つながり活動 〜娘と似顔絵でつながる〜
中学校2年生の娘は、毎年夏休みの宿題が出ると、
先に一気に宿題を終わらせてしまうタイプ。
早く宿題を終わらせて、残りの夏休みを満喫したいらしい。
先日、娘と話していると、
まだ夏休みに入ったばかりなのに、
いつものように夏休みの宿題がもうすぐ終わると言う。
その宿題の1つに、
作曲家のベートーベンのことを調べる宿題があるらしい。
その内容には、ベートーベンの似顔絵を描くスペースがあり、
描いた絵を見せてもらった。
娘が描く絵は、一般的には普通のレベルの人物画かもしれないが、
私達、家族4人の中では、
唯一、「 絵が描ける人物 」として、
娘を崇拝している。
通知表でも美術は大体「 5 」をもらっている(5段階評価)。
パッと見ただけで、サッと描いてしまうのだ。
私や妻、息子はどれだけ時間をかけても敵わない。
時間をかければかけるほど、不細工な絵の仕上がりになってしまう。
娘本人は、
「 友達にめっちゃ絵がうまい人がいてて、その人の絵を見てるから
自分は普通やな〜っていつも思うねん 」
と言うが、
私達家族のリアクションは、
「 いやいやいやいや〜、うまいですよ画伯〜!!」
となる。
今回も、
私がこのベートーベンの似顔絵について、
「 さすが、うりも家の芸術担当! すごいね〜!!」
と、娘に伝えたのだが、
「 絵を描くのは好きやけど、友達には敵わないねん 」
と娘はいつものセリフを言う。
どうしてそんなに比較するのだろうか。
比較してもいいが、
娘には娘の良さというか、味があるのではないかと思う。
自分のよさや、今後の努力の方向性を理解するための比較であってほしい。
そこに気づいてほしい。
ちなみに私の美術の通知表は、安定の 「 2 」であった。
美術の時間に、同じクラスの女性がモデルとなり、
女性が椅子に座っている姿をスケッチする時間があったのだが、
私が描く女性の肩が、あまりにも怒り肩になりすぎていて、
モデルの女性自身の怒りを引き出してしまった経験がある。
そんな私からしたら、
娘の絵を描く才能は、何かに活かすべきだとつくづく思う。
私は、娘にどうにかして伝えたい気持ちが治まらなくなり、
ついに私も手にペンを持つ。
「 お父さんもベートーベンを描く!!」
娘は、
「 な、なんでやねん!!」
と笑いながらツッコんでくれたが、
私が真剣に描く姿を見守ってくれた。
全力を尽くして、完成。
娘は、このなんとも言えない不細工さを笑ってくれた。
「 どうや、この絵を見てどう思った ? 」
と私は娘に聞いた。
「 ヘタクソやけど、なんかおもろいな〜 」
と娘はいう。
「 そうやろ、描く人の味が出ていたら、
見た目がどうであろうが、
描く人の絵を好きになってくれる人もおるねん!!」
と私は語りかけた。
娘はいう。
「 言うてることはわかるけど、
お父さんの絵、下手すぎるから
胸に響かへんねん!!(笑)」
私の頭の中には、
「 ジャジャジャジャ〜〜ン、ジャ、ジャ、ジャ、ジャ〜〜〜〜〜ン 」
あのベートーベンの「 運命 」という曲が流れる。
またしても、私はうまく伝えられなかった・・・・。
それでも運命を諦めたわけではない。
また、
次の機会が来るまでに、
絵の特訓に取り組もうと思う。
私にも、
夏休みの宿題が出来てしまった。