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テキストが選びにくい

この間、調理師試験のテキストと過去問が載った本を買いに行った。

本屋さんに行ってみて、時代だなと思ったのは、「漫画で分かる調理師試験 一発合格」みたいな本が並んでいたこと。

漫画かぁ。と思ってペラペラ立ち読みする。

キャラクターたちが会話をしながら、「端的に、分かりやすく」解説していた。

重箱の隅をつつくような問題が、少なくはない感じの試験で、6分野(7分野と分ける本もあるようだ)の中で0点がひとつでもあったら不合格になる。

漫画の印象は、文字主体のテキストと比べるとどうしても、大雑把になりがちな気がする。本自体も分厚いようで薄かったし。

大まかな情報を漫画テキストで掴み、それから文字情報のテキストに臨むという流れなのかな。

私には二度手間な気がするし、何冊も買っていたら、本代もかさむ。

漫画で楽しく勉強することも、勉強方法に漫画を取り入れることも、悪いことではないと思う。

私は古い人間なのかもしれない。でも漫画のテキスト1冊で一発合格できるほど、この試験が甘いものだとは思えない。

一発合格。

という謳い文句もそう。

どんな試験の対策本でもだけど、結果はその人の勉強の仕方次第だ。

テキストがいかに優秀でも、最低限の勉強する人の熱意が足りなければ、一発合格は難しい。

テキストを売る本屋さん側としては、「必ず一回で合格できます!」と言った方が、本が売れる可能性は高くなるはずという気持ちは分かる。

今や、TOEICも英検も必勝とか、何点以上取れるとか、合格間違いなしとかの謳い文句がないテキストや問題集の方が少ない。というか実際、あるのだろうか。

本が売れるとか売れないとか、その辺りはよく分からないけど、こういう煽り文句のような、「一発合格」「必読」「徹底解説」「必勝」の言葉たちは、見慣れすぎて、特に目新しくもない。心惹かれもしない。

言葉は使われすぎると、その価値を失っていくと、何かで読んだ。

惰性で、本にタイトルをつけるはずもないのに、どの本も没個性的なタイトルになってしまっていて、どんな煽り文句がついていても、それがために、逆に選びにくくなっている。

便利で、簡単。目的のリターンを約束するテキスト。

そんな都合のいいものがあるわけないと思うのに、そういう謳い文句の本が溢れかえっている。

嘘でもいいから、読者は約束されたいのか。嘘でもいいから、そういう文句を書かないと、もはや本が売れないのか。

単純に、この本良さそう。

ができにくくなっている本やテキスト選び。

テキストが選べない。

2冊の本を買うのに、40分もかかってしまった。

【今日の英作文】
ちょっとした提案が神の思し召しに思える時もある。
There are times when I can consider a little suggestion as the will of God.

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