MS-09RS【DZ】 リック・ドム【ドズル・ザビ専用機】
MS-09R リック・ドムは、ツィマッド社が開発した陸戦用重MSの傑作機 MS-09 ドムの空間戦闘仕様、RS型はそのカスタム機。知られている機体としては“赤い彗星”シャア・アズナブル専用機、“ソロモンの悪夢”アナベル・ガトー専用機などがあるが、本機は宇宙攻撃軍司令ドズル・ザビ中将の専用機である、
ドズル中将の乗機としてはMS-06FS/DZ ザクⅡ が知られているが、R型が実戦投入され始めたのが一年戦争も終盤にかかった11月頃、ソロモン会戦が12月24日のこととなり、本機が実在していたとすればその頃のものになる。
RS型といえば最大の特徴はなんと言ってもビーム・バズーカ。ビーム兵器の小型化が遅れに遅れていた公国軍にとって、それならば兵器自体を大型のままMSで使えないかという発想で開発された兵器で、ムサイ級のメガ粒子砲に匹敵する威力を誇ったと言われる。RS型は外観上R型と区別がつかないが、絶大な火力を誇るビーム・バズーカを扱うために機体各所の部材を強化してあるらしい。
ビーム・バズーカはエネルギーを本体側からコネクタを介して供給する仕様になっていて、ジェネレーター出力自体は通常のR型で賄えるものの射出時の衝撃が大きく、機体が破損する事故が頻発したらしく、それに耐え得る改修を施したのがRS型ということらしい。ドムの試作機であるYMS-08 ドム・プロトタイプの開発と同時に試作されたようだが、携行火器としては大き過ぎて取り回しが悪く、エネルギーチャージにも時間がかかるという欠点があり、RS型に少数が生産されたに留まる。
前述のようにRS型自体3機ほどしか知られておらず、ほぼ確実に実戦投入されたと考えられているのはソロモン会戦時のアナベル・ガトー大尉の乗機のみである。
ドズル・ザビ中将の専用機として開発された本機はパーソナル・カラーのグリーンを基調に塗装され、ザビ家仕様らしい装飾が施されている。また肩にあるスパイクはドズル中将の軍服と同様のアレンジで、中将自身の嗜好が反映されたものだろう。
またドム系の標準的な近接戦闘兵装はヒート・サーベルだが、本機では以前の乗機ザクⅡFS型と同系統の特注らしき大型ヒート・ホークが採用されており、これも中将の個人的な好みと思われる。
ドズル中将自身、(最期のビグザムでの出撃を除くと)公式にはMSでの出撃記録はないが、公国軍の象徴ともいうべきMSには並々ならぬ拘りを感じさせる。
周知の如く、ドズル中将はソロモン会戦では要塞内の司令所で全軍の指揮を執り、最期は MS-08 ビグザムに搭乗して特攻をかけ戦死したわけで、本機で出撃した形跡はない。ロールアウトのタイミングから考えて、恐らくは本機が実戦に投入されることはなく、ソロモン会戦で失われたか連邦軍に接収されたものと思われる。