
空白のひととき
目を合わせようともせず
天井のよくわからない虫
ふたりで眺めていたら
どれくらいの時間がたっただろうか
気がつくと
なにもしていないのに
服が全部溶けてなくなっていた
(とても寒い)
ふたりで紅茶を飲んだ
とてもやわらかい
牛乳を拭いた雑巾の味に似てる
ほそい血管に吸い込まれて
どくどくしている
生きている
(だけど少し寒い)
窓が割れている
誰かが覗いていたのかもしれない
あるいは
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