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宇宙世紀の蛮族 黒い三連星を令和7年に語り尽くす

宇宙世紀の蛮族 黒い三連星を令和7年に語り尽くす

実は公式MS撃墜スコアはゼロ

 黒い三連星といえば赤い彗星、青い巨星と並ぶ、もはや説明の必要もないジオンのエース中のトップ・エースですが、この方々恐らく公式にはMSの撃墜スコアはないんじゃないかと思います。
 黒い三連星が地上に降下して木馬と交戦したのは11月7日、連邦軍が数百機規模のMSを投入したのは一年戦争も末期のソロモン、ア・バオア・クーの両会戦で、この時点では三連星は全員戦死しています。

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RGM-79[G] 陸戦型ジム

RGM-79[G] 陸戦型ジム

 一年戦争を彩るやられ役量産機としてMS-06 ザクⅡ系の4,000機に次ぐ3,800機が生産された連邦軍の主力機、RGM-79 ジム系。驚くべきは、型式の79が示す通り(連邦軍の型式の数字は設計年を示すらしい)開戦後になってから設計を始めたにも関わらず僅か数ヶ月の短期間で量産を実現し、ソロモンやア・バオア・クーでの物量作戦を可能たらしめたことでしょう。

 連邦軍がMS開発に本腰を入れる直接の契

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一年戦争の狙撃手たち

一年戦争の狙撃手たち

MS-05L ザクⅠ・スナイパータイプ

 これは狙撃戦用に新たに開発された機体ではなく現地改修機ですね。既に旧式化していたザクⅠを素体にしているという意味ではリユースに近い機体かもしれません。

 地球に戦線を拡大した公国軍は、兵站の面からも工業生産力の面からも地上でのMS供給にもともと難を抱えていて、キャリフォルニア・ベースを接収して地上での生産拠点の確保に努めていたわけですが、ことオデッサで

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MS-15KG ギャン・クリーガーはあと10年戦える

MS-15KG ギャン・クリーガーはあと10年戦える

 これはちょっと説明を要する機体なんですが、戦略級シミュレーションの神ゲー『機動戦士ガンダム ギレンの野望』では、一年戦争後半に次期主力MS開発計画というイベントが発生して、ジオニック社のYMS-14 ゲルググかツィマッド社のYMS-15 ギャンのどちらかを選択するとその系統の後継機が開発可能になり、選ばなかった方は開発系統樹が閉じるというifシナリオがあったんですね。

 もちろんこれは実際に行

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MS-06J 陸戦型ザクⅡ【ホワイト・オーガ】

MS-06J 陸戦型ザクⅡ【ホワイト・オーガ】

 欧州方面軍で“白鬼(ホワイト・オーガ)”の異名をとったエルマー・スネル大尉の乗機。わりと珍しい陸戦型ザクⅡのカスタム機です。
 J型は汎用機のF型またはC型からの改修機で、地上戦での稼働効率を高めるために宇宙空間用の装備をオミットして空冷式の冷却機構や防塵処理を施した機体。ロールアウトは開戦前年の9月ですが、地球降下作戦以降、順次前線に投入され、従来機からの現地改修も多い。C型からの改修機はJC

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RX-78[G]E ガンダムEX

RX-78[G]E ガンダムEX

幻のガンダムか

 一年戦争中に開発されたガンダムは意外に多く、(実機未確認含め)8機あったとされている。
 1号機のRX-78-1は一般にプロトタイプ・ガンダムと呼ばれる試作機、2号機のRX-78-2はアムロ・レイの乗機として名高い“白い悪魔”、マグネット・コーティングを施した3号機のRX-78-3はG-3ガンダムとも呼ばれ、RX-78NT-1アレックスの開発素体となった。ここまでがファーストロ

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MS-06F ザクⅡ【イリヤ・ソラリ大尉機】(と『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』の雑感)

MS-06F ザクⅡ【イリヤ・ソラリ大尉機】(と『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』の雑感)

 NETFLIXオリジナルのフルCGアニメ『機動戦士ガンダム 沈黙のレクイエム】から主人公イリヤ・ソラリ大尉の乗機を再現。
 MS-06Fといえば所謂「ザク」なのだが、単にフルCG化だけでなくUnreal Engineの採用で作画制約から大きく解放された結果、『IGLOO』シリーズを超えた大幅なデザイン変更が為されている。製作者によると『サンダーボルト』や『08小隊』の影響を受けたというが、確かに

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YMS-09R-2 プロトタイプ ・リック・ドムⅡ [エギーユ・デラーズ専用機]

YMS-09R-2 プロトタイプ ・リック・ドムⅡ [エギーユ・デラーズ専用機]

 ア・バオア・クー会戦でアナベル・ガトー大尉(当時)がグワデンで中破したゲルググから代替機として搭乗しようとするも整備兵から「駄目です、大尉!」と制止された機体、と言って分かる人がどれだけいるのか。

 チラッとしか映っていないので当時は幻のMS-09F ドム・フュンフではないかという説も流れたが、現在では統合整備計画で開発されたリックドムⅡの試作機だったというのが定説となっている。
ジオン軍で

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MS-09RS【DZ】 リック・ドム【ドズル・ザビ専用機】

MS-09RS【DZ】 リック・ドム【ドズル・ザビ専用機】

 MS-09R リック・ドムは、ツィマッド社が開発した陸戦用重MSの傑作機 MS-09 ドムの空間戦闘仕様、RS型はそのカスタム機。知られている機体としては“赤い彗星”シャア・アズナブル専用機、“ソロモンの悪夢”アナベル・ガトー専用機などがあるが、本機は宇宙攻撃軍司令ドズル・ザビ中将の専用機である、

 ドズル中将の乗機としてはMS-06FS/DZ ザクⅡ が知られているが、R型が実戦投入され始め

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MS-08TX/N イフリート・ナハト

MS-08TX/N イフリート・ナハト

 イフリートはMS-07 グフとMS-09 ドムの中間的な位置付けで現地開発された機体で、コスト面での要求を満たすことが出来ず、少数が生産されるに留まったが、機体自体の優秀さからさまざまな実験機やカスタム機の素体となった。本機もそのうちの1機で、マ・クベ大佐の肝煎りでオデッサで開発されたらしい。

 ナハト(nacht)はドイツ語で夜、本機の特徴はそのステルス性にあり、電波探査を無効化する強力なジ

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MS-08TX/S イフリート・シュナイド

MS-08TX/S イフリート・シュナイド

 イフリートはオデッサで開発された、MS-07グフとMS-09ドムの中間に位置付けられる陸戦型MS。コンセプト的には白兵戦重視にみえるが、スラスターは大幅に強化されてグフの約150%を絞り叩き出しており、MS-18E ケンプファーのような一撃離脱を志向する強襲型MSの先駆と考えるべきかもしれない。

 機体性能は良好だったがコスト面での要求を満たすことができず、少数が生産されたのみで量産化には至ら

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MS-07H8(グフ・フライトタイプ)

MS-07H8(グフ・フライトタイプ)

 7月のMS第2弾は #グフ・フライトタイプ

 地球降下作戦の開始以降、公国軍は戦線の拡大に伴って重力下におけるMSの移動に苦慮することとなる。
 戦略輸送についてはガウ攻撃空母やファットアンクル等の空中輸送、潜水艦隊による海中輸送、サムソン・トレーラーや列車による陸上輸送など、各種のロジスティックの確保に努めたが、こと作戦展開の局面では広大な戦域において虎の子であるMSを効果的に運用するため

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MS-07B/MQ グフ(マ・クベ専用機)

MS-07B/MQ グフ(マ・クベ専用機)

 マ・クベといえばYMS-15 ギャンの印象が強いが、こちらは珍しいグフの専用機、恐らくオデッサ基地司令時代のもの。とはいえ、いわゆるエースパイロット用のカスタム機と異なり、カラーリングと頭部ブレードアンテナの特徴的な形状を除けば量産型と同じスペックだったらしい。

 デザイン的にはギャンから遡行して起こされたもののようにも見えるが、強引に理屈をつければグフではランバ・ラルの青、ドムでは黒い三連星

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MS-06F2/MB02 ザクⅡ後期生産型(マンバー2号機)

MS-06F2/MB02 ザクⅡ後期生産型(マンバー2号機)

 特別編成小隊マンガンジバーニング次席、カズ・リバー曹長仕様のMS-06F2 ザクⅡ後期生産型。06-F2はゼロロクエフニガタと読み、傑作機F型に地上での運用データをフィードバックすることで、来るべき対MS戦に対応できる高性能化を図った機体。マンバーの部隊色であるホワイト/ダークグレーにパーソナルカラーのブラウングリーンが配色されている。スカートにある部隊章は原隊の第29機甲中隊(ブリッツ中隊)の

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