魚柄仁之助の巣ごもりレシピ 第5回

手間はかけずに時間をかけて
〜第五回 失敗のごまかし方〜

巣ごもり生活でぶち当たる壁の一つが
お惣菜のマンネリ化
 そこで役に立つのが
失敗料理のごまかし方

例えばこの写真、野菜炒めを作りました。

図1

肉、ゴーヤー、人参、玉葱、キャベツなどを
油で炒めただけのシンプルな野菜炒めです。
しかし野菜炒めも慣れないヒトが作ると
やさいの水分がうまく飛ばせなくて
「水のたまったベチャベチャ炒め」に
なることもあるのです。
せっかく作ってもこれじゃ食欲がわきませんね。

ここで失敗料理のごまかし技!

使用するのは水溶き片栗粉です

図2

お顔のメイクにはファンデーションなどを使いますが
野菜炒めのメイクには水溶き片栗粉を使います。

ボウルに片栗粉と水を入れ、味付けをします。
中華料理でよく使う味付けは「塩・砂糖・油脂・酢」などですが
おうちにあるものでやっちゃうのが巣ごもり料理。
さ、ここでお宅の冷蔵庫掃除をいたしましょか。
冷蔵庫ポケットに使いかけのドレッシング、焼肉のたれ、なんとかポンズ、
などがございませんか?
またはマヨネーズとか中濃ソースでも構いません。
これらを水溶き片栗粉に加えてかき混ぜれば
味付けはOKです。

図3

これは中華鍋で野菜炒めを作っているところですが、
最後の仕上げに一度火を止め、味をつけた水溶き片栗粉を
ジャッ!と流し入れます。
よくかき混ぜたらもう一度弱火にかけて混ぜ続けますと
片栗粉が熱で粘り始めます。
やがて野菜炒め全体がとろ~りとした中華餡で包まれる。
もうお分りですね~、水っぽかった失敗野菜炒めが
八宝菜に変身したのです。
「失敗したっ」…の原因だった「水気」が片栗粉のレスキューで
中華餡になりますとこのような料理になるのです。

図4

今一度、水溶き片栗粉を入れる前の野菜炒めと比べてみます。


こちら、フツーの野菜炒め。
ということはだよ・・・
野菜炒めを多めに作っておき、次の日にでも
水溶き片栗粉でとぢてしまえば
中華餡とぢができる・・・ってことです。

その中華餡とぢをうどんとかラーメンの上にかけると
「餡とぢ〇〇麺」が作れるってことです。

まだまだ使える片栗粉技

・残り物の煮物、汁物に片栗粉を溶かして再加熱すれば煮物、汁物がシチューの様な別物の料理に変身する
・醤油:味醂:水=1:1:1に少量の片栗粉を加え、弱火で練るとみたらし団子などに使う甘辛いたれが作れます


これは味醂+醤油に水溶き片栗粉を流し入れて
みたらし団子用の「葛餡」を作っているところ。
葛餡なんて漢字で書くとたいそうなもののように見えますが
実は簡単に作れるものだったのです。

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野菜炒めで失敗しそうになったら、
「最初から八宝菜を作るつもりだったのよぅ」と
涼しい顔で言いましょ。

*参考文献…台所リストラ術・309頁~
      詳しく出ています

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今回も営業部のKさんがレポートしてくれています!

失敗料理のごまかし方なんて、なんと心強いことでしょうか。
ということで、今回は思うままに野菜を切ります。
今回は春きゃべつ、新にんじん、アスパラガス、ピーマンを使いました。

レポ1

フライパンにお肉を入れ、焼き目をつけてから先ほどの野菜も投下します。

レポ2

そして今回の本題、餡とじです。

レポ3

味付けは、青森県民のソウルフード「スタミナ源たれ」を選びました。
実はこの「スタミナ源たれ」非常に美味しいのですが、いかんせん水分量が多く、野菜炒めには向かない調味料なのです。
しかし、魚柄先生を信じて、チャレンジしてみたいと思います。

水溶き片栗粉に焼き肉のたれを混ぜます。

レポ4

レポ5

レポ6

フライパンに回し入れ、少し火を入れて完成です!

レポ7

野菜炒めのシャキシャキ感が活きつつ、餡のおかげでしっかり味が絡んでいます!
野菜炒めの弱点である「水分量」と「味が決まりにくい」が同時に解消されていました。
また、野菜がコーティングされて冷めにくいので、ずっとできたての状態で食べられるのも魅力です。
どんな炒めものにも応用できそうなので、おうちごはんの小技がまたひとつ増えました。

彩り豊かで美味しそう!
青森県民のソウルフード「スタミナ源たれ」のお味が気になりますね。
IHで炒め調理をすると、どうしてもガス火のようにパリッと仕上がらないので、
さっそく取り入れたい技ですね!
皆様もどうぞ挑戦してみてください。

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魚柄仁之助先生の台所リストラ術をもっと知りたい方は飛鳥新社のページを御覧ください。


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