もたない幸せ
いきなりだが、今日、タッピーは会社にスマホを持っていくのを忘れた。そのことに気が付いたとき「うーん。困ったな」と思った。特段急用もなかったし、だれかと連絡する予定もなかったから、一体何に困ったのか分からないが、なぜかそんな気分になった。
タッピーは休憩中にスマホをいじることが多いのだが、今日は休憩中の相棒がいないのだ。これは一大事である。一体、休憩中に何をして過ごせばいいのか。きっと路頭に迷うに違いない。そんな予感がしたのだ。
しかし、一日スマホが近くにない状態で過ごしてみると、まったく別の気持ちが湧いてきた。
結論からいうと、とにかく、とても気分が楽だった。
スマホがないと、メールを見れない つまり メールを見なければならないという衝動がなくなる
スマホがないと、ラインを見れない つまり ラインを見なければならないという衝動がなくなる
スマホがないと、noteを見れない つまり noteを見なければならないという衝動がなくなる
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etc
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こんな感じで、とにかくスマホが近くにないだけで、やらなくていいことが沢山あることに気が付いた。
はて、ではなにをしようか?と考えると、タッピーは自由であることに気が付いた。
休憩室でぼーっとテレビを見るもよし、同僚とおしゃべりに集中するもよし、本を読むもよし。
スマホがないだけで、スマホ以外のあらゆる選択肢がタッピーの目の前に出現したのだった。
◆◇◆◇
ちょっと大げさかもしれないけど、スマホの依存症だったのかもしれないと思った。
意味もなくスマホをいじることも多い。なんとなくスマホを開いて検索することが日常となっていた。残念ながらnoteもその一端を担っていたし、タッピーは気になることがあると、すぐに検索してしまう癖がある。
◆◇◆◇
スマホは便利だ。なんでも調べれば答えが出てくる。あの店は何時に開店するのか。目的地までの道のり、道路の混雑状況、今日の天気、今日のコロナの感染者数などなど。もう調べようと思えばずーっと調べることができる。つまりキリがないのだ。
でも便利ってどういうことだろう。不便ってなんだろうとも考えた。
別に店の開店時間が分からなくても、確実に空いている時間に行けばいいのではとも思う。
道が混んでいるかもしれなかったら、少し早めに出発すればいいのでは。
明日の天気が、今日分かってどうするのか。明日朝に起きれば分かるし、その時考えればいいのでは。
つまり、絶対に必要な情報をスマホで検索しているのではなく、大半は別に知らなくてもいい情報をスマホで検索していたと思う。
◆◇◆◇
スマホで検索してしまう、もう一つの理由。それは将来の見通しが不確定な状態だと不安になるから。
特に不安になりやすい人は、あらかじめなんでも知っておきたいと思う。タッピーは典型的にこのタイプであった。
でもなんでもあらかじめ知っておくことが、必ずしも幸せとは限らないのではないか。
◆◇◆◇
スマホを忘れた日の夜、バスを運転していると外を歩いている人が空に向かってスマホをかざしていた。
何か写真をとっているらしい。はて、何をとっているのか。
そう、今日は皆既月食が見られる日だったのだ。
そんなことをしらなかったタッピーは、空をみると、月のほとんどが隠れ、三日月のようになっている月を見つけて、興奮してしまった。
興奮した理由は多分二つある。一つは皆既月食という現象をこの目で見られたこと。そうそう見られる現象ではない。そして二つ目が、たまたま皆既月食の見られる夜に、バスを運転しており、外出していたために、その月を見ることができて「ラッキー!」という感情だった。
おそらく、今日いつものようにスマホを会社に持っていっていたら、いつものようにスマホでニュースを検索し、皆既月食のことを調べていた可能性が高い。そうするとこのラッキー感は得られなかったはずだ。
道行く人がスマホで皆既月食の写真を撮る中、タッピーは自分の目でその姿をやきつけたのであった。
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