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UNISON SQUARE GARDEN 4th Album『CIDER ROAD』楽曲レビュー+リバイバルCRツアー感想

前談(ライブの感想)


こんちゃ。
先日の8/24(火)東京ガーデンシアターにて
Revival Tour「CIDER ROAD」観てきました。

いやはや、すげぇ物量の音楽でした。
今回のライブをRPGゲームに例えると旅路の果てにラスボス然とした魔王が5回くらい形態変化するライブです。

ちなみに隠しボス(アンコール)も出てきます。
6分超えのバラード×爆上げ曲2曲の3曲で。


満漢全席をこれでもかとお腹のキャパ以上に放り込まれているようなライブでした。
正直終わった後満足感もあるけど身体がもたなかったです。
最近のユニゾンはアンコール以外MC無しで90~100分暴れてさっと帰っていく腹八分目みたいなライブスタイルなので、今回が特殊なんだと思います。

ちなみに今回のライブのラスト曲の「ガリレオのショーケース」で行った彼らの奇行シリーズです。

そもそも自分の認識では、
前回のSpring×3ツアーに関してはまだスタイルが確立していない時期だったのでリバイバルツアーは素直に嬉しかったのだけど、

音源的には2011年、3rdアルバムの「Populus Populus」で、ライブでは2013年の「CIDER ROAD」ツアーでほぼ今のユニゾンの骨組みが固まっていると思っているので、果たしてやる意義があるのかと思ったのは情報解禁の素直な気持ちで。(自分がライブ通い出したのはこの次のツアーからだからやってくれる分にはめちゃくちゃ嬉しいけど)

ところがどっこい、完全に自分の認識が間違ってました。
CRツアーは円盤でしか観てないので知ったかになってしまうけど、
とにかくメンバーのスキルが当時より断然に上がっているので、聴こえ方が全く違ってくるレベチなライブでした。
斎藤さんが2014年にポリープ手術して声のテイストが変わったのもあるけど、振り返ればバンドのグルーヴ感が断然違うというか、2016~2017年辺りから今のクオリティになった印象。
というかドラムがエグい。もともと手数多くてすごかったけどなんか気付いたら貴雄さん意味分からんバカテクドラマーになったよね。


「CIDER ROAD」レビュー

そして今回の記事のもう一つの趣旨ですが、今更ながら改めて「CIDER ROAD」という傑作アルバムのレビューをしようと思った訳です。8年前のアルバムです。
何故かというと、今回のリバイバルツアーの曲は既に死ぬほど聴いて体に沁み込んでいる曲という事もあり改めて歌詞をちゃんと自分の中で咀嚼できる余裕があったんですよ。
で、このアルバムの曲、今のご時世にこそ刺さる曲が多いんじゃないかと思い直してこの記事を書くに至りました。
そういった観点も含め、このアルバムの感想を書いていこうと思います。

まずジャケットが可愛い。
初回盤と通常版でハリネズミくんの絵面が違うんですが、
自分はこの可愛いに全振りの初回盤が好きです。
初回盤の方はちょっとツンデレみがある。

で、歌詞カードがこれまた良くて。
サイダーの気泡を想起させるような丸が三つあるんだけど、
実際にこれ、カード自体に穴が空いてます。
ちなみに大きさは玄関の覗き穴くらいです。

この初見の一発ネタ感がすごいお洒落なんだけど、
以降のアルバムはあんまりこういうアイデア勝負的なのは無くなったな。
個人的にはまたやってほしい。

あと初回盤はスタジオライブ映像が4曲ついてます。
4曲中3曲がこのアルバムからの選曲なんですが、残り1曲含め選曲が最高。
今は品薄だと思いますが買うなら初回盤一択です。

ちなみに自分はこの発売時期ユニゾンにハマりたてぐらいで
このアルバムを一旦TSUTAYAでレンタルしたんだけど、
内容が良すぎてこれを300円で味わうのはあまりに失礼だと思い仙台のタワレコに駆け込みました。

個人的には出会い補正もありユニゾンのディスコグラフィー的に一番好き好きなアルバムです。

以下、レビュー。


1. to the CIDER ROAD

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆)

バンドの代名詞のようなポップロックソング。
ユニゾンのアルバム1曲目は序曲的なものやキレキレのロック曲、
6th「Dr.Izzy」以降はバンドのテイストとは一線を画した変化球が多いので、意外とこういう「ザ・ユニゾン」という曲から始まるアルバムは珍しいかも。

名の通りサイダーを思わせる爽やかなギターリフのフェードイン。
曲中ずっと歌詞もメロもポップに振り切っていて、その中で「十全なリズム、ビート、しかしてハート」などの音のはめ込みが気持ちいい。

ただその中で、サビの詞の一節、
「CIDER ROAD もう迷わないで早々に出かけよう」からの
「さあ、君は何を、何をしよう?」
一緒に楽しい事をしよう、じゃなくて楽しさは自分で見つけろ、というバンドのスタイルが確かに出ている曲。

2.ため息shooting the MOON

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

タイトルがお洒落。爽やかな前曲からコンマ0秒で次曲へ。
最初の斎藤さんが「よん、まい、め~~~~!」と歌っているように聞こえるのは自分だけじゃないはず。(CIDER ROADは4thアルバム。)
次のアルバムでも「ごまーいめ!(Go my way的に)」と冒頭に叫んでるので恐らく意図的。以降も現在まで「このアルバム何枚目かをふわっと言ってる気がするプロジェクト」は続いてます。お茶目。

このアルバムの中でも結構ロックに振ったキレッキレの楽曲。
ただ前曲からの繋ぎが見事でスムーズに聴ける。
A.Bメロが歌詞詰め詰めからの王道なサビ。
ライブでもかなり披露されている曲です。

3. リニアブルーを聴きながら

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

シングル曲。自分がユニゾンのファンになったきっかけの曲。
このバンドを一躍有名にさせたタイアップ「TIGER&BUNNY」の映画版の主題歌。アニメ版はご存じ「オリオンをなぞる」。

サウンドもオリオンの正統派続編のような要素で、同曲のギターフレーズ等が随所に散りばめられている。
ただオリオンに比べシンセが控えめになっており、よりバンドサウンドを強調している印象。
アニメファンもロックファンもどちらにも刺さるような丁度いい塩梅。

これも1曲目と同様「ザ・ユニゾン」という楽曲。
この曲が合わないという人は、このアルバムも多分好まないだろう。
そんな曲。

オリオンもそうだけど、ユニゾンはタイアップの時にかなり抽象的な詞を書く傾向があり、未だにこの曲に置いては咀嚼できない。
そもそも「リニアブルー」ってなんだ。聴けるものなのか。

ただ現況のコロナ禍において、この歌詞から「音楽を誰かに届けることの意志」を強く読み取るようになった。
「誰かの正義とぶつかっても」「一人きりでも」「諦めちゃったら届かない」といったようにネガティヴなワードの次には
「大丈夫だよ」「僕は僕であれ」「あなたが待っていることを信じたい」「至上最重要な明日がきっとあるから」という肯定的な詞で打ち消している。
意外とこういった言い切り形のメッセージは珍しい。説教臭くならないようにあえて散文チックにしたのかとも考える。

今のユニゾンのスタイル、世界が疫病に見舞われようとも
音楽をやれる場所があるなら自分たちは音楽を鳴らし続けるんだ、というメッセージにも見える。後付けだけど。
改めてこの歌詞が好きになった。

あとPVがカッコいい。とにかくカッコイイ。
この監督さん帰ってきてくれないかな。

で、結局リニアブルーってなんだ。わからん。

4. like coffeeのおまじない

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

↑(この動画の1曲目です)

3曲目までが一つの流れで、ここからブロックが変わる印象。
前3曲の正統派バンドサウンドとは打って変わって、
ホーンセクションを大胆に取り入れたジャジーなポップソング。
楽曲の幅広さをここで思い知ることに。

サビのコーラスと主メロの掛け合いがめちゃ可愛い。
ユニゾンの中でもトップクラスにメルヘンな曲なので、女の子にユニゾンを勧めるならこの曲を推します。

歌詞はストーリー仕立てになっているものの、所々抽象的になるところもあり、焦点の解釈が人によって分かれそう。
詞で「ボーイ・ミーツ・ガール」と謳っているので異性間の出会いを現しているのは確かだと思うのだけど、
要所で「少年ラビット」と「僕」の位置がぼやけて解像度が悪くなる。

一番納得した解釈はこれ。

5. お人好しカメレオン

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆)

作詞作曲の田淵智也がめちゃ大切にしている曲。
「大事にしすぎてライブでなかなかやれない」と何かのインタビューで言っていた。
今のとこ披露されたのは15周年記念の舞洲ライブと先日のFC限定アコースティックライブの2回のみ。

最初の弾き語りからバンドサウンドに移行しひたすら美メロで熱量のこもったメッセージを届けられる楽曲。

この詞は田淵の音楽活動に対する葛藤と答えが書いてあると思っていて、
自分たちは決して一般受けするスタイルではないけれど、マイノリティな物好きの為に自分の信じる音楽を続けていく。
ただ、その中で観客たちにもただ追従することは求めず、自分の道は自分で名付けろ、その掴んだ道に自分達(ユニゾン)は関与しないから、自分の為に自分は居るんだという事を自覚しろというメッセージ。

この曲は恐らく田淵がリスペクトしているバンド、
「the pillows」の「ストレンジカメレオン」が元になっているのだろう。
この時期のpillowsも自身の音楽性と商業的に求められるものの狭間で迷っていたようで、その中で生み出された楽曲。
サビの「周りの色に馴染まない 出来損ないのカメレオン 優しい歌を唄いたい 拍手は一人分だけでいいのさ それは君の事だよ」

どうでしょう。まさにユニゾンのスタイルだと思いませんか。

音楽的には如実に現れてはいないけど(一曲露骨に意識してるのはあるけど)、ユニゾンの大事なルーツの一つはピロウズなんだなあと。

6. 光のどけき春の日に

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆)

前曲が重めの曲なのもあり、ここらで小休止といった感じ。
いわゆるライブアンセムというよりは穏やかな曲なので、残念ながらファン投票の楽曲総選挙ではブービーになってしまったかわいそうな曲。
6分近くあることもありユニゾンにしては珍しく長いのも理由かな。

ユニゾンでは数少ない季節曲。
少年が大人になるその隙間、モラトリアムをモラトリアムと自覚している主人公がそれを楽しみつつ、この時間がまだ終わらないようにとささやかに願っているような、美しさと寂しさが同居した歌詞。

起伏の少ないメロを経てDメロで満を持して斎藤さんがエモーショナルに歌い上げる所とか鳥肌よ。
スルメ曲というか、聴くシチュエーション、自分の状況によって評価が凄い変わる曲だと思う。

それこそ自分は先日のCRツアーの帰り道で聴いたら凄いグッときました。

ロックバンドの曲を聴くぞ!って時は違うかもだけど、
疲れてる時だったり、優しめの音楽を聴きたい時はこれ以上ない楽曲。

7. クロスハート1号線(advantage in a long time)

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆)

ここからアルバムは中盤戦へ。
びっくりするぐらいサウンドも歌詞もドストレートなポップなラブソング。何ならアイドルとかが歌っても違和感ないキュンキュン曲。
いわゆるJ-POPメインで聴いてる層は一番聴きやすい曲かも。

恋愛関係に発展する前の、もどかしい時期を歌っている歌詞。
この詞の2人が結ばれた先に後の曲の「フライデイノベルス」とかの世界線に繋がるのかな。妄想だけど。

逆に言うとこんな感じの2人が身近にいたら「早く付き合えよ!」っていうイライラ案件かも知れない。

実体験ですが、自分に恋人がいた時、もしくは恋人ができそうな時にこの曲を聴くとキュン案件で☆9つくらいの評価ですが、
独り身の時は「ああうん、良い曲だね」って感じで☆2つくらい下がります。この曲の見出しを見て下さい。そういう訳です(キレ気味)。

8. セレナーデが止まらない

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆)

キュンキュンソングからの激しめのロック。
テンポ的には他の曲と比べてもそこまで変わらないのだけど、サウンドが明らかに前曲とは違う。M2の「ため息~」と並んでキレキレ枠。

2サビで「話題の知った風な ラブソングなんかで 何十億分の1なんて 当たるわけないのに」とか歌ってるからな。前曲のあの子は手痛く振られたのかな。そんな揺り戻しがユニゾンらしい天邪鬼。

この曲は音源よりも断然ライブでやった方が映える。
なのにあんまりライブでやんない。

9. 流星のスコール

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

「オリオンをなぞる」がそこまで刺さらなかった自分が本格的にユニゾンに興味を持ったシングル曲。
比較的ユニゾンの中ではストレートな譜割と歌詞。
ユニゾンって流星大好きだよね。

決してミディアムチューンという訳でなく、気持ちアップテンポ寄りのリズムなのに他の曲と比べ相対的にバラード扱いされ観客が聴きに入っちゃう曲。この曲の醸し出すエモ切ない雰囲気もあるのだけど。

イントロのギターのカッティング→ベースのメロディライン→ギターディレイの流れが大好き。共感してくれる人はいるはず。

抑え気味のA,Bメロから徐々に上がって行って
「今夜 流星の指す方へ」がとにかく耳触り良く残るサビへの繋ぎが楽曲として完璧。

ただこの曲、オリオンの後なのにあんま売れなかった。
やっぱりタイアップが大正義なのか。

10. Miss.サンディ

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆)

インディーズ2ndアルバム「流星前夜」に収録された「MR.アンディ」の姉妹曲のようなタイトル。同曲が踊れるミディアムダンスロックだったこともあってかこちらも血を受け継いだかのようなダンスロック。
アンディよりもより観客を踊らせることを意識したようなサウンド。

余談だけど、決してユニゾンはライブで「踊れー!」みたいな煽りを絶対にしない(インディーズ時代とかは知らんけど)。
踊りたい人は踊って、の強制されないスタイルだからこそ、自分は気持ちよくこの曲で腰がリズムを取ってしまう。

この曲は他収録曲よりも特に「メロディを口ずさんだ時の口の気持ちよさ」が重点的に置かれているような気がする。
サビ前の「な・ん・て・ね☆」とかまさにそう(歌詞カードではこんな表記はしてません)。
ライブではリズム隊の「サンディ 君をもっともっと」のコーラスも聴きどころ。

11. crazy birthday

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

ここに来て勢いよく走り抜ける3分ロック。
エルレ路線のロキノンバンドが歌っててもそんな違和感ない。
ギター小僧はイントロのギターリフでテンション上がって耳コピしだすはず。

誕生日のお祝いとやきう要素を絡めたお茶目な歌詞。
ライブで披露する事を大前提にしたような曲で、決してユニゾンは観客を煽るバンドじゃないのだけど、この曲に関しては会場で綺麗なコール&レスポンスが起こります。
Dメロの下りでは会場限定で田淵・貴雄ソロの「NO!more happy birthday!」が高い確率で聴けます。

あと終わりの歌詞がBUMPのラフ・メイカーぽくてどっちも好きな人はクスリと来ると思います。

12. 君はともだち

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆)

前曲から一転、6分超えのバラード曲。
この曲が個人的にCDを買った当時と今回のリバイバルツアーで改めて聴いて受け取り方が変わった曲。
それを書きたかったからこの記事を書いたまであります。

当時はストレートな友情ソングだと解釈して、
もしかしたら作ったユニゾン本人もそれ以上の意味は無かったのかもだけど、今のコロナ禍、それにおけるライブシーンに繋がりすぎる気がして。

この「ともだち」ライブに足を運ぶ「物好き」に充てた曲のように感じてしまったのよね。思い上がりかもしれないけど。

昨今はロキノン中止やフジロックの件もあり、
音楽自体が不要不急でそれをしようとするものは悪者に思われてしまうような世の中で。
実際、この日斎藤さんは一言そんな事をMCで言っていて。

それでも、音楽が無い人が死ぬ人は居て。
物理的にも、精神的にも。

勿論観賞上ルールやマナー、感染対策は守られるべきで。
それをフジロックでしなかった人がいるのは事実だろうし、悪い面だけがメディアに取り出たされてしまっている面も大いにあると思う。
ただ、音楽ファン全体、そして音楽そのものが悪者にされてしまうのは辛いなとも感じていて。

その中でこの歌詞の「何も知らないやつに君の事決めつけられてたまるか 見えないところで強く生きてる 気づいてるよ」だったり、
「君の名前を呼ぶよ 沢山の想い 刻み込まれた 他の誰でもない 君だけが持ってる宝物」
こういった歌詞が、音楽を大事にして生きている、いや、そうしないと生きていけない人々へのエールにも感じたのよね。

その上で全てを包み込んだサビ終わりの「僕だけが知ってる だから優しい声で、君はともだち」に感極まりそうになって、何とも言えない気持ちになってしまった。

この日、斎藤さんは「ライブをやることで人を傷つけてしまったり、絶対にやってはいけない状況になったらそれを押し切ってまでやらないけど、音楽が出来る状態であれば、ライブを見たい人がいつでも見れるように、様々な状況で会場にいま足を運べない人がいつでも戻ってこれるようにライブをやり続ける」と言っていた。

その気持ちに応えるために、改めて「ルールとマナーを守って」「誰かを傷つけないように行動し」、その上で不要不急な音楽を楽しもう、行ける限りはライブに足を運ぼうと思い直した。

13. シャンデリア・ワルツ

(オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

自分のレビューもあってかしんみりというか、前曲でラスト感ありましたがこのアルバムはまだ終わらない。
最後はライブ・アンセムで幕を閉じる。

田淵智也はこの曲に多大な思い入れがあったらしく「シングルじゃないと絶対に出さない」と意気込んでいたらしいけど、周りの大人にハマらずアルバム収録と相成ったらしい。
正直今のユニゾンのライブに置けるこの曲のポジションを考えると信じられない。
事実、この曲はリリースからしばらく立ってアニメのOVAのタイアップになっていたりする。

また、当時のバンドの知名度や予算的なものもあるのか
このアルバムはシングル曲以外にPVが存在しない。
その曲でリード曲といったらおそらくこれなのだろう。

ただ何だかんだで後に上記で載せたライブMVも作られているのでそこそここの曲の知名度は高い気がする。
先日行ったa flood of circle主催のライブ(前記事で書いたやつ)でのこの曲の会場の浸透度は半端なかった。

ちなみにワルツとタイトルに付いてるけど、余裕で8ビートのアップチューンです。
サビ最後に「ワルツ・ワルツで」という詞があるのだけれどそこが三連符になっているのが強いて言うならワルツ要素です。

ユニゾンの歌詞全体に言えるけど、
この曲も抽象的でありながら詞の主人公を孤独から掬い出し、
ただ寄り添いはせず世界に楽しみが溢れていることを教える。
自分で考えて楽しむ道を決めろ、という内容。

それにしてもシャンデリア・ワルツって良いタイトルだよな。
次のアルバムからはユーモアに溢れたタイトルを付けるようになったイメージだけど、このアルバムは楽曲タイトルから終始お洒落が走り回ってる印象。


総評

(総合評価:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

どうでしょうか。少しでもこのアルバムの良さが伝わったでしょうか。
もしこのアルバムに興味を持っていただけたなら一ファンとして光栄です。
総じてこのアルバム、ユニゾンの中では異色作でとにかくポップに振り切っています。「J-POPにロックバンドが喧嘩を売りに来た」とか当時田淵が言ってました。「これが評価されないとおかしい」とまでも。
ユニゾンのアルバムの大半は50分以内で終わりますがこのアルバムは63分です。相当力が入ってる。

だけど事実、このアルバムの売上は可もなく不可もなくで
2年後にユニゾンの王道ソングとはちょっと外れたアルバム曲風のシュガーソングが大ヒットするんですから分からないもんです。

このバンドの代表曲であろう「オリオンをなぞる」も「桜のあと」も「天国と地獄」も「シュガーソングとビターステップ」も「君の瞳に恋してない」も一切入ってないアルバムですが、
自分はこのアルバムがユニゾンの最高傑作だと信じて疑いません。

その気持ちが少しでも伝わればと思い、この記事を書きました。

そして改めて、これを書こうと思い立たせてくれたリバイバルツアーも最高でした。

次の「Patrick Vegee」ツアーも期待しかしないで待ってます。

それでは。

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