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「注文なんかいらない料理店」 28

思えば毎年大晦日は奥さんにとって鬼門でした。
年越し蕎麦と天ぷらを作り、おせちの準備をします。
苛々はかなりのもので、晦日と元旦は取り付く島も無いほど不機嫌です。

僕はこれまでもそれほど疲れるならおせちは止めてもいいよと言ってきました。
凝ったものではなく、筑前煮、ぶりの照り焼き、だし巻き、黒豆、きんとんですが、家族4人だけの正月には十分過ぎます。

奥さんのおせちはとても美味しい。
でも奥さんが不機嫌になるくらいなら要らない。

今年は珍しく「蕎麦やってくれるの?」と聞いてきました。
奥さんが余裕を持っておせちの準備ができるように、夕方早めに蕎麦を仕上げて家族でいただきました。
本当はかき揚げを作るつもりでしたが、片付けを減らすために年末ぼったくりの海老の天ぷらを買って済ませました。

夜に照り焼きの段取りと筑前煮を仕上げて紅白までゆっくり観ることができた奥さんは、いつになく落ち着いて晦日を過ごすことができたようで自分も嬉しかったです。

一人でしないと気が済まない、けど一人でやるから苛々する。
その負のルーティンが、きっと加齢で分業を受け入れるようになったことで上手くいったのでしょう。

毎回家族の小さなことばかりつらつら書いていますが、そんな一年をお付き合いいただきありがとうございました。
だけどもうすぐそこの来年も、変わらずつらつら投稿します(笑)
これからもよろしくお願いいたします。

蕎麦は生蕎麦では安めの越前蕎麦でした。
おいしくいただきました。
ごちそうさま。

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